AI総合研究所

SHARE

X(twiiter)にポストFacebookに投稿はてなブックマークに登録URLをコピー

Teamsチャットボットとは?作り方や選定ポイント、活用事例を解説!

この記事のポイント

  • Microsoft Teamsにおけるチャットボットの概要と特徴を説明
  • Teams BotとAzure Bot Serviceを利用したボット開発方法を解説
  • チャットボット活用時の注意点とその対策を提示

監修者プロフィール

坂本 将磨

Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。

Microsoft Teamsの普及に伴い、社内向けチャットボットの活用が注目を集めています。
Teamsアプリに組み込まれたチャットボットは、業務の自動化や即時サポートの提供など、さまざまな形で組織の生産性向上に貢献します。

本記事では、Microsoft Teams内で利用可能なチャットボットの種類や特徴、開発方法、活用事例などを詳しく解説します。併せて、チャットボット導入時の注意点とその対策についても触れます。

Teamsでのチャットボット活用を検討中の方々に、実践的な情報をお届けします。

Microsoft Teamsにおけるチャットボットとは?

そもそも、Microsoft Teams(以降、Teams)は、リアルタイムのチャット、ビデオ会議、ファイル共有などを提供するMicrosoftのチームコラボレーションツールです。
企業や学校などの組織で広く利用されています。

Teamsアプリにチャットボットを組み込むにより、ユーザーは質問に対する即時の回答を得たり、特定のタスクを自動化することができます。

また、チャットボットは特定のビジネスニーズやワークフローに合わせてカスタマイズすることができ、Teamsを使用する組織において柔軟なサポートツールとして機能します。


Teamsチャットボットの種類と特徴

Microsoft Teamsは、組織内のコミュニケーションとコラボレーションを強化するために多様なチャットボットをサポートしています。
これらのボットは大きく分けて、「Teams内で提供されるアプリ(以降、Teams Bot)」と「外部で開発されTeamsに統合されるチャットボット(以降、外部チャットボット)」の二つのカテゴリーに分類されます。

以下に、それぞれの特徴について詳しく説明します。

Teams Bot

統合性
Teams Botは、Microsoft Teamsプラットフォーム内で直接提供され、ユーザーは特別な設定を行うことなくこれらのボットを利用できます。
これらのボットは、Teamsの機能と深く統合されており、チャット、会議、ファイル共有などのTeamsの機能を活用して、ユーザーに対してサービスを提供します。

利便性
Microsoft Teamsのアプリストアから簡単に検索し、追加することができます。
ユーザーは、仕事の効率化、情報の検索、タスク管理などのために、様々な目的に応じたボットを選択することが可能です。

セキュリティ
Teams Botは、Microsoft Teamsのセキュリティモデルとポリシーに準拠しており、ユーザーデータの安全性とプライバシーを保護します。

外部チャットボット

カスタマイズ性
組織や開発者は、特定のビジネス要件やユーザーのニーズに合わせて外部チャットボットをカスタマイズし、Teamsに統合することができます。
これにより、組織独自の業務プロセスやサービスを自動化するボットを作成することが可能になります。

多様性: 外部チャットボットは、特定の業界やサービスに特化した機能を提供することが多く、Teams内で直接提供されるアプリよりも幅広い選択肢をユーザーに提供します。
例えば、CRMシステム、ERPシステム、カスタマーサービスプラットフォームなどとの統合が可能です。

統合の柔軟性: 外部チャットボットの統合には、Microsoft TeamsのAPIやWebhookを使用します。
これにより、Teams外のシステムやサービスとの連携が可能になり、組織内での情報フローを最適化できます。


Teams用チャットボットの作成方法

Teams Botを利用する方法

Teams Botの中でも、特に有名なPower Virtual Agentsを利用した方法を紹介します。

まずは、Teamsを開き、左タブに表示されている「アプリ」を選択して下さい。
アプリの選択「アプリ」の選択

検索ボックスに「Power Virtual Agents」と入力すると出てくる、下記の画像の「Power Virtual Agents」にある「追加」をクリックします。
Power Virtual Agentsの追加アプリ検索画面

このような表示が出てくるので、ここでも「追加」を選択して下さい。
Power Virtual Agentsの2回目の追加Power Virtual Agentsの追加

すると、以下のような画面が表示されるので「今すぐ始める」を選択します。
今すぐ始める今すぐ始めるを選択

ボットを使用したいチームを選択し、「続行します」をクリックします。
チームの選択チームの選択画面

「名前」、「言語」、「アイコン」を入力・選択し、作成をクリックして下さい。
ボットの基本情報ボットの作成画面

これで、Teams内にチャットボットの導入が完了しました。後は、下記画面から条件に合わせて様々なカスタマイズをすることが出来ます。

カスタマイズ画面ボットのカスタマイズ画面

また、このままだとまだボットは公開されていないので、右下の「Teamsでコパイロットを開く」を選択し、ボットをTeamsに公開しました。

それでは、実際に会話してみました。

ボットとの会話1ボットとの会話その1

なぜ、何もカスタマイズしていないのにここまでボットが喋っているのかというと、元々簡単な会話なら出来るように設定されているからです。 他にも、元々設定されているキーワードを話してみました。

閉店時間ボットとの会話その2

情報は架空のものですが、しっかりと返してくれています。
逆に、設定されていない内容を話すと、下記のように返されます。

ボットとの会話その3ボットとの会話その3


後は、ご自身の利用したいシチュエーションに合わせて、ボットをカスタマイズしてみて下さい。

外部のチャットボットを利用する方法(Azure Bot Service)

次に、外部のチャットボットを利用する方法の一例をご紹介します。

今回利用するチャットボットは、Azure Bot Serviceを利用したチャットボットで、簡単に言うと、様々なプラットフォーム上でChatGPTを使えるようにするボットです。

Azure portal上で、使用するAzure Bot Serivce → 左タブのチャンネル → Microsoft Teams を選択して下さい。
Azureでチームスの選択チャンネルからTeamsの選択

サービス使用条件が出てくるので、良ければチェックを付け、同意します。
次に、「メッセージング」タブでボットのクラウド環境を選択します。

基本的には、下記画像の上の状況が多いので、そのままで大丈夫です。「通話」、「公開」タブは必要に応じてご覧下さい。今回はテストなので、特になにもしません。
メッセージングタブメッセージングタブ

設定が完了したら、「適用」をクリックして下さい。
すると、チャンネルの「チャネル」にTeamsが表示されているので、「Open in Teams」をクリックし、画面の指示に従って、Teamsアプリ上でボットとのトークを開いて下さい。

チームスで開くTeamsでボットの起動

エラー表示エラー表示

まずは、挨拶をしてみました。

外部ボットとのトークその1外部ボットとのトークその1

しっかりと返ってきていますね。
次に、早起きに関する質問をしてみました。

外部ボットとのトークその2外部ボットとのトークその2

これに関しても、ChatGPTらしく、返答してくれています。

今回は、ChatGPTを使用しましたが、ご自身の求める条件によって、どのような機能を有するチャットボットにするかは自由に決めることが出来ます。

Teams Botと外部チャットボットのどちらを使用するべきか

それでは、Teams Botと外部チャットボットのどちらを使用するべきかを料金、用途、利便性、統合性、セキュリティ、カスタマイズ性の観点から、比較してみます。

項目 Teams Bot 外部チャットボット
料金 多くの場合、基本機能は無料。追加機能には料金が発生することも。 開発・維持にコストがかかることが多い。ベンダーが提供するものを使用するなら、その費用もかかる。
用途 汎用的なコミュニケーションサポート、簡単なタスク自動化。 特定のビジネスプロセスや業界特化の用途にカスタマイズ。
利便性 アプリストアから簡単に検索し、追加可能。 専門的な開発と統合が必要。
統合性 Teamsプラットフォームと深く統合。 APIやWebhookを介して統合。
セキュリティ Teamsのセキュリティモデルに準拠。 外部サービスのセキュリティ基準を自己管理。
カスタマイズ性 比較的限定的だが、一部カスタマイズ可能。 高度なカスタマイズと統合の柔軟性が魅力。

上記の表を参考にすると、

  • 簡単にチャットボットを利用したい、簡単な作業を自動化したい
    ➡️Teams Bot

  • 自分好みに自由なカスタマイズをしたい
    ➡️外部チャットボット

といったイメージで検討してみてはいかがでしょうか。


Teamsでチャットボットを活用するメリット

Teamsでチャットボットを活用するメリットを、以下に5つご紹介します。

  • 繰り返し発生するタスクの自動化
    チャットボットを用いて、新しい従業員のオンボーディング手続きや会議のスケジューリングなど、定型的な業務プロセスを自動化できます。
    これにより、従業員がこれらの基本的な問い合わせへの対応に費やす時間を大幅に削減し、より戦略的かつ創造的なタスクに集中できるようになります。

  • 24時間体制のサポート
    チャットボットは時間に関係なく即時のサポートを提供することができるため、異なる時間帯に働く従業員やリモートワークをしている従業員でも、いつでも質問や問い合わせに対する回答を得ることが可能です。

  • 知識共有の促進
    チャットボットを情報共有のハブとして活用することで、従業員間での知識共有が促進されます。
    ボットを通じて最新のプロジェクトアップデートや重要な企業情報を迅速に共有することができ、チームの一体感を高めることができます。

  • カスタマイズされた対応
    チャットボットは従業員の過去の問い合わせ履歴や好みを学習することができ、より個人化された対応を提供することが可能です。
    このようにして、従業員一人ひとりに合わせたサービスを提供することで、エンドユーザーの満足度を高めることができます。

  • 効率的なリソース配分
    チャットボットによる自動化と即時対応の実現により、企業は人的リソースをより効率的に配分することが可能になります。
    例えば、基本的な問い合わせ対応をチャットボットに委ねることで、従業員やチームをより専門的で複雑なタスクに割り当てることができます。

    これにより、企業全体の生産性の向上はもちろん、従業員のスキルセットを最大限に活用し、職場の満足度とモチベーションの向上を図ることができます。

Teamsでチャットボットを活用する際の注意点

Teamsでチャットボットを導入する際には知っておくべき注意点も存在します。ここでは、それらの注意点とその対策について解説します。

プライバシーとセキュリティの確保

チャットボットを通じて収集される情報には、従業員や顧客の機密性の高いデータが含まれる場合があります。
そのため、データの取り扱いには最大限の注意が必要です。不正アクセスやデータ漏洩を防ぐために、セキュリティポリシーの策定と遵守、暗号化技術の導入、アクセス権の厳格な管理が必要になります。

対応策
チャットボットの開発や導入にあたっては、データ保護に関する規制や法令を遵守することが重要です。
また、従業員や顧客に対して、どのようなデータが収集され、どのように使用されるかを明確に伝え、その同意を得るべきです。

ユーザーエクスペリエンスの最適化

チャットボットが提供するユーザーエクスペリエンスの質は、その受け入れやすさと効果に直接影響します。
自然言語処理の精度が低い、回答が不適切である、またはユーザーの意図を正確に理解できない場合、ユーザーのフラストレーションが高まり、チャットボットの利用が避けられる可能性があります。

対応策
チャットボットの開発には、ユーザーテストを頻繁に行い、フィードバックを基に改善を繰り返すことが重要です。
また、ユーザーが容易に理解できるようなガイドやFAQを提供することも、ユーザーエクスペリエンスの向上に寄与します。

チャットボットの性能評価

チャットボットを導入した後は、その効果を定量的に測定し、さらなる改善を行うための分析が必要となります。
これには、適切なKPI(重要業績評価指標)の設定と、これらの指標を追跡・分析するためのツールが求められます。

対応策
以下の記事を参考に、実際にTeamsで導入したチャットボットの性能評価をしましょう。

【関連記事】
➡️チャットボットの評価指標や効果測定の手順をわかりやすく解説!


Teamsチャットボットの活用例

Teams内でチャットボットを活用する具体例を3つ紹介します。

ITサポートボット

ITサポートボットは、従業員からの技術的な問い合わせやトラブルシューティングのリクエストに対応します。
例えば、パスワードのリセット方法、ソフトウェアのインストール手順、プリンターのトラブルシューティングなど、一般的なITサポート関連の問題に即時回答を提供します。

これにより、IT部門の負荷が軽減され、従業員は迅速に問題を解決できます。

HRボット

HRボットは、従業員の人事関連の問い合わせに対応します。有給休暇の申請方法、給与明細の閲覧方法、福利厚生に関する質問、新しい従業員のオンボーディングプロセスなど、HR関連のさまざまな情報を提供します。

このボットを通じて、従業員は必要なHR情報を手軽に、そして迅速に取得することができます。

プロジェクト管理ボット

プロジェクト管理ボットは、プロジェクトの進捗状況の追跡やタスクの割り当てなど、プロジェクト管理に関わる業務をサポートします。

たとえば、プロジェクトのマイルストーンのリマインダー、特定のタスクの状況確認、チームメンバーへのタスク割り当てなど、プロジェクトの進行に必要な情報をチームメンバーに提供します。

これにより、チームのコミュニケーションが促進され、プロジェクトの進捗管理がより効率的になります。


まとめ

この記事では、Microsoft Teams のチャットボットに関する全般的な内容を解説しました。
チャットボットは業務プロセスを強化することで従業員や顧客の満足度を向上させる重要なツールとなり、ビジネスの変革を推進する鍵となるでしょう。

読者の皆様がこの記事の内容を活用し、Microsoft Teamsのチャットボット導入に際してより良い選択をするための助けとなれば幸いです。

AI活用のノウハウ集「AI総合研究所」サービスご紹介資料

「AI総合研究所 サービス紹介資料」は、AI導入のノウハウがないというお客様にも使いやすい最先端のAI導入ノウハウを知れる資料です。

資料ダウンロード
監修者

坂本 将磨

Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。

関連記事

AI導入の最初の窓口。

お悩み・課題に合わせて活用方法をご案内いたします。
お気軽にお問合せください。

AI総合研究所 Bottom banner

ご相談
お問い合わせは
こちら!