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AI Overviewとは?仕組みや使い方、SEOへの影響と対策を解説

この記事のポイント

  • AI Overviewは、Google検索でAIが関連情報を要約し、検索結果上部に表示する機能
  • ユーザーは複数サイトを閲覧せずに、複雑な質問の答えを迅速に把握できる
  • 情報の不正確さ(ハルシネーション)や情報源の偏りといったリスクも存在する
  • サイト運営者はトラフィック減の懸念がある一方、引用されれば流入増のチャンスも
  • E-E-A-Tの向上や構造化データ活用など、新たなSEO対策が重要になる
坂本 将磨

監修者プロフィール

坂本 将磨

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Microsoft MVP・AIパートナー。LinkX Japan株式会社 代表取締役。東京工業大学大学院にて自然言語処理・金融工学を研究。NHK放送技術研究所でAI・ブロックチェーンの研究開発に従事し、国際学会・ジャーナルでの発表多数。経営情報学会 優秀賞受賞。シンガポールでWeb3企業を創業後、現在は企業向けAI導入・DX推進を支援。


最近、Google検索の結果画面が変わったと感じませんか? 検索結果の上部に、AIが生成した文章が表示される「AI Overview」機能が導入され始めています。
「これは何?」「どうやって使えばいいの?」「自分のサイトへの影響は?」など、多くの疑問が生まれているのではないでしょうか。

本記事では、このGoogle検索の新機能「AI Overview」について、基礎から応用までを徹底的に解説します。
AI Overviewの仕組み、メリット・デメリット、SEOへの影響、そして日本での導入状況や今後の展望まで、幅広く網羅的に説明します。

Google検索のAI Overviewとは?

AI Overviewとは、Google検索においてユーザーが入力したクエリに対して、複数のウェブサイトから情報を抽出・統合し、生成AIが自動的に要約を作成して検索結果の上部に表示する機能です。
従来の検索結果のように、関連性の高いウェブサイトへのリンクをリスト表示するだけでなく、AIがそれらの情報源から重要なポイントを抽出し、整理して分かりやすい文章で提示してくれます。

本記事では、主にGoogle検索における「AI Overview」という機能について詳しく解説します。

AI overviewの表示
AI overviewの表示イメージ

AI Overviewが導入された背景

AI Overviewイメージ
AI Overviewイメージ

Googleがこの機能を導入した主な目的は、「検索体験の向上」です。
特に、答えを得るために複数のウェブサイトを閲覧・比較する必要があるような複雑な質問や、計画・調査・比較検討といった検索ニーズに対して、より迅速かつ効率的に情報を提供することを目指しています。

生成AIの技術を活用し、ユーザーが求める情報へよりダイレクトにアクセスできるよう、Google検索を進化させる取り組みの一環と言えるでしょう。
単なる情報検索ツールから、より対話的でユーザーの思考をサポートするパートナーへと進化しようとしています。

SGE (Search Generative Experience) との違い

SGEとAIoverviewの違い
SGEとAIoverviewの違い

「SGE」と「AI Overview」という言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、これらは基本的に同じ機能です。

  • SGE (Search Generative Experience):
    Googleが2023年5月に発表した、生成AIをGoogle検索に統合する初期の実験プロジェクトの名称です。
    当時は「Search Labs」という実験的なプラットフォームを通じて、一部のユーザーに限定的に提供されていました。

  • AI Overview
    SGEの実験を経て、より広範なユーザーに向けて展開される際の正式な機能名として使われるようになりました。2024年5月に米国で正式ローンチされ、その後他の国や言語にも展開が進んでいます。


つまり、SGEはAI Overviewの実験段階の名称であり、現在私たちが目にするAIによる検索結果の要約機能は「AI Overview」と呼ばれるのが一般的です。

機能の核となるコンセプトは共通していますが、SGEの実験を通じて得られたフィードバックに基づき、表示形式や精度、表示されるクエリの種類などが改善・調整されたものがAI Overviewと言えます。

AI Overviewが表示される仕組み

AI Overviewは、Googleが持つ膨大なウェブ情報と、その情報を学習した大規模言語モデル(LLM: Large Language Model)によって実現されています。

基本的な仕組みは以下のステップで構成されます。

AI Overviewの4つの仕組み
AI Overviewの4つの仕組み

  1. ユーザーの検索クエリを理解
    まず、ユーザーが入力したキーワードや質問の意図をAIが深く理解します。

  2. 関連情報の検索と評価
    次に、Googleの検索インデックスの中から、クエリに関連性が高く、信頼できる情報源(ウェブページ)を複数特定します。
    Googleは情報の品質を評価するために、長年培ってきたランキングシステムやE-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)といった指標も考慮していると考えられます。

  3. 情報の抽出と要約生成
    特定された情報源から、質問に答えるために必要な主要な情報を抽出します。そして、LLMがそれらの情報を統合し、矛盾がないかなどをチェックしながら、自然で分かりやすい文章の要約を生成します。

  4. 引用元リンクの提示:
    生成された要約文には、情報の根拠となったウェブページへのリンクが付与されます。これにより、ユーザーはより詳細な情報や元のコンテキストを確認することができます。


この一連のプロセスは非常に高速に行われ、ユーザーは検索後すぐにAIによる要約を受け取ることができます。

表示されやすい検索クエリ(キーワード)とは?

AI Overviewが表示されるキーワードは決まっているわけではありませんが、主に以下のキーワードで出現頻度が高い傾向があります。

クエリの種類 具体例
定義・説明 「〇〇とはどういう意味?」
比較 「〇〇と××の違いは?」
方法・手順 「△△の作り方」「□□を修理する方法」
計画・アイデア 「週末におすすめの東京近郊旅行プラン」「健康的な食事メニューのアイデア」


Googleは、AI Overviewが特に役立つと判断した場合にのみ表示するよう調整しており、単純な事実確認(例:「今日の天気」)やナビゲーショナルクエリ(例:「〇〇(サイト名)」)などでは表示されない傾向があります。

AI Overviewのメリット/デメリット

インターネットで情報を探すことは、今や私たちの日常となっています。しかし、情報が多すぎて、必要な答えにたどり着くまでに時間がかかることもしばしば。そんな中で登場したのが、AI Overviewです。このツールは、私たちの情報収集の方法を大きく変える力を持っています。

メリット デメリット
迅速な情報提供: 複雑な質問や多要素を含む問いに対して、要点を素早く整理して提示。 不正確な情報のリスク: ハルシネーション(幻覚)により、誤った情報が生成されることがある。
比較検討の効率化: 複数のサイトの情報を一目で比較できる。 情報源の偏り: AIが選ぶ情報源に偏りがあり、異なる視点が欠ける可能性がある。
新しい発見を促進: 意外な視点や関連情報を提示し、知的好奇心を刺激する。 SEOへの影響: ユーザーが検索結果をクリックせず、AI Overviewでの答えだけで済ませる可能性がある。

まずは、ユーザーにとっての主なメリットを3つのポイントに絞って紹介します。

1. 複雑な質問に迅速に答えてくれる

AI Overviewの最も大きなメリットは、複雑な質問にも即座に答えてくれるところです。

例えば、
「子育て世帯に最適な電気自動車を選ぶポイントと、おすすめ車種は何か?」という検索をしたとしましょう。従来ならば、複数のウェブサイトを開いて、燃費、価格、安全性、補助金、車種ごとのレビューなど、さまざまな情報を自分で探して比較しなければなりません。

しかし、AI Overviewは、こうした複雑な要素をいくつかの信頼できるソースから素早く抽出し、「考慮すべきポイント」と「具体的なおすすめ車種」 を簡潔に要約して表示してくれます。

2.複数サイトを比較検討する手間を削減

次に挙げられるメリットは、情報を一箇所に集約して比較検討を楽にしてくれる点です。たとえば、新しいスマートフォンの購入を検討しているとき、「スマホAとスマホBのカメラ性能、バッテリー持ち、価格」を比較したいと思ったらどうでしょう?

従来であれば、各サイトにアクセスして情報を一つずつ探す手間がかかります。しかし、AI Overviewでは、これらの情報を比較表のような形で一目で表示してくれます。これにより、必要な情報をまとめて確認でき、比較検討の時間が大幅に短縮されるのです。

もちろん、さらに詳細な情報を調べたい場合は、表示された引用元リンクをクリックして元の記事にアクセスできます。

3. 新しい視点やアイデアを提供してくれる

AI Overviewが持つ、もう一つの魅力は、ユーザーが当初意図していなかった新しい視点やアイデアを提供してくれる点です。AIは、膨大な情報を学習しており、時には人間が思いつかないような情報の関連性を見つけ出してくれます。

例えば、

  • 趣味のアイデア:
    「週末にできるインドア趣味」を検索したとき、AIはただリストを表示するだけでなく、「DIYキットを使ったミニチュア作りは、創造性と達成感を同時に味わえます」といった具体的な提案をしてくれることがあります。

  • 旅行プラン:
    「夏の北海道のおすすめアクティビティ」を検索した場合、有名な観光地だけでなく、地元の人が知っている穴場スポットや、特定の時期にしか体験できないイベントを提案してくれるかもしれません。

  • 学習や調査:
    特定の歴史的事件を調べているとき、その事件に関連する他の出来事や異なる視点を紹介してくれることで、より深い理解が得られる可能性があります。

このように、AI Overviewは単なる効率化ツールにとどまらず、ユーザーの知的好奇心を刺激し、予期しない発見(セレンディピティ)をもたらしてくれる可能性を秘めています。

AI Overviewのデメリット

AI Overviewは便利で強力なツールですが、完璧ではなく、いくつかのデメリットやリスクも存在します。次は、主なデメリットを解説します。

1. 情報の不正確さ・ハルシネーションのリスク

AI Overviewが生成する情報は、常に正確であるとは限りません。AIは学習データに基づいて回答を生成しますが、その過程で事実に基づかない情報や、文脈に合わない内容を作り出してしまうことがあります。この現象は「ハルシネーション(幻覚)」と呼ばれ、例えば以下のような問題が報告されています:

  • 「ピザに接着剤を入れるとチーズが剥がれにくくなる」
  • 「1日に少なくとも1つの石を食べるべき」

これらは明らかに不正確で危険なアドバイスです。Googleはこうした問題を受けて改善策を講じていますが、ハルシネーションのリスクを完全にゼロにすることは現在の技術では困難です。

2. 情報源の偏り・多様性の欠如の可能性

AI Overviewは複数の情報源を統合して要約を生成しますが、その際に、参照する情報源が偏る可能性もあります。AIが「信頼できる」と判断する基準によっては、少数意見や異なる視点、文化的背景が反映されにくくなるかもしれません。

例えば、社会問題に関する検索をした場合、主流の意見や大手メディアの情報ばかりが要約に使われ、異なる立場や視点が欠けてしまう可能性があります。

3. Webサイト運営者・SEOへの影響

AI Overviewの登場は、ウェブサイト運営者やSEO担当者にとって大きな懸念材料となっています。AIが検索結果ページで直接答えを表示することで、ユーザーが従来の**オーガニック検索結果(青いリンク)**をクリックせずに検索を終えてしまう、いわゆる「ゼロクリック検索」が増える可能性があるからです。

その結果、ウェブサイトへのトラフィックが減少し、広告収入やコンバージョン(商品購入や問い合わせなど)に悪影響を及ぼすことが懸念されています。
これにより、企業や広告主にとっては、AI Overviewが新たな競争相手となる可能性もあります。

メリット・デメリットを理解して正しく活用することが重要です。AI Overviewは、あくまで情報収集の補助ツールとして利用し、最終的な判断は自分自身で行うことが大切です。

AI Overviewを無効化・非表示にする方法

AI Overviewの非表示は、2025年3月現在、GoogleはAI Overviewを完全に無効化するための公式な設定(オプトアウト機能)を一般ユーザー向けには提供していません。

過去にSGE(AI Overviewの実験段階)がSearch Labsを通じて提供されていた時期には、Search Labsの設定画面から機能をオフにすることが可能でした。
しかし、AI Overviewが正式機能として展開されるに伴い、このような簡単なオン/オフ設定は基本的に用意されていません。

AI Overviewの実践方法(サイト運営者向け)

サイト運営

Google AI Overviewの登場は、従来のSEO戦略に大きな影響を与えています。AI Overviewは、検索結果ページでユーザーの質問に直接答える機能を持つため、従来のオーガニック検索結果(クリックされるリンク)のトラフィックに変化をもたらす可能性があります。サイト運営者やコンテンツ作成者は、この変化にどう対応すべきでしょうか?業務に役立つ具体的な方法をご紹介します。

AI Overviewに引用されやすいコンテンツ作成の6つのポイント

AI Overviewに引用されやすいコンテンツを作成するために、どのような要素が重要かを見ていきましょう。Googleから公式なガイドラインはありませんが、過去の分析と基本的な考え方から以下の点が効果的とされています。

ポイント 解説
検索意図への明確な回答 ユーザーの問いに対し、簡潔かつ直接的な答えを提供。質問形式の見出し(H2、H3)に答えを記載する構成が効果的。
E-E-A-T(品質と信頼性) 経験専門性権威性信頼性が高いコンテンツはAI Overviewに引用されやすい。独自のデータや専門家の監修を活用する。
構造化された分かりやすい文章 見出しや箇条書き、表を使い、情報を論理的に整理。専門用語には注釈を加え、読みやすさを重視する。
独自性と網羅性 他のサイトの情報をまとめるだけでなく、独自の視点や具体例を加え、付加価値のあるコンテンツを提供する。
簡潔さと要約 長文でも、重要なポイントを冒頭や各セクションで要約。これによりAIが情報を抽出しやすくなる。
事実に基づいた正確な情報 最新かつ正確な情報を提供し、ハルシネーションのリスクを回避する。

これらを意識してコンテンツを作成することが、AI Overviewに引用されるための鍵となります。

1. 検索意図への明確な回答

ユーザーが検索する際、特にAI Overviewが表示されるようなクエリは、明確な答えを求めていることが多いです。したがって、コンテンツ内で質問形式の見出し(H2、H3)を使用し、その下に直接的な答えを記載することで、AIが情報を抽出しやすくなります。

例:「AIとは」に対する返答であれば、以下のような構成が考えられます。

## AIとは?       
AI(人工知能)とは、コンピュータや機械が人間の知能を模倣し、学習、推論、問題解決などの能力を持つ技術のことです。AIは、データを分析し、パターンを認識することで、さまざまなタスクを自動化することができます。

このように、質問に対する答えを明確に示すことで、AIが情報を正確に抽出しやすくなります。

2.E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)の重要性

Googleがウェブページを評価する際に重視するE-E-A-T(Experience、Expertise、Authoritativeness、Trustworthiness)は、AI Overviewにおいても同様に重要です。AIは、信頼性の低い情報や誤った情報が拡散されることを防ぐため、E-E-A-Tが高いコンテンツを優先的に参照する傾向があります。

E-E-A-Tの要素 解説
経験(Experience) 実体験に基づく情報(例:製品レビューやサービス体験談)は独自性があり、高評価を得やすい。
専門性(Expertise) 特定分野に関する深い知識やスキルを示すコンテンツ。専門家による監修や執筆が有効。
権威性(Authoritativeness) トピックにおける信頼できる情報源として認識されていること。被リンクや言及、著者情報が影響する。
信頼性(Trustworthiness) サイト全体の安全性(HTTPS化)、運営者情報の明確化、正確な情報の提供が求められる。特にYMYL領域では信頼性が非常に重要。

3. 構造化されたわかりやすい文章

構造化データは、検索エンジンがウェブページを理解しやすくするために、特定の形式で情報をマークアップする方法です。AI Overviewもコンテンツを正確に理解し、適切に抽出するために構造化データが役立ちます。以下のようなスキーマが特に有効です。

スキーマタイプ 説明 期待される効果(AIO観点)
FAQPage よくある質問とその回答をマークアップ 質問形式のクエリに対して直接的に回答を抽出
HowTo 手順をステップごとにマークアップ 「〇〇する方法」系クエリでの引用促進
Recipe レシピ情報(材料、手順)をマークアップ レシピ関連クエリでの詳細情報提供
Article 記事の著者、発行日などをマークアップ コンテンツの信頼性評価支援
Product 商品名、価格、レビューなどをマークアップ 商品比較クエリでの情報抽出促進

構造化データを活用することで、AI Overviewに選ばれる確率が高くなります。

4. 独自性と網羅性

AI Overviewは、情報の網羅性や独自性を重視します。単に他のサイトの情報をまとめるだけでなく、独自の視点や具体例を加えることで、付加価値のあるコンテンツを提供することが重要です。

例:たとえば「AI Overviewのメリットとデメリット」をテーマにした記事を書く場合、他のサイトでは触れられていない独自の視点や具体的な事例を交えることで、AI Overviewに引用される可能性が高まります。

5. 簡潔さと要約

長文でも、重要なポイントを冒頭や各セクションで要約することが効果的です。これにより、AIが情報を抽出しやすくなります。
例えば、長い記事の中で「AI Overviewのメリット」を説明する場合、最初に要約を提示し、その後に詳細な説明を続けると良いでしょう。

## AI Overviewのメリット
AI Overviewは、複雑な質問に迅速に答えてくれる、複数サイトを比較検討する手間を削減してくれる、新しい視点やアイデアを提供してくれるなどのメリットがあります。

このように、要約を先に提示することで、AIが情報を抽出しやすくなります。

6. 事実に基づいた正確な情報

AI Overviewは、正確な情報を提供することが求められます。特に、医療や法律、金融などの分野では、誤った情報が重大な影響を及ぼす可能性があります。したがって、最新かつ正確な情報を提供し、ハルシネーションのリスクを回避することが重要です。

ぜひ、参考にしてみてください。

AI Overviewの不正確な情報への対処法

もしAI Overviewが不正確な情報を表示してしまった場合、ユーザーとして、あるいはサイト運営者として、どのように対応すればよいのでしょうか。現時点で考えられる対処法をまとめました。

  1. 鵜呑みにしない:
    まず最も重要なのは、AIが生成した情報をそのまま信じ込まないことです。特に重要な意思決定に関わる情報の場合は、必ず裏付けを取りましょう。

  2. 引用元リンクを確認する:
    AI Overviewには通常、情報の根拠となったウェブサイトへのリンクが表示されています。
    これらのリンクをクリックし、元の記事の内容を確認してください。AIが情報を誤って解釈したり、文脈を無視して抽出したりしている可能性があります。

  3. 他の信頼できる情報源で再確認する:
    引用元を確認しても疑わしい場合や、引用元自体が信頼性に欠けると思われる場合は、別の信頼できる情報源(公式サイト、専門機関の発表、評価の高いメディアなど)を探して情報を比較検討してください。

  4. Googleにフィードバックを送信する:
    AI Overviewの表示結果の下部や横には、通常、フィードバックを送信するためのリンクやアイコン(例:サムズアップ/ダウン)が設置されています。
    フィードバック送信ボタン
    フィードバック送信ボタン
    これを利用して、表示された情報が不正確であることや、問題点を具体的にGoogleに報告することができます。ユーザーからのフィードバックは、GoogleがAIモデルを改善するための重要なデータとなります。

これらの行動を通じて、ユーザー自身が誤情報から身を守るとともに、AI Overviewの品質向上に貢献することができます。

AI Overviewの導入状況と今後の展開

AI Overviewは世界中でどのように展開されているのでしょうか?日本での利用状況や、Googleによる今後のアップデート計画について、2025年3月時点での最新情報をお伝えします。

現在の提供国・言語と米国での状況

:::details
Google AI Overviewは、2024年5月に米国で初めてローンチされ、その後、提供国と言語の拡大が進んでいます。以下の表で、現時点での展開状況を簡潔に整理しました。

ローンチ時期 提供国 提供言語 特徴
2024年5月 米国 英語 初期ローンチ、品質問題(不正確な回答)への対応を進行中
2024年後半 英国、インド 英語、スペイン語、ポルトガル語 提供国と言語の拡大
2025年3月現在 英語、スペイン語、ポルトガル語対応国を拡大 英語、スペイン語、ポルトガル語など 高性能なGemini 2.0を基盤モデルに採用、ティーンエイジャー(13〜19歳)の利用拡大

:::

米国での状況と改善点

詳細

米国でのローンチ当初は、不正確な回答が問題となり、Googleはこれに対応するためにいくつかの改善策を講じました。具体的には、表示されるクエリの種類を絞り込んだり、安全フィルターを強化したりしています。また、Gemini 2.0へのモデルのアップグレードにより、回答の質と速度が向上しました。

利用対象の拡大と新機能

詳細

2025年3月には、ティーンエイジャー(13〜19歳)の利用拡大が発表され、これによりGoogleアカウントへのログインが不要となるなど、より多くのユーザーが利用できるようになりました。

さらに、Search Labsでの「AIモード」の導入により、より高度な推論能力を持つ実験的な機能が提供され、機能強化が進んでいます。

日本での導入状況・今後の見通し

詳細

日本におけるAI Overviewの状況については、「2024年8月15日に正式公開された」と報じられています(同時期にブラジル、メキシコ、韓国、南アフリカなども対象になったとされます)。
これにより、日本語での検索においてもAI Overviewが表示されるケースが出てきています。

ただし、米国のように全てのユーザーに対してデフォルトで広く提供されているというよりは、まだ段階的な展開、あるいは一部のユーザー環境(特定のブラウザやアカウント設定など)での表示が中心である可能性があります。Google Workspaceアカウントでは利用できないといった制限も報告されており、完全な一般普及には至っていない状況と考えられます。「試験運用中」という位置づけを示す情報も見られます。

企業のAIマーケティング活用なら「AI総合研究所」

AI Overviewの導入状況は、今後も変化していく可能性があります。特に、GoogleはAI技術の進化に伴い、機能の改善や新たな展開を行うことが予想されます。企業やサイト運営者は、これらの動向を注視し、適切な対策を講じることが重要です。

AI総合研究所では、企業のAI活用を支援するため、最新の情報やトレンドを追い続けています。AI Overviewに関する最新情報や、企業向けのAIマーケティング戦略についてもご相談を承っています。お気軽にご相談ください

まとめ

Google AI Overviewは、検索体験をより効率的で対話的なものへと進化させる可能性を秘めた、注目の新機能です。複雑な質問に対する要約を素早く得られたり、新たな発見のきっかけになったりと、ユーザーにとって多くのメリットがあります。

一方で、サイト運営者やSEO担当者にとっては、AI Overviewの登場は無視できない変化です。 トラフィックへの影響を注視しつつ、単に検索順位を追うだけでなく、「AIに引用される質の高いコンテンツ」を作成することが、これまで以上に重要になります。

具体的には、E-E-A-Tの向上、検索意図への深い理解、構造化データの活用などを通じて、ユーザーとAI双方にとって価値のある情報を提供し続けることが鍵となるでしょう。

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監修者
坂本 将磨

坂本 将磨

Microsoft MVP・AIパートナー。LinkX Japan株式会社 代表取締役。東京工業大学大学院にて自然言語処理・金融工学を研究。NHK放送技術研究所でAI・ブロックチェーンの研究開発に従事し、国際学会・ジャーナルでの発表多数。経営情報学会 優秀賞受賞。シンガポールでWeb3企業を創業後、現在は企業向けAI導入・DX推進を支援。

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