AI総合研究所

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AIプロンプトとは?基礎・作り方・活用事例まで完璧ガイド【2025年最新版】

この記事のポイント

  • AIプロンプトとは、AIに指示を与えるための入力文やコマンドのこと。
  • プロンプトエンジニアリングは、AIの出力を最適化するための技術で、業務効率化やクリエイティブなアイデア生成に役立つ。
  • プロンプトの設計には、具体的な指示やコンテキストの提供が重要で、AIの特性に応じた調整が必要。
  • 最新のAIモデル(GPT‑4o・o4‑miniなど)に対応したプロンプト設計が求められ、業務活用の幅が広がっている。
  • 業種別のプロンプトの実例、シーン別もご紹介します。
坂本 将磨

監修者プロフィール

坂本 将磨

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Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。

生成AIを業務に取り入れるうえで欠かせないのが「プロンプト」の設計です。

とくに、ChatGPTやClaude、Geminiなどの大規模言語モデル(LLM)を使いこなすには、プロンプトエンジニアリングと呼ばれる手法が必要不可欠となってきました。

本記事では、「AIプロンプトとは何か?」という基本から、最新モデル(GPT‑4o・o4‑miniなど)への対応、サービス別活用例、さらには実務で使えるプロンプト構造や設計テクニックまで、企業導入・業務活用に直結する形で体系的に解説していきます。

目次

AIプロンプトとは?|定義と基本概念

補足:プロンプトエンジニアリングとは?

なぜ今“プロンプトエンジニアリング”が注目されるのか?

市場拡大の背景

需要の高まり

プロンプト対応サービス一覧【比較】

モデルによるプロンプト設計の変更

プロンプトを作成しておくことのメリット・デメリット

システムプロンプトとの違いについて

メリット|プロンプトを作っておくことで得られる価値

デメリット|プロンプト設計・運用時の注意点

効果的なプロンプト設計の基本と実践ステップ

1. プロンプトの基本構造|3つの要素を押さえればOK

2. プロンプト作成の5ステップ|安定した成果を出すための設計手順

3. 実務でのプロンプト管理|再利用・チーム共有のベストプラクティス

4. よくある失敗とその対処法

応答の仕組みを図で理解しよう

よく使われる4つのプロンプト設計パターン

1. Zero-shot:もっともシンプルな形

2. Few-shot:お手本を見せてから応答させる

3. Chain-of-Thought(CoT):ステップを踏んで考えさせる

4. Role指定:AIに「なりきってもらう」

画像生成のプロンプト設計

実際のプロンプト事例|ユースケース別の書き方ガイド

✍️ ユースケース①:契約書の要点をまとめたい

🧾 ユースケース②:商品レビューの要点を抽出したい

💼 ユースケース③:会議の議事録からアクションを抽出したい

💡 ユースケース④:複雑な事象をわかりやすく説明したい

シーン別プロンプト

1.プレゼンテーション準備に役立つプロンプト

2.会議後の要点整理・アクション出し

3.企画立案・ブレスト時の発想支援

4.業務改善・効率化のためのプロンプト

5.社内文書の作成・レビュー支援

業種別プロンプト

営業に役立つプロンプト

マーケティングに役立つプロンプト

人事・採用に役立つプロンプト

カスタマーサポートに役立つプロンプト

製造・物流業に役立つプロンプト

教育・研修に役立つプロンプト

経営戦略に役立つプロンプト

今後のトレンド:ツールと仕組みの進化

まとめ|プロンプトがAI活用のカギとなる時代へ

よくある質問(FAQ)

参考文献

AIプロンプトとは?|定義と基本概念

プロンプト入力部分
プロンプト入力部分

AIプロンプトとは、ChatGPT や GPT-4 などの 大規模言語モデル(LLM)に対して与える「指示文」 のことです。
この指示文には、「何を出力してほしいのか」「どんな形式で答えるべきか」など、AIに期待する役割や出力のイメージが含まれます。

補足:プロンプトエンジニアリングとは?

プロンプトエンジニアリングとは、モデルの特性やタスクに応じて、最適な指示文を設計・改善していく技術のことです。
ChatGPTやClaudeのようなモデルは、「与えられた文脈に応じて最適な回答を生成する」 よう訓練されていますが、曖昧なプロンプトでは誤解も生まれやすいため、精緻なプロンプト設計が不可欠です。

なぜ今“プロンプトエンジニアリング”が注目されるのか?

では、なぜ今、プロンプトエンジニアリングが注目されているのでしょうか?
その背景には市場と需要の2つの側面があります。

市場拡大の背景

まず、生成AIをはじめとする市場は急速に拡大しています。
具体的には以下のような傾向がすでにみられています。

  • ChatGPTなどの生成AIサービスの爆発的普及(2025年時点で月間2億ユーザー)
  • Azure OpenAI、Vertex AI、Anthropic Console など法人向けAPIの整備
  • GPT‑4oやGemini 1.5の登場により、画像や音声もプロンプト入力として扱える時代へ

生成AIはすでに「個人ツール」ではなく、「業務基盤の一部」として進化しています。

需要の高まり

次に、これらの市場拡大とともに「使いこなす」ということが非常に重要になっています。
ChatGPTやMicrosoft Copilotを導入したにも関わらず、「使いこなせていない」「効果を実感できていない」という企業が多く存在します。

弊社でもAI導入支援を行っていますが、「プロンプト設計」や「業務フローへの組み込み」ができていないために効果を実感できていないという声が多く寄せられています。

このような「AIの凄さを最大限活用したいという需要」から、プロンプトが注目されています。

では、実際にプロンプトを設計する際のポイントや注意点について見ていきましょう。

プロンプト対応サービス一覧【比較】

まず、代表的な生成AIサービスがどのようなモデルを採用しており、どんな特徴を持っているのかを比較してみましょう。
サービスごとにプロンプトへの対応や得意な分野が異なるため、目的に応じて使い分けることが重要です。

※各サービスの詳細はリンクを参照してください。

サービス 採用モデル 主な特徴 活用シーン
ChatGPT GPT‑4o / o4-mini / o3 高速・高精度。画像や音声入力も対応 文章生成、FAQ、画像解析
Claude(Anthropic) Opus / Sonnet / Haiku 長文処理と安全性に優れる 契約書の要約、技術文書のレビュー
Google Gemini 1.5 Pro / Flash 2.0 表・動画・コードに強く、学習用途に最適 マルチメディア解析、教育資料生成
GitHub Copilot / Cursor GPT-4o / o4-mini コード補完・バグ修正に特化。IDE連携 プログラミング支援、自動補完
OpenAI Assistants API oシリーズ / GPTシリーズ 関数呼び出し、RAG、外部連携に対応 FAQボット、エージェント、業務自動化

モデルによるプロンプト設計の変更

生成AIはすべて同じように動作するわけではありません。
使っているモデルごとに「得意な分野」や「指示の受け取り方」が異なり、プロンプトの設計方法も変わってきます。

主なモデルの特性とプロンプトの相性

モデル 特徴 向いている使い方
GPTシリーズ 柔軟性が高く、多少曖昧な指示でも意図をくみ取る 会話形式、文章生成、構造が自由な出力
oシリーズ(o1〜o4-mini) 自律的な思考力が強く、論理的な構造の出力に優れる 論点整理、問題解決、判断支援

📌 モデルによって「促し方」を変えるのがポイント

プロンプト設計のコツは、モデルの性格を「同僚」にたとえると分かりやすくなります。

モデルタイプ たとえ 促し方のコツ
GPTモデル(GPT-4oなど) 丁寧な後輩 「こう書いて」「この順番で」と、細かく具体的に指示するほど良い
推論モデル(o1〜o4-miniなど) 頼れる先輩 「これをお願い。どうまとめるかは任せる」と、ざっくりと方向性だけ伝えるほうが効果的

例えば、同じタスクをGPTモデルとoシリーズに依頼する場合、以下のようにプロンプトを変えると良いでしょう。

  • GPTモデル向け:

    あなたは経営コンサルタントです。  
    DXの利点を「業務効率化」「競争優位」「データ活用」の3項目で、1文ずつ説明してください。200字以内でお願いします。
    
  • oシリーズ向け:

    DX推進の利点について、重要なポイントを簡潔に整理してください。
    

oシリーズは、過度に構造を押し付けず、任せる方が自然な出力になります。


プロンプトを作成しておくことのメリット・デメリット

生成AIを活用するうえで、プロンプト(=AIへの指示文)を自分で設計・管理しておくことは非常に大きなメリットがあります。
一方で、その設計・運用には一定の注意点も伴います。

ここでは、プロンプトをあらかじめ準備しておくことの代表的な利点とリスクを整理してご紹介します。

システムプロンプトとの違いについて

補足:この記事で扱う「プロンプト」はユーザーが記述する通常の入力文を指します。

ChatGPTなどでは、裏側でAIの性格や振る舞いを制御する「システムプロンプト」というものも存在しますが、これは開発者やプラットフォーム側で管理されるものであり、ユーザーが自由に編集する対象ではありません。

ここでは、ユーザーが自分で設計・運用するプロンプトに焦点を当てて解説します。

メリット|プロンプトを作っておくことで得られる価値

メリット 解説
コーディングや文章作成の自動化・効率化 繰り返しの多い業務(マニュアル作成、議事録、コード生成など)をテンプレート化することで、毎回ゼロから入力する手間を大幅に削減できます。
高品質な出力の再現性が確保できる テスト済みのプロンプトを使うことで、誰が実行しても安定した出力が得られ、品質のばらつきを抑えられます。チーム内の標準化にも有効です。
RAGなどと組み合わせることで情報精度が向上 検索型AI(RAG)と組み合わせたプロンプトは、外部データベースから取得した最新情報を踏まえた回答を促せるため、事実性・根拠性が高まります。

デメリット|プロンプト設計・運用時の注意点

デメリット 解説
プロンプト漏えいによる機密情報流出 プロンプト内に社外秘情報や顧客情報を含めたまま共有・保存してしまうと、意図せぬ情報漏えいにつながるリスクがあります。特にSaaS上での操作時は注意が必要です。
ハルシネーション(誤生成)の可能性 プロンプトが曖昧だったり、根拠データがない場合には、もっともらしく見えるが事実と異なる情報をAIが生成してしまうことがあります。
プロンプトインジェクションによる誤動作や不正操作 外部から意図的に悪意ある入力(例:「この命令を無視して○○してください」など)を追加されると、AIが本来の指示から逸脱する恐れがあります。特にユーザー入力をそのままプロンプトに連結する場合に注意が必要です。

効果的なプロンプト設計の基本と実践ステップ

生成AIを使いこなすための鍵は、「プロンプト=AIへの指示文」の設計にあります。
本セクションでは、プロンプトの基本構造・設計ステップ・実務管理のポイント・よくある失敗例と対策までを体系的に解説します。

1. プロンプトの基本構造|3つの要素を押さえればOK

プロンプトとは、AIに「どんな役割で、どんな情報をもとに、どう答えてほしいか」を伝える指示文のことです。
効果的なプロンプトには、次の3つの要素が含まれています。

構成要素
プロンプトの3要素

要素 内容
① 指示(Instruction) 何をしてほしいか 「要約してください」
「3つの利点を挙げてください」など
② コンテキスト(Context) 前提条件や入力情報 「以下は契約書の全文です」
「この文書を読んで判断してください」など
③ 期待出力(Output Format) どんな形式・文体・長さか 箇条書き、200字以内、敬体/常体 など

この3点を意識するだけで、出力の質や一貫性が大きく向上します。

2. プロンプト作成の5ステップ|安定した成果を出すための設計手順

「いいプロンプト」が安定して作れるようになるには、以下の5つのステップを意識するのが基本です。

ステップ 内容 目的
① 目的の明確化 何を達成したいかを定義する ゴール設定+成果評価の基準を持つ
② 出力の期待定義 出力の粒度や形式を設計 文字数、構成、文体などを明示する
③ コンテキストの提示 必要な前提や入力データを渡す 条件、制約、参照情報など
④ テストと評価 出力が意図通りか検証する 自動評価+ヒューマンレビュー
⑤ 改善と共有 ナレッジとして再利用可能に テンプレ化+バージョン管理+チーム展開

繰り返し使うプロンプトほど、この5ステップ設計が重要です。

3. 実務でのプロンプト管理|再利用・チーム共有のベストプラクティス

業務で継続的にプロンプトを活用する場合は、管理と再利用の仕組みを整えることで生産性が一気に向上します。

  • 変数化
目的: 顧客レビューの要点整理  
入力情報: {{レビュー本文}}  
出力形式: 箇条書き、200字以内
  • テンプレート管理:YAML や JSON で保存し、GitHub 等でバージョン管理
  • RAG連携:Azure AI Search や LangChain などを使い、必要な情報をプロンプト内に動的に挿入

このプロンプトの設計は最初は手間がかかりますが、一度整備してしまえば、以降の業務での活用が格段に楽になります。

4. よくある失敗とその対処法

初心者だけでなく、経験者でも陥りやすい「プロンプトの落とし穴」は次のようなものです。

よくあるミス 主な原因 解決策
出力が冗長・読みにくい 出力形式が曖昧 「箇条書き」「200字以内」など形式を明示する
AIが嘘を言う(ハルシネーション) 参照情報がないまま生成 外部データを使った RAG 構成にする
機密情報が露出 APIキーや社外秘を含んでしまう .env管理や Key Vault など安全な変数管理を徹底

きちんとしたプロンプト設計を行うことで、これらの問題は大幅に軽減できます。

応答の仕組みを図で理解しよう

AIにプロンプト(指示文)を入力すると、どうやって答えが返ってくるのでしょうか?
以下は、ユーザーが入力したプロンプトがAIの中でどのように処理されて、最終的な出力になるのかを図で表したものです。

プロンプトの応答の仕組み

プロンプトから出力までの流れ

  1. プロンプト入力
     まずは、ユーザーが「どんなことをしてほしいか」を文章で入力します。
     例:「あなたは法律の専門家です。契約書の要点を3つにまとめてください。」

  2. Tokenizer(トークン化)
     AIは人間の言葉をそのまま理解することはできません。
     そのため、まずは入力された文章を単語や記号の単位に分けて、数字に変換します。これを「トークン化」と呼びます。

  3. AI内部での処理(潜在表現)
     トークン化された情報は、AIの“脳”にあたる部分で意味や文脈を理解する処理が行われます。
     この段階で、AIは「どう答えるべきか?」を考え始めます。

  4. 自己回帰生成(1語ずつ予測)
     AIは、最初の1語を予測し、次にその語を踏まえて2語目を予測…というように、1語ずつ順番に文章を組み立てていきます。
     この方法を「自己回帰生成(Autoregressive generation)」といいます。

  5. 生成パラメータ(温度・Top-P)
     AIの回答の“個性”や“幅”は、温度(temperature)Top-Pといったパラメータで調整できます。
     たとえば:

    • 温度が高い → より自由でユニークな回答(創造性重視)
    • 温度が低い → より安定した正確な回答(再現性重視)

よく使われる4つのプロンプト設計パターン

プロンプトにはいくつかの代表的な「設計スタイル」があります。
これらを使い分けることで、AIからの応答の精度や安定性が大きく変わります。

まずは、実務でもよく使われる4種類のプロンプト設計パターンを見てみましょう。

パターン名 特徴 向いている場面
Zero-shot 単純な命令だけ。もっとも短く、素早く回答を得られるが、安定性に欠けることもある 一問一答、簡易なタスク
Few-shot いくつかの「お手本」を先に提示してから回答させる。安定した品質とスタイルが得られる コピー作成、FAQ、記事の冒頭など
Chain-of-Thought(CoT) 「まず〜」「次に〜」「結論は〜」というようにステップごとの思考を誘導する。論理的な応答が必要な場面に有効 数学、データ分析、意思決定、企画提案など
Role指定 回答するAIに“人格”や“立場”を与えることで、専門的で一貫性のある出力を引き出す 専門分野の説明、顧客サポート、社内文書の代筆

1. Zero-shot:もっともシンプルな形

  • 特徴:命令1つだけ。スピーディで簡単。

  • 例:

    この文章をわかりやすく要約してください。
    
  • 向いているケース:チャット風の質問、日常的な作業の補助、急ぎの対応


2. Few-shot:お手本を見せてから応答させる

  • 特徴:「このように書いてください」と例を見せることで、出力のトーンや構成を揃えやすくなる。

  • 例:

    以下のような形式で、新しいFAQを1つ追加してください。
    
    Q: 商品はいつ届きますか?  
    A: 通常、ご注文から2~3営業日以内に発送いたします。
    
    Q: 返品は可能ですか?  
    A:
    
  • 向いているケース:FAQ、広告文、マニュアル、ルールの統一が求められる出力

3. Chain-of-Thought(CoT):ステップを踏んで考えさせる

  • 特徴:一気に結論を出すのではなく、「まず前提」「次に整理」「最後に結論」のように段階的な思考を促す

  • 例:

    次の質問に、ステップごとに考えて答えてください。  
    Q: なぜリモートワークは生産性を上げると言われているのですか?
    
  • 向いているケース:分析、意思決定、企画立案、トラブルシュート、検討資料の下書き

💡特にoシリーズ(o3やo4-mini)ではこの構造が有効です。
AIが内部で思考プロセスをシミュレートする仕組みに合致しているため、より正確な出力を得やすくなります。

4. Role指定:AIに「なりきってもらう」

  • 特徴:AIに役割を与えることで、口調や視点が明確になり、専門性があるような表現を引き出せる。

  • 例:

    あなたは中小企業の法務担当です。  
    以下の契約書の注意点を3つ、簡潔に説明してください。
    
  • 向いているケース:
     法務、医療、技術サポートなどの専門分野/顧客対応/文書作成の下書きなど

これらの技術を組み合わせることで、より効果的なプロンプトを設計できます。


画像生成のプロンプト設計

画像生成におけるプロンプトは、単に“何を描くか”だけでなく、どういう雰囲気で、どんな構図で、どんな技法で描いてほしいかを含む、ビジュアルの設計書です。

そのため、以下のような5つの観点を意識してプロンプトを構成すると、完成度の高い画像が得られやすくなります。

要素 内容
① 主題(Subject) 描いてほしい対象やシーン a futuristic city, a white cat
② スタイル(Style) 表現技法や世界観 in the style of Studio Ghibli, pixel art, watercolor
③ カメラ視点(Camera Angle) 画角や構図 close-up, aerial view, isometric
④ 雰囲気・光源(Lighting / Mood) 雰囲気や時間帯、光の演出 soft lighting, golden hour, neon glow
⑤ 出力形式(Format / Quality) 解像度や比率など 8K, --ar 16:9, ultra-detailed

すべてを使う必要はありませんが、伝えたい部分を明確にするほど理想に近い画像が生成されます。また、英語のみでなくても、日本語でもプロンプトは機能しますが、英語の方が精度が高いことが多いです。

また以下のような技術も活用することで、より精度の高い画像生成が可能になります。

テクニック 説明 使用例
ポジティブ強調 括弧で強調(Stable Diffusion) (sunset:1.5)
ネガティブプロンプト 含めたくない要素を除外 no text, no watermark, no people
スタイルミックス 複数のアートスタイルを組み合わせる Van Gogh x Cyberpunk
ランダム性調整 Chaos(Midjourney)、CFG Scale(SD)で多様性を調整 --chaos 30CFG=7

実際のプロンプト事例|ユースケース別の書き方ガイド

ここでは、業務でよくあるシーンをもとに、実際に使えるプロンプトの例文をモデル別に紹介します。
それぞれのAIの特性(推論型/指示重視型)を踏まえて、どんな書き方が適しているかがひと目でわかるようになっています。

✍️ ユースケース①:契約書の要点をまとめたい

▷ oシリーズ向け(例:o4-mini)

以下の契約書の要点を3つ挙げてください。各ポイントは簡潔にまとめてください。
  • モデル特性:推論型なので、文章構造を指定しなくても意味を汲み取って要点を整理してくれる
  • 用途:契約レビュー、要点抽出

▷ GPTシリーズ向け(例:GPT-4o)

あなたは企業法務の専門家です。  
以下の契約書を読み、次のフォーマットで要点を3つ挙げてください。  
1. 項目名:  
2. 内容:  
3. 注意点(任意):  
出力は全体で300字以内に収めてください。
  • モデル特性:構造や書き方まで明示すると正確な出力が期待できる

🧾 ユースケース②:商品レビューの要点を抽出したい

▷ oシリーズ向け

以下のレビューを読み、商品の良い点・悪い点をそれぞれ1文でまとめてください。

▷ GPTシリーズ向け

あなたはECサイトの運営担当者です。  
次のレビューを読み、下記の形式で出力してください。  
【良い点】:  
【悪い点】:  
【総合評価(5段階)】:  
すべて簡潔な日本語でお願いします。
  • 用途:レビュー要約、顧客フィードバック整理

💼 ユースケース③:会議の議事録からアクションを抽出したい

▷ oシリーズ向け

以下の会議メモをもとに、今後対応すべきタスクを3つリストアップしてください。

▷ GPTシリーズ向け

あなたはプロジェクトマネージャーです。  
以下の会議記録を読んで、次のフォーマットでアクションアイテムをまとめてください。  

- タスク名:  
- 担当者:  
- 期限(任意):  

出力は日本語で、項目ごとに改行してください。
  • 用途:議事録の自動整理、タスク抽出、業務支援

💡 ユースケース④:複雑な事象をわかりやすく説明したい

▷ oシリーズ向け

「生成AI」の仕組みを、高校生にも伝わるように簡潔に説明してください。

▷ GPTシリーズ向け

あなたは理科の教師です。  
以下の技術テーマ「生成AIの仕組み」について、次のように説明してください。  
- 説明対象:高校生  
- 長さ:200〜250字  
- 表現:専門用語を避け、たとえ話を交える  
- 構成:①導入 → ②仕組みの概要 → ③身近な例

文章はやさしく、親しみやすい口調でお願いします。
  • 用途:教育・研修、社内説明、プレゼン準備

シーン別プロンプト

シーンごとに、実務で役立つプロンプトを紹介します。

1.プレゼンテーション準備に役立つプロンプト

発表資料作成から話し方の練習まで、一歩進んだプレゼンを支えるプロンプト集です。

プロンプトの詳細
    1. 「この提案内容を5分以内で伝えるプレゼン構成を考えてください。」
    1. 「以下の製品説明を基に、説得力ある導入文(アイスブレイク)を作成してください。」
    1. 「次の要点をスライド5枚で表現する構成案を提案してください。」
    1. 「このスライドの内容を、非専門家にも伝わるように書き直してください。」
    1. 「この発表に対して、想定される質問とその答えを10セット出してください。」

2.会議後の要点整理・アクション出し

議論を“残す・活かす”ために、プロンプトで整理と可視化を。

プロンプトの詳細
    1. 「以下の会議メモから要点と結論を整理し、3行以内にまとめてください。」
    1. 「この議事録を基に、参加者ごとのToDoと期日をリスト化してください。」
    1. 「このプロジェクト会議の内容から、リスクと対応策を洗い出してください。」
    1. 「以下の会話ログから論点を抽出し、ロジカルに整理してください。」

3.企画立案・ブレスト時の発想支援

壁打ちやアイデア拡張にもプロンプトは有効です。

プロンプトの詳細
    1. 「次のテーマで、ユニークな切り口の企画案を5つ出してください。」
    1. 「以下のサービス内容をもとに、差別化できる新サービス案を提案してください。」
    1. 「この課題を“時間軸”で分析し、新しい解決アイデアをください。」
    1. 「競合との差別化ポイントを、“ストーリーで語れる形”にしてください。」

4.業務改善・効率化のためのプロンプト

業務の見直しや改善案を考える際に役立つプロンプトです。

プロンプトの詳細
    1. 「この業務フローを基に、改善案を3つ提案してください。」
    1. 「以下の業務プロセスを、より効率的にするためのアイデアを出してください。」
    1. 「この業務の課題を“5W1H”で整理し、改善策を考えてください。」
    1. 「この業務のKPIを見直し、より効果的な指標を提案してください。」
    1. 「以下の業務内容を基に、AIを活用した効率化案を3つ出してください。」

5.社内文書の作成・レビュー支援

社内文書の作成やレビューを効率化するためのプロンプトです。

プロンプトの詳細
    1. 「この社内文書を、より明確で簡潔な表現に書き直してください。」
    1. 「以下の報告書を基に、要点を3つにまとめてください。」
    1. 「この社内メールを、より丁寧でわかりやすい表現にしてください。」
    1. 「このプレゼン資料を、より視覚的にわかりやすくするための改善案を出してください。」
    1. 「この社内マニュアルを、より使いやすい形式にリライトしてください。」
    1. 「この社内報告書を、より専門的な表現に書き直してください。」

業種別プロンプト

業種ごとに、実務で役立つプロンプトを紹介します。

営業に役立つプロンプト

提案・信頼構築・フォローアップ。成果に直結する一言が得られます。

プロンプトの詳細
    1. 「以下の製品情報を基に、導入企業が興味を持ちやすいメール文を作成してください。」
    1. 「この商談履歴を要約し、次回の提案ポイントを3つに絞って提案してください。」
    1. 「顧客A(業界X)の課題にマッチする導入事例を挙げ、その事例を簡潔に紹介する一文を作成してください。」
    1. 「以下の製品を“コスト削減”の観点でアピールする提案トークを3種類ください。」
    1. 「返信が来ていないお客様へのフォローアップメール文案を、催促感を出さずに作ってください。」

マーケティングに役立つプロンプト

分析も発想も、AIが“戦略の壁打ち役”になります。

プロンプトの詳細
    1. 「次のキャンペーン実施データを基に、改善の仮説を3つ提案してください。」
    1. 「このターゲット層に響くInstagram広告のキャッチコピーを5案ください。」
    1. 「以下の競合サイトの特徴をもとに、自社が勝てる差別化ポイントを文章で整理してください。」
    1. 「マーケティング戦略会議で使える“最新事例トピック”を3つリストアップしてください(国内限定)。」

【広告・メディア業界に特化したプロンプト集】 | AI総合研究所

生成AIを活用する方のための広告・メディア業界特化プロンプト集です。広告・メディア業界では生成AIを活用した事例が増えています。キャッチコピー、コンテンツのアイデア出しなど幅広くご活用ください。

https://www.ai-souken.com/resources/prompt-advertising-media-industry-material

人事・採用に役立つプロンプト

求人文から面接質問まで、“伝わる・見抜く”支援をします。

プロンプトの詳細
    1. 「この求人内容を基に、魅力が伝わる募集要項の文章を生成してください。」
    1. 「以下の職務経歴書に基づき、一次面接で確認すべきポイントをリストアップしてください。」
    1. 「“成長意欲が高い人物”を見抜くための深掘り質問を5つください。」
    1. 「社内研修の参加者アンケートを要約し、改善ポイントを3点挙げてください。」

【人材業界に特化したプロンプト集】 | AI総合研究所

生成AIを活用する方のための人材業界特化プロンプト集です。ChatGPTを扱う際にどのように指示をするかによって大きく結果が異なります。そんな課題を解決する資料を取り揃えました。ぜひご活用ください。

https://www.ai-souken.com/resources/prompt-human-resource-industry-material

カスタマーサポートに役立つプロンプト

対応の質を均一化しつつ、迅速かつ丁寧なやりとりをサポート。

プロンプトの詳細
    1. 「以下のユーザーからの問い合わせに対し、丁寧かつ簡潔な返信文を作成してください。」
    1. 「製品の不具合報告に対して、お詫びと対応案を含めた返信文を3通りください。」
    1. 「このFAQ情報をもとに、チャットボット用の短い案内メッセージに変換してください。」
    1. 「“返金対応”に関する問い合わせに対して、マニュアルに沿った返信テンプレートを出してください。」

製造・物流業に役立つプロンプト

現場の効率と安全性を高める提案や改善案に。

プロンプトの詳細
    1. 「以下の作業手順を安全教育向けにわかりやすく要約してください。」
    1. 「この在庫データを分析し、過剰在庫と在庫切れのリスク商品を挙げてください。」
    1. 「現場で発生しやすいミスとその予防策を5つ提示してください。」
    1. 「製造ライン改善に役立つ“5S”の観点からの改善提案を出してください。」

【小売業界に特化したプロンプト集】 | AI総合研究所

生成AIを活用する方のための小売業界特化プロンプト集です。小売業界はECや商品キャッチの作成などChatGPTを扱える分野が多岐にわたります。プロンプトで業務効率を加速する資料を取り揃えました。ぜひご活用ください。

https://www.ai-souken.com/resources/prompt-retail-industry-material

【製造業に特化したプロンプト集】 | AI総合研究所

生成AIを活用する方のための製造業特化プロンプト集です。製造業におけるプロンプト活用は、生産管理、商品の販促、不良品検知など多岐にわたります。応用して活用することも可能ですので、ぜひご活用ください。

https://www.ai-souken.com/resources/prompt-manufacturing-industry-material

教育・研修に役立つプロンプト

学びの定着と効果測定に役立つ支援が可能です。

プロンプトの詳細
    1. 「以下の授業内容を、非専門家でも理解しやすいように再構成してください(中学生向け)。」
    1. 「この研修カリキュラムに対する理解度チェックテストを3問作成してください。」
    1. 「新人研修後のフォローメール文案(やる気を引き出すトーン)を作ってください。」
    1. 「この社内資料をもとに、5分間の講義スクリプトを作ってください。」

経営戦略に役立つプロンプト

意思決定の前段階で、視野を広げる問いを支援。

プロンプトの詳細
    1. 「この市場動向から考えられる事業リスクを3点挙げ、それぞれに対応策を提示してください。」
    1. 「以下の自社データをもとに、新たな収益モデルの仮説を立ててください。」
    1. 「このビジネスアイデアのSWOT分析を簡潔にまとめてください。」
    1. 「以下の競合状況をもとに、中長期的に差別化できる戦略案を3つください。」

このように、プロンプトは業務のさまざまなシーンで活用できます。

今後のトレンド:ツールと仕組みの進化

プロンプト設計の重要性が広く認識されるようになった現在、各種ツールや仕組みも急速に進化しています。これからのAI活用においては、単にプロンプトを書くのではなく、それを設計・評価・改善する一連のワークフローをどう整備するかが、競争力の差につながっていくでしょう。

中でも注目すべき動きは以下の4つです。


1. PromptFlow(Azure):GUIベースでプロンプトのPDCAを実現

Microsoftが提供するPromptFlowは、プロンプトの作成・実行・ABテスト・改善までをGUIベースで行える強力なツールです。コードに不慣れなユーザーでもプロンプト評価の仕組みをチームで共有できるため、業務での本格導入を見据えた組織的な運用に向いています。


2. Assistants API(Azure OpenAI):RAGや関数呼び出しをコードレスで実現

Azure OpenAIの「Assistants API」は、複雑なプロンプト処理(RAG構成、ファイル参照、関数実行など)をノーコードまたは簡単なスクリプトで実装できるのが特長です。APIベースでありながら扱いやすく、業務アプリへの組み込みや社内ボット設計を加速させる要素として注目されています。


3. LangChainのPromptTemplate機能:動的プロンプト生成の定番

LangChainでは、プロンプトを変数ベースで構成・管理できる「PromptTemplate」機能が提供されています。{{context}}{{question}} のように変数を定義し、Jinja構文を活用することで、条件に応じたプロンプトの切り替えやRAG連携が容易になります。LLMアプリ開発の定番技術として広く使われています。


4. Agentic AIの台頭:プロンプトが“自分で進化する”時代へ

現在注目されている最先端のトレンドが「Agentic AI」です。これは、複数のAIエージェントが連携してタスクを分担・評価・改善しながら進行するもので、プロンプト自体をAIが自動で修正・最適化し続ける「自律的なワークフロー」が実現可能になります。AutoGPTやCrewAI、MetaGPTなどがこの方向を牽引しています。

これらの進化により、今後のプロンプト活用は「人が工夫して書く」フェーズから、「AIと協調して育てる」フェーズへとシフトしていくでしょう。
プロンプト設計のスキルに加えて、それを支えるツールや仕組みへの理解も、AI活用人材に求められる重要な要素となっていきます。

まとめ|プロンプトがAI活用のカギとなる時代へ

生成AIを業務に活用するうえで、もっとも成果を左右するのがプロンプトの設計力です。
特に、GPTシリーズやoシリーズといったモデルごとの特性を理解し、それに合わせた「促し方」を工夫することで、AIの出力は格段に安定し、信頼性も向上します。

プロンプト設計においては、単発的な試行錯誤ではなく、
①目的の明確化 → ②出力定義 → ③情報の提示 → ④評価 → ⑤改善・共有という5ステップのフレームワークを導入することで、誰が使っても同じように再現性のある出力を得ることが可能になります。

さらに、テンプレート化・変数化・バージョン管理などを通じてナレッジを組織内に蓄積し、評価と改善を繰り返していく体制を整えることで、**プロンプトは一時的なツールではなく、業務の中で活きる「継続的な資産」**となります。

生成AIがビジネスに深く根づいていくこれからの時代において、
「プロンプトを書けること」はスキルであると同時に、企業の競争力を支える知的財産でもあります。

本内容が、あなたのプロンプト設計やAI活用の一助となれば幸いです。

よくある質問(FAQ)

質問 回答
GPT-4oとo4-miniで同じプロンプトを使うと結果が違うのは? GPT-4oは創造性寄り、o4-miniは推論重視。前者は曖昧な指示にも柔軟、後者は明示的な構造が必要です。
プロンプトの長さに上限はありますか? 通常200~600字が推奨。長すぎるとトークンコスト増や応答不安定の原因になります。
セキュリティ対策はどこまで必要ですか? 企業利用では、プロンプトの設計段階から個人情報や業務秘密を含めない工夫が求められます。
法人でのプロンプト運用、どう始める? Azure OpenAIやGitHubを使えば、チーム単位でテンプレ管理・改善サイクルが構築可能です。

参考文献

AI活用のノウハウ集「AI総合研究所」サービスご紹介資料

「AI総合研究所 サービス紹介資料」は、AI導入のノウハウがないというお客様にも使いやすい最先端のAI導入ノウハウを知れる資料です。

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AI総合研究所サービス紹介資料
監修者
坂本 将磨

坂本 将磨

Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。

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