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Azure translator(Azure AI翻訳)とは?主要機能や料金、使い方を徹底解説

この記事のポイント

  • Azure Translatorの100以上の言語対応と、AI駆使のリアルタイム翻訳機能を解説
  • 企業ニーズに合わせた翻訳モデルのカスタマイズ方法と、その利点を詳述
  • VolkswagenグループやKPMGなど、実際の大企業での具体的な活用事例を紹介
  • 無料プランから従量課金制まで、柔軟な料金体系の詳細を提示
  • Google Cloud Translation APIやDeepL Translateとの比較で、Azure Translatorの強みを分析

監修者プロフィール

坂本 将磨

Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。

Azure Translatorは、Microsoftが提供する高性能な多言語翻訳サービスです。
100以上の言語に対応し、AIを駆使したリアルタイム翻訳やドキュメント翻訳機能を備えています。

本記事では、Azure Translatorの主要機能、カスタマイズオプション、実際の企業での活用事例、そして料金プランについて詳しく解説します。

グローバルビジネスにおける言語の壁を取り払い、効率的なコミュニケーションを実現するAzure Translatorの可能性をご紹介します。

Azure AI翻訳(Azure translator)とは

Azure AI翻訳とは、Microsoft Azure が提供するクラウドベースの翻訳サービスで、100以上の言語に対応する高品質なテキスト翻訳を提供します。

グローバルなビジネスや多言語コンテンツ制作者にとって有用なツールであり、ウェブコンテンツからアプリケーション内の即座の翻訳まで、様々な場面で活用することが出来ます。

AzureのTranslator
AzureのTranslator


Azure AI翻訳(Azure translator)の主要機能

Microsoft AzureのTranslatorは、様々なビジネスニーズやアプリケーション開発要件を満たすために、多くの機能とサービスを提供しています。

幅広い対応言語

Azure Translatorは翻訳サービスの中でも数多い100以上の言語と地域をサポートしています。
対応している言語には、主要な世界言語だけでなく、多くの地域言語も含まれます。

そのためAzure Translatorを用いることでグローバルな顧客に対応した多言語コンテンツを迅速に提供できます。

カスタマイズ可能な翻訳

Azure Translatorは企業のニーズに合わせて翻訳モデルをカスタマイズすることができます。

ユーザーが自分たちのビジネスやプロジェクトに特有の語彙を学習させることで、特定のドメインや業界に特化した用語やスタイルを反映させることができ、より正確で自然な翻訳結果を得ることが可能です。

AI技術を駆使したテキストとドキュメントを翻訳

AzureのTranslatorはAI技術を駆使しています。これによりテキスト翻訳機能にとどまらず、次のような便利な機能を提供しています。

  • リアルタイム翻訳
    リアルタイムでテキストやドキュメントを翻訳することができます。これにより、チャットアプリケーションやリアルタイムコミュニケーションツールでの即時翻訳が可能です。

  • ドキュメント翻訳
    ドキュメントの翻訳にも対応しており、PDF、Word、PowerPointなどさまざまな形式のドキュメントを自動的に理解し、文脈に応じた翻訳を行う能力を備えています。

  • 音声翻訳
    音声入力をテキストに変換し、そのテキストを翻訳する機能があります。これにより、会議やプレゼンテーションなどでのリアルタイム翻訳が可能となります。

Azure AI翻訳(Azure translator)の使い方

ここではAzureのTranslatorのリソースの作成方法を簡単に説明します。

  1. Azureポータルにログインし、「リソースの作成」を選択

  2. 「Translator」を検索し、「Translator Text」を選択
    Translatorの検索
    Translatorの検索



3. 「作成」をクリックして、以下の情報を入力します。

  • サブスクリプション: 使用するAzureサブスクリプションを選択
  • リソースグループ: 新規または既存のリソースグループを選択
  • リージョン: 使用するデータセンターのリージョンを選択
  • 名前: Translatorリソースの名前を入力
  • 「確認および作成」ボタンをクリックし、設定内容を確認した後、「作成」を選択

リソースの作成
リソースの作成

Azure AI翻訳(Azure translator)より利用方法は(Azureの公式ドキュメント)[https://learn.microsoft.com/ja-jp/azure/ai-services/translator/]をご覧ください。
Azureの公式ドキュメント
Azureの公式ドキュメント


Azure AI翻訳(Azure translator)の料金

AzureのTranslatorサービスは、柔軟な料金体系を持ち、異なるユーザーの予算に合わせて自由にプランを選択できます。

ここでは東アジアリージョンの価格レベルごとの、標準的な機能の価格を紹介します。

F0 - 無料レベル

無料レベルでは標準翻訳とカスタム翻訳のトレーニング料金の任意の組み合わせで毎月200万文字が無料で使える価格レベルとなっています。
具体的には次の機能を毎月200万文字で無料で利用できます。

標準翻訳

  • テキスト翻訳
  • 言語検出
  • 二か国語辞書
  • 翻訳
    カスタム翻訳
  • トレーニング

S1 - 従量課金制

重量課金制レベルでは、標準翻訳とカスタム翻訳の利用に従量課金制で料金が発生します。

無料レベルよりも更にカスタム翻訳機能が充実しています。

機能 料金
標準翻訳
テキスト翻訳 100 万文字あたり ¥1,575.00
言語検出 100 万文字あたり ¥1,575.00
二か国語辞書 100 万文字あたり ¥1,575.00
ドキュメントの翻訳 100 万文字あたり ¥2,362.50
カスタム翻訳
テキスト翻訳 100 万文字あたり ¥6,300.00
ドキュメントの翻訳 100 万文字あたり ¥6,300.00
トレーニング トレーニングデータのソースおよびターゲット文字100万あたり ¥1,575.00 (トレーニングあたり最大 ¥47,250.00)
カスタムモデルホスティング ホストされたカスタム翻訳モデルあたり毎月 ¥1,575.00 (リージョン単位)

Azure AI翻訳(Azure translator)の導入事例とユースケース

AzureのTranslator機能は多くの企業や組織に採用されています。その具体的な導入事例を通じて、Translatorがビジネスプロセスやグローバルコミュニケーションにどのように貢献しているかを紹介します。

ここでは(MicrosoftのAzure AI翻訳のページ)[https://azure.microsoft.com/ja-jp/products/ai-services/ai-translator]で紹介されている事例を参照しています。

Volkswagenグループ

フォルクスワーゲングループは、ドイツに本社を置く世界最大級の自動車メーカーの一つです。
世界中の顧客に向けて40以上の言語で膨大な文書を提供しており、毎年グループ内で翻訳される単語数は最大で10億に達し、その量は急増しています。

そこでデジタル化による新たなコミュニケーションストリームと、理想的にはリアルタイムでの翻訳を求める新たな要求からAzureクラウドに目を向けました。

Microsoft Azureの高いスケーラビリティと柔軟性が評価され、フォルクスワーゲングループの中央翻訳管理オフィスの社内のVW顧客や翻訳エージェンシー向けに機械翻訳プロジェクトにAzure Translatorが使われています。

KPMGグループ

KPMGは世界154カ国に約20万人の専門家を持ち、会計監査や税務、経営コンサルティングを主力とする多国籍企業であり、世界4大会計事務所の一角を占める企業です。

KPMGは銀行が望ましくない活動を検出するのを支援するために、リスク分析ソリューションである「Magna」を開発しました。

そして、KPMGではさらに様々な言語を話す世界中の銀行顧客のニーズに対応するため、MagnaにAzure Translatorを導入しました。
事前構築された翻訳機能とカスタム翻訳機能を活用することで、Magnaのパフォーマンスを向上させています。


Azure AI Translatorと競合サービスとの比較

Azure AI Translatorは、翻訳サービス市場において強力な位置を占めていますが、他にも複数の競合サービスが存在します。
ここでは、主要な競合サービスとの比較を行い、Azure AI Translatorの強みを明確にします。

Google Cloud Translation API

Google Cloud Translation APIは100以上の言語をサポートし、Googleの大規模な言語データを活用した機械学習モデルを使用しています。

Google製品との統合が容易である一方、Azure AI Translatorは Microsoft製品とのより緊密な統合を提供しています。

DeepL Translate

DeepL Translateは、より自然で流暢な翻訳を提供することで知られています。
しかし、Azure AI Translatorはより多様な機能(ドキュメント翻訳、文字転写など)を提供し、エンタープライズレベルのセキュリティとコンプライアンス対応も強みとしています。

Azure AI Translatorの強みは、Microsoftのクラウドインフラストラクチャとの緊密な統合、カスタマイズ可能な翻訳モデル、そして多様な機能にあります。
特に大規模なエンタープライズ環境や、Microsoft製品との統合が求められる場面で強みを発揮します。


まとめ

この記事では最先端のAI翻訳技術を活用して、言語の壁を取り除くMicrosoft AzureのTranslator機能について、その機能や実際の企業での導入事例、利用方法や利用料金について説明しました。

AzureのTranslatorを利用することで、開発者はグローバルなアプリケーション開発を容易に行え、企業はグローバルなオーディエンスに対応した多言語コンテンツを迅速に提供できるでしょう。

他のAzureサービスの情報については、AI総合研究所の関連記事をご覧ください。

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監修者

坂本 将磨

Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。

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