この記事のポイント
BeRealは「リアル」を重視したSNS
1日1回、ランダムな通知で「ありのままの自分」を写真投稿するコンセプトのアプリ。編集・加工は禁止。
BeReal自体にはAI技術は組み込まれていない
BeRealに対抗して、AIが写真を加工して「理想の自分」を作るアプリ「BeFake」が話題に。
BeReal(リアル重視)とBeFake(AIで理想化)の登場により、SNSでの「リアル志向 vs AIによる演出」の議論が活発化。

Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。
SNSに「映え」や「加工」があふれる時代、Z世代を中心に“飾らないリアル”を共有するSNS「BeReal(ビーリアル)」が注目を集めています。
この記事では、BeRealの基本情報から最新アップデート、AIとの関係、使い方、非公開設定までをわかりやすく解説します。
BeRealとは?|盛らないSNSのコンセプト
BeRealトップ画面
BeReal(ビーリアル)は、2020年にフランスで開発されたSNSアプリで、「飾らない日常をシェアする」ことをコンセプトに掲げた、新しい形の写真共有プラットフォームです。
最大の特徴は、1日1回、世界中のユーザーにランダムな時間で届く通知 。ユーザーはその通知を受けてから2分以内に、スマートフォンの前面カメラ(自撮り)と背面カメラ(風景)を同時に使って撮影を行い、その写真を投稿します。この2分という制限時間と前後カメラの同時撮影により、ユーザーは加工や演出を挟む余裕がなく、まさに“その瞬間のリアル”を投稿せざるを得なくなります。
投稿された写真は24時間で消える仕組みとなっており、投稿しないと他人の投稿を見ることができないというユニークなルールも存在します。これにより、ユーザーは受け身ではなく「自分もリアルを共有する側」になることを求められ、自然なエンゲージメントが生まれます。
InstagramやTikTokといった“映え”重視のSNSが主流の中、BeRealは“映えないこと”をあえて価値とする点で新しい位置づけを確立しています。
BeRealのフォローとは?
BeRealでの「フォロー」は、友達申請に似た概念で、一方的に相手をフォローするのではなく、相互に承認することで友達関係になる仕組みです。
そのため、承認をもらえない場合は原則見ることはできません。
どこで流行っているのか?|Z世代を中心に世界で拡大中
BeRealはフランス発祥のアプリですが、世界的にブレイクしたのは2022年ごろからです。特にアメリカの大学生・高校生を中心に急速に人気が高まり、「App of the Year 2022」にも選ばれたことで、一気に注目を集めました。
その後、ヨーロッパ全体、そしてアジア各国にも広がりを見せています。日本においては2023年〜2024年にかけて、東京・神奈川などの都市圏を中心に大学生や若手社会人の間で利用が進みました。
特に「Instagram疲れ」「TikTok離れ」といった背景を持つユーザーが多く、BeRealの“ゆるくて縛られない”スタイルがZ世代にフィットしていると考えられます。
また、韓国や台湾でも「自然体で過ごす自分を見せる」スタイルのSNSとして注目され、若者の間で静かな広がりを見せています。SNSで自分を演出することに疲れた世代にとって、BeRealはまさに“ちょうどいい距離感”のSNSといわれています。
BeRealとAIの関係|“生成しない”ことの価値
bereal、Fakeのイメージ
AIが進化し、画像生成や自動補正が当たり前になった現代。SNSの世界では、AIフィルターやおすすめ表示、レコメンド機能など、あらゆる場面でアルゴリズムや生成AIが活用されています。
そんな時代において、BeRealはその真逆を行く存在です。AIによる補正や演出は一切なく、「あるがままの瞬間」を共有することに価値を置いています。アルゴリズムに従って“見せられる”のではなく、ユーザー自身が“自然体を見せ合う”ための場として設計されているのです。
さらに、今後BeRealがAIを導入するとしても、投稿の自動フィルタリング(不適切コンテンツの検出)や、簡易的なスパム対策といった補助的な役割にとどまると予想されます。生成AIやレコメンドAIによる最適化・演出を一切排除することで、「加工されていないこと」そのものがコンテンツの魅力になるという、AI時代におけるアンチテーゼ的な存在となっています。
BeRealのアルゴリズムとは?|シンプルで制限のある設計
BeRealのアルゴリズムは非常にシンプルで、他のSNSのような「おすすめ」や「エンゲージメント最適化」は行っていません。その代わり、ユーザー行動を“リアルタイム”で縛ることで、演出の余地を減らす仕組みが設けられています。
主な特徴は次の通りです:
- 毎日ランダムな時刻に通知が送信される(全ユーザー同時)
- 通知から2分以内に前後カメラで撮影しないと「遅刻」として投稿にマークが付く
- 投稿しない限り、他のユーザーの投稿が見られない(閲覧制限)
- 投稿は24時間で消える
- フィードは時系列順で並び、レコメンドなし
このような仕組みは、「完璧な写真」ではなく「その瞬間を切り取る」ことに集中させるための設計です。
BeRealの使い方|ログインから投稿までの手順
ログイン・登録手順
- BeRealアプリをApp StoreまたはGoogle Playでインストール
インストール画面
- 電話番号を入力し、SMS認証コードを受信して認証
電話番号画面
- ニックネーム、ユーザー名、誕生日を登録
誕生日入力画面
- 任意で連絡先を同期して友達を探す
友達との共有
5分もかからず登録が完了です!
基本的な投稿の流れ・タグ付け
撮影画像イメージ
- ランダムな時間に通知が届く(1日1回)
- アプリを開くと前後カメラが同時に起動
- 2分以内に写真を撮影(再撮制限あり)
- 公開範囲(友達のみ or 友達+友達の友達)を選んで投稿
- 投稿後、他のユーザーの投稿を閲覧可能になる
プライバシーは守れる?|非公開設定・制限機能まとめ
BeRealでは、投稿のプライバシーを守るための設定が用意されています。
## スクリーンショットはバレるが録画はわからない
berealではスクリーンショットとをとると相手に通知がいきます。そのため、保存したことが相手にわかります。
一方で画面録画ではわからない(気づくことができない)ため注意が必要です。
投稿の公開範囲を設定する
投稿時に「私の友達のみ」を選べば、フォロー関係にある友達のみに投稿が表示されます。後からも変更可能で、投稿の右上メニューから「オーディエンスを変更」で調整できます。
友達の友達表示を無効にする
プロフィール画面の「プライバシー」設定から「友達をつなぐ」をオフにすることで、自分の投稿が「友達の友達」に表示されなくなります。
特定のユーザーを非表示にする
特定のユーザーを投稿からブロック・非表示にしたい場合は、投稿画面の右上メニューや「プライバシー」設定から「非表示のユーザー」に追加することが可能です。
これにより、BeRealはSNSの中でも比較的高いプライバシーコントロールが可能なアプリと言えます。
2025年最新アップデート情報|DMやBTS機能など進化のポイント
チャット機能
2025年春時点での最新アップデートとして、BeRealにはいくつかの注目機能が追加されました。特に、コミュニケーション機能と表現力を高める更新が行われています。
ダイレクトメッセージ(DM)機能
これまでBeRealではコメント機能のみが備わっていましたが、新たにDM機能が追加され、1対1の直接メッセージのやり取りが可能になりました。機能自体はシンプルですが、限定的なつながりを維持したいというユーザーには好評です。
BTS(Behind the Scenes)機能
投稿写真の前後数秒間の動画を自動的に記録し、静止画とともにシェアできるようになりました。これにより、投稿に“動き”や“雰囲気”を付加し、よりリアルな空気感を伝えることが可能になります。
グループ投稿機能
家族や特定の友人など、限定された相手とだけ写真やメッセージを共有できるグループ機能が実装されました。親しい人との小さな空間で日常を楽しむSNSとしての進化が見られます。
まとめ|リアルの時代にフィットする新SNS
BeRealは、AIや演出を排した“リアルな瞬間”を大切にするSNSとして、Z世代を中心に支持を集めています。毎日ランダムなタイミングで、制限時間内にありのままを記録し、友達と共有する――その仕組みが新鮮で、SNS疲れを感じる多くのユーザーにとって救いとなっているのです。
2025年にはDMやBTS機能、グループ共有など、使いやすさと表現力の両立を図るアップデートも進み、今後の進化にも期待が高まっています。リアルを求める時代において、BeRealは今後も確実に存在感を増していくSNSのひとつと言えるでしょう。