この記事のポイント
- この記事は、LINEヤフーにおける生成AI「LY-ChatAI」の導入事例について紹介しています。
- AIアシスタント「LY-ChatAI」を用いることで文書作成や文案修正などの業務効率が向上しています。
- 導入により、エンジニアのコーディング時間が削減されるなどして平均7%の生産性が向上していると報じられています。
監修者プロフィール
坂本将磨
Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。
LINEヤフーが、業務の生産性向上と新サービス創出を目的に、生成AIを導入した事例を紹介します。従来、LINEとヤフーは独自でAIアシスタントを利用していましたが、合併を契機に一層のAI活用を図り、さらに「LY-ChatAI」という新たなAIアシスタントを開発。これにより、テンプレート作成、文案の修正、調査、文章の分類などの業務効率が飛躍的に向上したのです。この導入事例からは、AIによる生産性の革新や年間約1100億円の売上増が見込めることが明らかになりました。また、すでに平均7%の生産性向上と、エンジニア向けの「GitHub Copilot」の導入によるコーディング時間の削減も実現しています。この記事では、そうしたLINEヤフーがAIを活用して実現した具体的な成果に焦点を当て、今後の可能性を探ります。
ITシステム開発分野に活用できるAIおよびDX導入事例をご紹介します。ITシステム開発の分野では、自社サービスに生成AIを活用する事例、自社効率性の向上の事例が多く報告されています。AIの導入の活用法は、業界ごとに異なり、採用されるシステムも多様です。
この記事を通して 「導入アイデア・あなたに使えるサービス・導入のポイント」 の参考になれば幸いです。弊社ではAI導入の最初の窓口としてAI総合研究所を運営しています。導入のお悩みはご気軽に弊社にご相談ください。
【導入事例概要】
LINEヤフー
LINEヤフーが生産性の向上と新サービス創出を目的とし生成AIを業務に導入しました。同社は積極的なAI活用によって年間約1100億円の売上増を目指しています。
【導入の背景】
売上の増加と業務効率化を実現するため、LINEヤフーは生成AIの導入を決定しました。合併前のLINEとヤフーはそれぞれ独自にAIアシスタントを利用しており、合併後もその方針を継続しています。
【元々の課題】
業務の生産性を向上させ、新サービスを創出するための手段を模索していたLINEヤフーは、日々の業務で発生する大量の文書作成や、アイデアの出し合いなどに大量の時間を要していました。
【解決策】
LINEヤフーは、従業員の業務生産性を向上させるために、文書やメールのテンプレート作成、文案の修正、調査、文章の分類などの機能を持つAIアシスタント「LY-ChatAI」を導入し、全従業員に提供しています。
「LY-ChatAI」の導入
【効果】
AIアシスタントの導入により、平均7%の生産性向上が確認されています。また、約7000人のエンジニアに配布された「GitHub Copilot」は、コーディング時間を1~2時間削減し、生産性を10~30%向上させたと報告されています。