この記事のポイント
- この記事は、自治体DXを推進するATLシステムズのAzureクラウドサービスの活用例について述べています。
- 「クラウド・バイ・デフォルト原則」に基づく政府の推進とコロナ禍でのリモートワーク拡大を受け、自治体に変革が求められている背景があります。
- ATLシステムズでは、Azureを基盤としたクラウド移行により、社内システムの運用コスト最適化と柔軟な運用が実現されています。
- 移行結果として、ビル施設の点検や故障対応が不要になるなどのメリットが生じ、自治体への具体的なクラウド移行支援が可能になりました。
監修者プロフィール
坂本将磨
Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。
自治体のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支える具体的な取り組みとその成果は、常に多くの関心を集めています。本記事では、自治体DXを加速させるATLシステムズ社の事例を紹介し、どのようにMicrosoft Azureのクラウドサービスが彼らのシステム運用変革に寄与しているのかを解説してまいります。コロナ禍のリモートワーク推進やクラウド・バイ・デフォルト原則に沿って、新たなネットワークおよびデータソリューションを提供し続けるATLシステムズの歩みと、Azureを利用した運用コスト最適化や社内知見の蓄積による自治体支援の強化に焦点を当てます。この取り組みが他の自治体や組織にとってどのような示唆を与えるのか、さらに深堀りしていきます。
自治体で活用できるAIおよびDX導入事例をご紹介します。自治体では、生成AIをチャットボットとして自治体独自の情報を活用する事例が多く報告されています。セキュリティの観点からAzureクラウド上で構築されている例が大半を占めています。
AIの導入の活用法は、業界ごとに異なり、採用されるシステムも多様です。この記事を通して 「導入アイデア・あなたに使えるサービス・導入のポイント」 の参考になれば幸いです。弊社ではAI導入の最初の窓口としてAI総合研究所を運営しています。導入のお悩みはご気軽に弊社にご相談ください。
【導入事例概要】
ATLシステムズの企業ロゴ
自治体DXを推進するATLシステムズは、Microsoft Azureの多様なサービスを活用して、地方自治体向けのシステム運用を変革しています。社内システムのクラウド化と新組織クラウドテクノロジーユニットの立ち上げを経て、Autonomous Body DXにおける新たな取り組みとして注目されています。
【導入の背景】
政府による「クラウド・バイ・デフォルト原則」の推進やコロナ禍によるリモートワークの拡大を受けて、地方自治体のシステム運用に変革が求められていました。また、テレワークの普及によりネットワークの重要性が高まり、ATLシステムズはこれらの変化に対応すべく、ネットワークソリューションとデータソリューションを強化し、クラウド事業に取り組む新組織を設立しました。
【元々の課題】
ATLシステムズは、自治体向けICTシステムを提供する企業として成長してきましたが、ハードウェアの老朽化や新社屋への移転という課題に直面していました。また、コロナ禍でリモートワークが拡大し、地方自治体からのニーズ変化に柔軟に対応する必要がありました。
【解決策】
社内システムをクラウドへ移行すること、特にMicrosoft Azureを基盤として採用することを決定しました。マイクロソフト製品に関する豊富なノウハウを活かしながら、Azure のクラウド移行ツール「Azure Migrate」を利用して、社内の顧客向け検証サーバー環境と業務サーバー環境を効率良くAzure へ移行することが解決策として採用されました。
Microsoft Azureを基盤としたクラウド移行
【効果】
クラウド移行により、拡張性と柔軟性が高まり、ビル施設の点検や故障対応が不要になりました。さらに、運用コストを最適化し、オンプレミスと同等のコストでシステムを運用できるようになりました。また、社内にクラウドの知見が蓄積され、自治体のクラウド移行を支援する具体的な提案が可能になりました。