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Power BIとは?主要機能や使い方、料金体系について解説!

この記事のポイント

  • この記事は、データ分析ツール「Power BI」について詳しく説明しています。
  • Power BIはマイクロソフトが提供するクラウドベースのデータ分析ツールです。
  • 初心者でも理解しやすいように、その概要から使い方、料金体系や活用事例まで幅広く解説しています。

監修者プロフィール

坂本 将磨

Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。

データをビジネスに活かすための鍵となるツール「Power BI」。
この記事では、マイクロソフトが提供するPower BIを、初心者の方にもわかりやすく解説していきます。データ可視化から分析まで、一連の機能を直感的に操作できることが魅力です。
概要から具体的な使い方、料金プランに至るまで、企業がデータから洞察を得やすくなるためのガイドをご紹介。

また、Power BIを活用する多様な業種の事例も紹介し、ビジネスに対する理解が深まる内容となっています。データと向き合い、成長へとつなげるビジネスインテリジェンスを目指してみませんか?

Power BIとは

Power BIは、Microsoftが提供するクラウドベースのデータ分析ツールです。データを集めて、分析し、見やすく表示し、共有することができます。操作も直感的で、扱いやすいところも魅力です。

企業では、売上や顧客、マーケティングなど、さまざまなデータを分析するために使われており、データに基づいたより良い意思決定に役立つツールとなっています。
Power BIイメージPower BIイメージ

Power BIの提供形態

Power BIは次のようにデスクトップ、クラウド、モバイルといった3つの利用方法で提供されており、ユーザーのニーズに合わせて柔軟に活用することができます。

![PowerBIイメージ図](PowerBIイメージ図-<https://aisouken.blob.core.windows.net/article/962/Power BIイメージ.webp>)
PowerBIイメージ図

  • Power BI Desktop
    Windows用のデスクトップアプリケーションで、データの収集、加工、分析、視覚化、レポート作成など、基本機能を利用できます。ローカル環境でレポートを作成するのに最適です。

  • Power BI Service
    クラウドベースのサービスで、作成したレポートやダッシュボードをオンラインで共有できます。チームや組織内でのデータ共有に適しています。

  • Power BI Mobile
    モバイルアプリ(iOS、Android、Windows対応)で、外出先からでもレポートやダッシュボードにアクセス可能です。どこでもリアルタイムにデータを確認できます。

Power BIの用途

Power BIは、以下のようなさまざまなビジネスシーンで役立ちます。

  • データ分析
    複数のデータから情報を集めて分析し、ビジネスの現状を把握したり、課題を見つけたりすることができます。

  • レポート作成
    分析結果をグラフや図でわかりやすく可視化し、関係者に共有することができます。

  • ダッシュボード作成
    重要なデータをまとめたダッシュボードを作成し、リアルタイムでビジネスの状況を確認することができます。

ダッシュボードイメージダッシュボードイメージ(参考:マイクロソフト)

  • データ共有
    作成したレポートやダッシュボードを組織内で共有することで、ビジネス上の決定に役立ちます。

Power BIの主要機能

Power BIは、データ分析に必要な機能を豊富に備えています。ここでは、Power BIの主要な機能について詳しく解説します。

データの収集

Power BIは、以下の様々なデータソースから簡単にデータを集めることができます。

  • Excel
    Excelファイルのデータを取り込んで、さらに分析やグラフ化ができます。

  • データベース
    SQL ServerやOracleなどのデータベースに接続し、データを直接取得できます。

  • Webサービス
    Google AnalyticsやSalesforceなどのオンラインサービスからデータを取り込むことも可能です。

データの加工

Power Queryは、ExcelやPower BIに搭載されているデータ取り込み・加工用のツールです。このツールを使うことで、以下のようなデータの加工も可能になります。

  • データのクレンジング
    欠損データを補ったり、重複データを削除してデータを整えます。

  • データの変換
    データの形式を変更したり、列を分けたり、まとめたりできます。

  • データの結合
    複数のテーブルをつなぎ合わせて、必要なデータセットを作成します。

データの分析

Power BIでは、以下のようにデータを集計したり、条件で絞り込んだり、階層的に深掘りしたりして分析することができます。

  • 集計
    合計や平均などの数値を計算します。

  • フィルタリング
    データを条件で絞り込みたい場合、フィルタリング機能を使うことで条件に合うデータだけを表示することができます。

  • ドリルダウン
    データをより詳細なレベルに掘り下げて見ることができる分析手法です。具体的には、集計データからさらに細かい項目を見たり、階層構造に沿ってデータを深掘りしていくことを指します。

:売上データを分析する場合

  • 全体の売上データから地域ごとの売上を確認。
  • 地域ごとの売上をさらに掘り下げて、都道府県別の売上を見る。
  • 都道府県の中でもさらに掘り下げて、店舗ごとの売上を見る。

上記のような見方が可能です。
ドリルダウンを使うことで、広い視点から詳細なデータに掘り下げて分析でき、データの原因や傾向を把握しやすくなります。

データの視覚化

Power BIには、グラフやチャートを簡単に作成してデータをわかりやすく見せるための以下のようなビジュアル表現が揃っています。

  • グラフ:棒グラフや円グラフ、折れ線グラフなど。

  • チャート:散布図やヒストグラムなど。

  • マップ:地図上にデータをプロットして、地域ごとの分布を表示することもできます。

![マップイメージ](image-<https://aisouken.blob.core.windows.net/article/962/Power BIイメージ.webp>)
マップイメージ(参考:マイクロソフト)

レポートの作成

複数のグラフやチャートを組み合わせて、リアルタイムでデータの視点や表示内容を切り替えたり、掘り下げたりできるレポートを作成できます。レポートは印刷やPDF出力も可能です。


売上レポートで日付フィルターを使って「2023年」のデータに絞り込むと、その年の売上トレンド、商品別売上、地域別売上などのすべての視覚化が即座にその条件に合わせて表示内容を変えます。

この機能を活用することで、ユーザーは一度の操作で複数の切り口からデータを分析することができます。

ダッシュボードの作成

重要なデータを一画面にまとめたダッシュボードを作れます。リアルタイムでデータが更新されるので、ビジネスの現状を常に把握することができます。


Power BIのメリット

Power BIは、ビジネスに多くのメリットをもたらします。そこでここでは、Power BIの主要なメリットについて解説します。

豊富なデータソースへの接続

Power BIを使うと、様々なデータソースに接続することができます。そのため、社内外のデータを統合して分析し、より深いビジネス上の洞察を得ることができます。

直感的な操作性

Power BIでは、ドラッグ&ドロップなどの簡単な操作で、データ分析を行うことができます。そのため、専門的な知識がなくても、簡単にデータ分析を始めることが可能です。

高度な分析機能

Power BIでは、DAXを使うことができます。

DAX(Data Analysis Expressions)は、Power BIやExcelでデータ分析や計算を行うための専用の式言語です。DAXを使うと、より複雑な分析や計算ができるようになります。

詳細はこちらをご覧ください。

多彩な視覚化

Power BIでは、多彩なビジュアル表現が提供されています。こうしたビジュアル表現を用いることで、より効果的に情報を伝達することができるでしょう。

リアルタイムデータ分析

Power BIは、リアルタイムでデータを更新することができます。そのため、常に最新のデータに基づいた意思決定を行うことができます。

コラボレーション機能

Power BI Serviceでは、レポートやダッシュボードを共有し、共同作業を行うことができます。コメント機能や共有機能を利用することで、チームでのデータ分析に役立ちます。

モバイル対応

Power BI Mobileを利用することで、外出先でもデータを確認することができます。場所を選ばずにデータ分析を行うことができるため、仕事のスピードと柔軟性が向上します。。

コストパフォーマンス

Power BIは無料アカウントで利用することができます。さらに性能が高いプランでもユーザー単位のサブスクリプションで利用できるため、低コストで導入することが可能です。


Power BIの使い方

ここではPower BIを初めて使う方向けに、基本的な使い方をステップバイステップで解説します。

ステップ1: Power BI Desktopのインストール

  1. Azureポータルにアクセスします。

  2. 「今すぐダウンロード」をクリックします。
    MicrosoftPowerBIダウンロード画面
    MicrosoftPowerBIダウンロード画面

  3. 「入手」をクリックします。
    インストール前画面
    インストール前画面

  4. インストール後、「開く」をクリックします。
    インストール後画面
    インストール後画面

ステップ2: Microsoft Power BIでのデータのインポートとレポートの作成概

  1. 「データを取得」をクリックし、データをインポートします。
    データ作成画面
    データ作成画面

  2. データ作成後、「空のレポート」をクリックし、新規レポートを作成します。
    レポート作成画面
    レポート作成画面


Power BIの料金体系

Power BIは、用途や規模に合わせて、複数のプランが用意されています。ここでは主な料金体系をご紹介します。

無料アカウント

個人でのデータ視覚化やレポート作成が可能です。ただし、他者との共有には制限があります。

Power BI Pro

月額 ¥1,499(税抜)で、レポートの公開や共有が可能です。Microsoft 365 E5 や Office 365 E5 にも含まれています。

Power BI Premium Per User

月額 ¥2,998(税抜)で、Proの機能に加え、モデルサイズの拡張や更新頻度の向上など、エンタープライズ向けの機能を利用することができます。

詳細や最新情報は、公式サイトをご確認ください。


Power BIの活用事例

Power BIは、様々な業種・業態の企業で活用されています。ここでは、Power BIの活用事例についてご紹介します。

売上分析

小売業では、Power BIは売上データをリアルタイムで可視化し、商品や店舗ごとの売上傾向を把握するのに役立ちます。各店舗の販売状況を定期的に確認し、需要に合わせた商品補充やマーケティング施策の見直しを行うことで、売上向上を目指すことができます。

顧客分析

ECサイト運営企業では、顧客の購買履歴や行動データを分析するのに役立ちます。これにより、顧客ごとの嗜好や購買パターンを理解し、パーソナライズされたキャンペーンの提供が可能になり、顧客満足度の向上やリピート購入の増加に貢献するでしょう。

在庫管理

物流業界では、在庫状況をリアルタイムで把握し、過剰在庫や在庫不足のリスクを軽減するのに役立ちます。在庫回転率や倉庫別の在庫量を視覚化し、効率的な在庫管理とコスト削減を実現することができます。

マーケティング分析

広告代理店では、各キャンペーンのパフォーマンスを分析し、効果的な施策を素早く把握するのに役立ちます。キャンペーンごとのクリック率やコンバージョン率を追跡し、リアルタイムで改善点を見つけることで、広告効果を最大化することができます。

財務分析

製造業の財務部門では、複雑な財務データをまとめ、経営層向けのダッシュボードを作成するのに役立ちます。利益率やコスト分析、キャッシュフローの推移を視覚化することで、経営判断の迅速化に貢献します。

このように、Power BIは様々な業務領域でデータの可視化と分析をサポートし、ビジネス効率の向上や戦略的な意思決定の支援に貢献しています。


Power BI導入時のポイント

ここではPower BIを導入する際のステップについてご紹介します。

ニーズの確認と目標設定

まず、企業内でPower BIを利用して達成したい目的や課題を明確にすることが重要です。売上分析や顧客分析など、具体的な目標を設定することで、導入後の運用が円滑になります。

データの整備

Power BIで分析に使用するデータを整理し、必要なデータソースを特定します。データのクリーニングや統合を事前に行い、Power BIに適した状態にすることが、スムーズな導入と効率的な分析につながります。

Power BIの設定とカスタマイズ
企業のニーズに合わせて、Power BIのダッシュボードやレポートをカスタマイズします。

トレーニングと活用促進
導入後、社内の利用者向けにPower BIの操作トレーニングを実施します。基礎から応用まで、Power BIの活用方法を学ぶことで、業務に合わせたデータ分析がより効率的に行えます。

評価と改善
導入後の利用状況を定期的に評価し、必要に応じてダッシュボードやレポートの改善を行います。利用者からのフィードバックをもとに、さらに活用しやすい環境を整えることがポイントです。

また、Power BIの導入時には、専門の導入支援サービスを活用することもおすすめです。初期の設定やカスタマイズをスムーズに行うことができるでしょう。


Power BIの学習リソース

Power BIの能力をフルに生かすためには学習が欠かせません。Power BIを学ぶための学習リソースは、以下のように豊富に用意されています。

Microsoftの公式ドキュメント

Power BIの公式ドキュメントでは、Power BIの機能、使い方、チュートリアルなどが詳しく解説されています。

オンラインチュートリアル

Microsoft LearnやYouTubeなど、オンラインでPower BIのチュートリアルを視聴して知識を深めることもできます。

Power BIコミュニティ

Power BIのユーザーコミュニティに参加することで、他のユーザーと情報交換したり、質問したりすることもできます。

AI駆動開発


まとめ

本記事では、Power BIの概要・機能・メリット・料金体系・活用事例・学習リソースなどについてご紹介してきました。

Power BIは、Microsoftが提供するクラウドベースのBIツールです。データの収集、分析、視覚化、共有といった一連の作業を直感的な操作で行うことが可能です。豊富な機能、直感的な操作性、そして高いコストパフォーマンスにより、多くの企業で導入が進んでいます。

ぜひPower BIを導入して、膨大なデータを効率的に分析し、わかりやすく可視化することで、ビジネスの成長に役立ててください。Microsoft Power BIは、まさにそれを実現するための強力なビジネスインテリジェンス(BI)ツールです。

この記事が、Power BIを理解し、ビジネスに活用するための第一歩となることを願っています。

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監修者

坂本 将磨

Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。

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