この記事のポイント
- この記事では、花王株式会社がDXを推進するためにシチズン開発を行った内容を解説しています。
- DX推進により、業務アプリの自社開発で社内の効率化・業務改善を実現しています。
監修者プロフィール
坂本将磨
Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。
花王株式会社がDX(デジタルトランスフォーメーション)を加速するために、マイクロソフトの「Microsoft Power Platform」を活用して始めたシチズン開発の取り組みに注目が集まっています。本記事では、その戦略の背景や具体的な導入事例、そして実現した成果について詳細に解説します。2018年以降、革新を進める花王は、社員一人ひとりがイノベーターとなることで、ビジネスの効率化や業務改善を推進。目標として掲げる2025年までに1000人のシチズンデベロッパーの育成を目指し、より創造的な業務に注力できる組織へと変貌を遂げています。花王がDXを通じて社内外に新たな価値を提供するまでのプロセスをご紹介いたします。
飲食・食品分野に活用できるAIおよびDX導入事例をご紹介します。飲食・食品の分野では、自社サービスに生成AIを活用する事例、画像動画生成AIを用いてマーケティングに活用する事例が多く報告されています。AIの導入の活用法は、業界ごとに異なり、採用されるシステムも多様です。
この記事を通して 「導入アイデア・あなたに使えるサービス・導入のポイント」 の参考になれば幸いです。弊社ではAI導入の最初の窓口としてAI総合研究所を運営しています。導入のお悩みはご気軽に弊社にご相談ください。
導入事例概要
花王のロゴ
花王株式会社は、「よきモノづくり」を通じて社会貢献を行うという理念のもと、2018年からDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進に力を入れています。
マイクロソフトのクラウドサービス「Microsoft Power Platform」を活用し、シチズンディベロップメント(市民開発)を推進。社員一人ひとりが自らの業務改善に取り組み、組織の生産性向上を目指しています。
導入の背景
オフィス画像
花王株式会社では、長い歴史を持ちながらも、時代の変化に応じた革新を継続しており、2018年からはDXを推進しています。
これは消費者や社内のニーズに合わせた新たな商品やサービスの創出を目的としており、全社横断での変革を意図して始動しました。
元々の課題
花王では、DX推進前は、労働時間の削減や業務の効率化が求められておりました。
従来の働き方での非効率な活動やルーティンワークが多く、それらを削減し、創造的な業務へと時間をシフトしていく必要があったため、DXによる組織改善を図ることとなりました。
解決策
シチズンデベロッパーの概要
解決策としてマイクロソフトの「Microsoft Power Platform」を導入。花王では2025年までに1000人のシチズンデベロッパーを育成する目標を設け、ツールを使った知識共有や業務アプリの自社開発を促進。これにより、社員が自身の業務に積極的に関与し、プロセス改善を図ることが可能となりました。
効果
社内アプリ
DXの導入により、業務の効率化・能率化の成果が見られています。
例えば感染症報告アプリは全社規模で活用され、体調不良の報告手順の効率化によって時間削減を実現しました。
また、通勤回数確認アプリにより社員一人ひとりの出社状況を簡易に把握し、通勤費の精算業務改善にも寄与しています。