この記事のポイント
- この記事はコニカミノルタによるチャットボット「リテラ」の導入経緯と効果に関して述べています。
- デジタライゼーションへの積極的な取り組みの一環として、テレワークの増加に伴うIT関連問い合わせへの対応強化のために導入されました。
- 社内サービスデスクの問い合わせ対応を効率化する目的で開発され、MicrosoftのAzure Bot ServiceとQnAMakerを使用したチャットボットです。
- 「リテラ」は約7カ月で5000件の問い合わせに対応し、大幅な工数削減とITリテラシー向上に寄与しています。
監修者プロフィール
坂本将磨
Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。
デジタルトランスフォーメーションの一環として、コニカミノルタ株式会社がチャットボット「リテラ」を導入し、社内ITサービスの質問対応を強化したその背後にある秘話を紐解きます。本記事では、テレワークの普及による社内IT関連の問い合わせ増加を背景に、運用業務の自動化と効率化を目指してチャットボット開発が進められた過程やその成果を詳しくご紹介します。マイクロソフトのAzure Bot ServiceとQnAMakerを使用し、Microsoft Teamsと連携することで、IT業務の効率化を実現。社内でのITリテラシー向上にも貢献しているコニカミノルタのチャットボット導入事例について、具体的な数値や効果を交えて解説してまいります。
製造業界のAIおよびDX導入事例をご紹介します。製造業界では、IoTを用いたシステム、ロボット化の技術、ビッグデータを用いた活用が多く報告されています。AIの導入の活用法は、業界ごとに異なり、採用されるシステムも多様です。
この記事を通して 「導入アイデア・あなたに使えるサービス・導入のポイント」 の参考になれば幸いです。弊社ではAI導入の最初の窓口としてAI総合研究所を運営しています。導入のお悩みはご気軽に弊社にご相談ください。
【導入事例概要】
コニカミノルタ株式会社
デジタル化の最先端を行くコニカミノルタ株式会社は、社内ITサービスに関する質問に対応するチャットボット「リテラ」の開発を進めました。これはMicrosoft Teamsを利用したもので、Azure Bot ServiceとQnAMakerのAPIを活用しています。
【導入の背景】
コニカミノルタは早期からデジタライゼーションへの取り組みを行い、勤務場所の制約を受けない働き方や業務の効率化を追求してきました。新型コロナウイルスの流行による外出自粛の中、テレワーク対応も円滑に進められており、社内IT関連の問い合わせ増加に対して、チャットボットがその対応を効果的に担っています。
【元々の課題】
運用業務の集約化と自動化を進める中で、チャットボットの導入を検討しました。社内サービスデスクに対しては「パスワードの忘れ」「リモートワーク用ツールの申請方法」等の問い合わせが多くあり、これにチャットボットで効率的に対応することが必要でした。
【解決策】
チャットボット「リテラ」の開発において、マイクロソフトのAzure Bot ServiceとQnAMakerを使用しました。これらにより、質問と回答のペアを学習させながら、一問一答の対応が可能になります。また、Microsoft Teamsの利用経験と連携を活かした対応が行えるようになりました。
チャットボット「リテラ」の開発
【効果】
「リテラ」はリリースから約7カ月で約5000件の質問に対応し、その間に約7.7人月の工数削減効果があったとされます。また、ITリテラシー向上や社員の自己解決意識の醸成に貢献し、オンデマンドで即応できる体制が評価されています。
社内でリテラを普及