この記事のポイント
- この記事はMicrosoft Copilot Studioの新機能について述べています。
- ビジネスプロセスを自律的に自動化・調整できる独立したエージェントとしての機能が追加されています。
- Copilotの作成プロセスが簡素化され、会話形式で直感的に進めることができます。
- 多様なデータソースと連携しビジネスデータを活用できるCopilotコネクタが提供されています。
- Copilotに関する分析情報やビルド済みのテンプレートなどを活用して効果的なCopilot構築が可能です。
- ーセキュリティと制御が強化され、監査ログやデータ損失防止違反の監視などが行えます。
監修者プロフィール
坂本 将磨
Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。
AI技術が進化し、新たな業務支援ツールが登場しました。
Microsoft Build 2024で発表された「Microsoft Copilot Studio」は、その最前線を行く技術です。
本記事では、Microsoft Copilot Studioに新たに追加された、コパイロットとして独立したエージェント機能のビジネスにおける活用事例や機能をご紹介します。
エージェント機能により、電子メールの自動応答や長期にわたるタスクの非同期オーケストレーションが可能になりました。さらに、企業の効率的な業務遂行を実現するために重要なCopilotの作成プロセスのシンプル化、多様なデータソースとの連携機能、セキュリティ強化など、使い勝手の良さと厳格なデータ管理を兼ね備えている点への言及も欠かせません。
この記事を通じて、Microsoft Copilot Studioが如何にして次世代の職場を変革する可能性を秘めているのか、その全貌を明らかにします。
目次
自律的に機能するエージェントとしてのCopilot
Microsoft Build 2024では、Microsoft Copilot Studioの強力な新機能が発表されました。
その中でも特に注目すべきは、会話だけでなくイベントによってトリガーされる独立したエージェントとして機能し、複雑で長期にわたるビジネスプロセスを自律的に自動化・調整できるCopilotです。
例えば、メールが届いたときに反応し、送信者の詳細を調べ、過去のやり取りを確認し、適切な一連のアクションをトリガーできるようになります。
このようなエージェント機能を備えたCopilotは、ITヘルプデスク、従業員のオンボーディング、販売とサービスのパーソナルコンシェルジュなど、様々な業務シナリオで活用できます。
複雑なタスクの非同期オーケストレーション、メモリとコンテキストの活用、監視・学習・改善といった基盤となる機能により、Copilotはユーザーと連携しながら、長期的かつ文脈に即した対話を通じて業務を遂行します。
シンプルになったCopilot作成プロセス
Copilot Studioでは、会話形式の新しいエクスペリエンスでCopilotを作成できます。何をしたいのか、どのような知識を持ちたいのかを説明するだけで、Copilot Studioが独自のCopilotを作成。
すぐにテストし、アクション、API、エンタープライズナレッジなどの機能を追加して、数クリックでライブ公開できます。
企業データとの連携を実現するCopilotコネクタ
Copilotコネクタにより、誰でもCopilotをビジネスデータやコラボレーションデータに活用できるようになりました。
パブリックWebサイト、SharePoint、OneDrive、Microsoft Dataverseテーブル、Microsoft Fabric OneLake、Microsoft Graph、主要なサードパーティアプリなど、さまざまなデータソースとの連携が可能です。
Copilotコネクタ:Microsoftデーターベース上のナレッジソースとの連携が可能
会話型分析とテンプレートによるCopilot構築支援
新しい会話型AI分析とインサイトにより、Copilotの効果について深い洞察を得ることができます。
ユーザーの満足度、よくある質問、役立つ回答、改善点などについての分析情報を得られ、ナレッジソースの拡充やカスタムトピックの作成に役立てられます。
また、Copilot Studioには、部門や業界向けのビルド済みCopilotサンプルも含まれるようになりました。
出張サポート用のSafe Travels、組織ナビゲーター、Kudos Copilot、従業員のウェルネス向け分析など、様々なテンプレートが用意されています。
インサイト抽出
セキュリティと制御の強化
Microsoft Purviewとの連携により、監査ログ、インベントリ機能、機密ラベルなどの詳細なガバナンスツールが利用可能に。
Copilot Studioの管理者は、テナント全体の使用状況や、データ損失防止違反の監視など、ビジネスへの影響を効果的に把握できます。
出典:Microsoft