この記事のポイント
- 横須賀市は、ChatGPTを導入し約22,700時間の文書作成時間を削減しました。
- 市職員の事務処理能力のばらつきを解消し、働き方改革に貢献しています。
監修者プロフィール
坂本将磨
Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。
横須賀市がAI技術の進展を見据え、市役所業務の効率化を目指す中で、高性能な自然言語処理技術「ChatGPT」を導入し、実証実験を成功させたことをお伝えします。文書作成の時間削減と質の向上を実現し、市職員の働き方改革にも貢献しています。これにより、約22,700時間もの業務時間が節約される結果を残した本事例は、今後他の自治体にとって貴重なモデルとなるでしょう。本記事では、その背景、課題、そして導入効果に至るまでのプロセスを、実際の数値と共に詳細に解説していきますので、デジタルトランスフォーメーションへの一例としてご参考になれば幸いです。
自治体で活用できるAIおよびDX導入事例をご紹介します。自治体では、生成AIをチャットボットとして自治体独自の情報を活用する事例が多く報告されています。セキュリティの観点からAzureクラウド上で構築されている例が大半を占めています。
AIの導入の活用法は、業界ごとに異なり、採用されるシステムも多様です。この記事を通して 「導入アイデア・あなたに使えるサービス・導入のポイント」 の参考になれば幸いです。弊社ではAI導入の最初の窓口としてAI総合研究所を運営しています。導入のお悩みはご気軽に弊社にご相談ください。
【導入事例概要】
横須賀市ロゴ
横須賀市では、AI技術の一環としてChatGPTを活用し、業務効率を向上させる実証実験を行いました。この導入により、文書作成の時間が大幅に削減され、職員の働き方改革に貢献しています。さらには、その成功に基づきChatGPTを本格的に導入する予定であり、この取り組みを通じて他の自治体にもノウハウを共有していく方針です。
【導入の背景】
横須賀市では、デジタル化の進展と効率的な業務遂行を目的として、AI技術を積極的に導入する取り組みが進んでいます。特に文書作成に関する業務時間の短縮とその質の向上を目指してChatGPTの導入を決定しました。
【元々の課題】
市の職員は、日々多くの文書作成に追われ、時間と労力がかかっていました。また、各職員の事務処理能力にバラつきがあり、一部の職員にとっては大きなストレスの原因となっていました。
【解決策】
ChatGPTの導入によって、文章案の生成や質問への返答支援などを行い、職員の負担を軽減することを目的としました。導入後は、業務効率が大幅に向上しました。さらに、ChatGPTの仕様を理解し高度に活用するための社内研修も検討されています。
【効果】
文書作成に関しては、約1年間で22,700時間の業務時間が削減されるなど、業務効率化の大きな成果が出ました。また、職員からはChatGPTの高い利用意向が示され、自治体としてもChatGPTを活用した先進的なデジタルガバメント推進への体制強化が図られました。
デジタル・ガバメントを推進する横須賀市