この記事のポイント
- この記事は、3D診療技術「Holomedicine」について、それがパーキンソン病治療にどのように貢献しうるかを紹介しています。
- 順天堂大学と日本マイクロソフトが共同で開発したこの技術は、通院の困難な患者にも高品質な診療を提供することを可能にします。
- Holomedicineを活用したオンライン診療は、対面診療に匹敵するコミュニケーションのクオリティを実現し、患者からのポジティブなフィードバックを得ています。
監修者プロフィール
坂本将磨
Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。
パーキンソン病治療の分野に革命をもたらす可能性を秘めた3D診療技術「Holomedicine」。本記事ではこの先進的な技術の導入事例を詳しく解説していきます。通院困難な患者の問題を解消し、高品質な医療サービスを提供するこのシステムは、順天堂大学と日本マイクロソフトが共同で開発。対面診療に劣らないレベルのコミュニケーションと診察を実現し、オンライン相談会でのポジティブなフィードバックや介護施設での活用など、パーキンソン病患者への新たなケアの形を提案しています。
ヘルスケアおよび福祉業界分野に活用できるAIおよびDX導入事例をご紹介します。ヘルスケアおよび福祉業界では、セキュリティとAIが回答を間違わないことは非常に重要です。特に患者さんなどの顧客に触れるサービスでの活用は十分に留意しましょう。
AIの導入の活用法は、業界ごとに異なり、採用されるシステムも多様です。この記事を通して 「導入アイデア・あなたに使えるサービス・導入のポイント」 の参考になれば幸いです。
弊社ではAI導入の最初の窓口としてAI総合研究所を運営しています。導入のお悩みはご気軽に弊社にご相談ください。
【導入事例概要】
順天堂大学の校章
本記事では、パーキンソン病治療における3次元オンライン医療相談システム「Holomedicine」の開発と、その具体的な導入事例について紹介します。革新的なテレメディシン技術がもたらす利便性と、現実に近いコミュニケーションを実現可能にした本システムは、パーキンソン病患者のケアにおいて新たな可能性を示しています。
【導入の背景】
順天堂大学脳神経学研究科は、パーキンソン病患者への定期的な適切な診療が重要であるにもかかわらず、通院が困難な患者が適切な医療を受けられないという問題に直面していました。通院の困難性はさらなる症状の悪化を招くため、この問題を解決するための手段が求められていました。
【元々の課題】
パーキンソン病患者の多くが、専門医による適切な診断・治療をまんべんなく受けることができず、症状が進行する中でさらに通院が困難になるという悪循環に陥っていました。オンライン診療は解決策の一つでしたが、パーキンソン病の症状を多角的に診る必要があるため、画面越しの2次元診療では限界がありました。
【解決策】
この問題に対処するために、順天堂大学と日本マイクロソフトは、共同で3次元テレプレゼンス技術「Holomedicine」を開発しました。このシステムでは、HoloLens 2とAzure Kinect DKを用いることで、患者と医師を3次元でつなぎ、対面診察室に近い環境をオンライン上で作り出します。この取り組みは、通院が困難な患者に対しても高品質な医療サービスを提供することを可能にしました。
「Holomedicine」の開発
【効果】
Holomedicineを用いたオンライン相談会では、参加したパーキンソン病患者が、リアルなコミュニケーションを通じて安心感を得られるというポジティブなフィードバックが得られました。複数の研究結果も、オンライン診療における効果を証明しており、従来の対面診療に匹敵するクオリティを実現しています。この技術は介護施設においても、質の高い医療を提供するサポートとなることが期待されています。
Holomedicineを用いたオンライン相談会