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ChatGPTのモデルとは?OpenAIの最新モデル一覧と特徴をわかりやすく解説【2025年最新版】

この記事のポイント

  • 最新のChatGPTでは、GPT-4o(マルチモーダル対応)と、推論特化型のo3-mini/o4-miniが主力となっています。
  • 開発者向けのOpenAI APIでは、gpt-4-turbo、gpt-4.1系列など、コストや性能に応じたモデル選択が可能です。
  • o1、o3、o4-miniは、従来の大型言語モデルに比べて、思考の一貫性・深さを重視して設計されています。
  • 個人利用なら軽量モデル(GPT-4o Mini)、ビジネスならマルチモーダル対応版(GPT-4o)、研究開発には推論特化型(o1/o3)を選ぶのが効果的です。
  • 現時点ではGPT-5は発表されておらず、今後はGPT-4oや推論特化型のoシリーズがさらに進化していく見込みです。
坂本 将磨

監修者プロフィール

坂本 将磨

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Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。

2025年現在、ChatGPTとOpenAI APIで利用できるモデルは大きく進化しています。
単なる「GPT-4」「GPT-3.5」の時代から、マルチモーダル対応のGPT-4oシリーズや、推論特化型のoシリーズが登場し、ユーザーの用途に応じた選択肢が広がりました。
本記事では、ChatGPTアプリ版、API専用版、推論特化型モデルに分けて、それぞれの特徴と選び方をわかりやすく解説します。

ChatGPTのモデルとは(2025年4月時点)

OpenAI
OpenAI

ChatGPTのモデルとは、ユーザーの入力に応じて最適な応答を生成するために設計されたAIエンジンのことです。
それぞれのモデルは、性能、速度、対応できるタスク範囲が異なり、利用するプランや目的に応じて選択されます。

現在、ChatGPTで利用できるモデルは大きく分けて2種類に分類されます。

  • ChatGPTアプリ版で利用できるモデル
    (例:GPT-4o、GPT-4o Mini、o3-miniなど)
  • API専用で提供されているモデル
    (例:gpt-4-turbo、gpt-4.1、gpt-4o API版など)

本記事では、これらのモデルの特徴と違いについて詳しく解説します。

【関連記事】
AIモデルとは?その一覧や作り方、モデルごとの比較をわかりやすく解説

ChatGPTアプリ版に搭載されているモデル

ChatGPTで選択できるモデル一覧
ChatGPTで選択できるモデル一覧

ChatGPT(chat.openai.com)で利用できるモデルは、2025年4月に以下のように整理されています。

モデル名 特徴・用途 利用プラン
GPT-4o テキスト・画像・音声のマルチモーダル対応、高速・高精度 Plusプラン以上
GPT-4o Mini GPT-4oの軽量版。高速でコスト効率が高く、無料ユーザーでも利用可能 無料プランでも利用可
o3 推論能力を強化したモデル。思考の一貫性に優れる 推論モデルの最上位
o4-mini / o4-mini-high 自律的な推論・ツール活用が可能な高機能モデル Plusプラン以上

これらのモデルは、精度や処理速度、対応できるタスク内容が異なっており、ユーザーの用途やプランに応じて自動的に選択・切り替えられます。


各モデルの特徴と使い分け

各モデルには特徴があり、その中でモデルを選択します。
概ねの業務には「GPT-4o」が対応します。

  • カジュアルなチャットや簡単な調査には「GPT-4o Mini」や「o3-mini」。
  • 業務利用や高度なプロンプト設計には「GPT-4o」や「o4-mini-high」。
  • 画像・音声入力を使うマルチモーダル利用も、Plusプラン以上であればスムーズに対応可能。無料プランでも回数制限の中で利用できる。

ポイントは、「速さ重視か、思考力重視か、マルチモーダル重視か」という基準で選ぶことです。


API専用で提供されているモデルとは?

モデル比較
モデル比較

ChatGPTの裏側では、API専用にさらに細分化されたモデル群が展開されています。
API経由で開発を行う場合には、以下のようなモデルが選択肢となります。

モデル名 特徴・用途 利用環境
GPT-4o テキスト・画像・音声に対応したマルチモーダルモデル。高速かつ高精度で、幅広いタスクに対応。 OpenAI API
GPT-4.1 GPT-4oを上回る性能を持つ最新モデル。最大100万トークンの長文処理に対応し、コーディングや指示追従能力が向上。 OpenAI API
GPT-4.1 mini GPT-4.1の軽量版。低レイテンシーでコスト効率が高く、日常的なタスクに最適。 OpenAI API
GPT-4.1 nano GPT-4.1シリーズの最小モデル。高速かつ低コストで、分類や自動補完などのタスクに適している。 OpenAI API
o1 複雑な推論や科学的問題解決に特化したモデル。思考プロセスの正確性や一貫性を重視。 OpenAI API
o3 o1の後継モデルで、推論能力がさらに強化され、ツールとの連携も可能。 OpenAI API
o3-mini o3の軽量版。高速かつコスト効率が高く、日常的な推論タスクに適している。 OpenAI API
o4-mini 最新の推論特化型モデルで、数学、科学、視覚的推論タスクに優れる。 OpenAI API
o4-mini-high o4-miniの高性能版。より高度な推論やツール連携が可能で、複雑なタスクに対応。 OpenAI API

APIモデルは、チャット向けというよりも、アプリ開発や企業向けカスタム実装に適しています。

APIモデルの比較は公式ページからも見ることができます。
ぜひ参考にしてみてください。

【関連記事】
ChatGPT API(OpenAI API)とは?使い方や料金体系、活用事例を解説!

推論(Reasoning)特化型モデル「oシリーズ」とは?

ChatGPTの進化の中で、特に注目されているのが推論(Reasoning)特化型の「oシリーズ」です。
従来のGPTシリーズが汎用性を重視していたのに対し、oシリーズは論理的な思考力や推論過程の精度を高めることを目的に開発されています。

また、oシリーズでは「Deliberative Alignment(熟慮的整合性)」という新しい手法が採用されており、単なる答えの出力だけでなく、思考プロセスの正確性や一貫性を重視した応答が可能です。

このため、oシリーズは単純な情報提供だけでなく、議論の整理、論理的な文章作成、複雑な問題解決など、より深い理解と推論を求めるシーンで高い効果を発揮します。

o1 / o3 / o4-miniの使い分け

モデル名 特徴 主な用途
o1 数学・科学分野の問題に強く、深い推論力を持つ 研究開発、技術検証
o3 / o3-mini 論理的な文章作成や一貫性重視のタスクに適している コンサル資料、議論整理
o4-mini / o4-mini-high 自律的推論+ツール連携も可能な次世代モデル 業務オートメーション、複雑な意思決定支援

特にo4-mini-highは、ツール(ブラウザ、コード実行、ファイル処理など)との連携機能が高いため、**「考えながら行動できるAI」**として非常に注目されています。


モデル選びのポイント【用途別おすすめ】

どのモデルを使うべきかは、目的によって異なります。

日常利用・個人利用なら?

  • GPT-4oo4-miniが最適です。
  • 軽快な動作と十分な推論力を持ち、普段使いにストレスがありません。

ビジネス・開発用途なら?

  • GPT-4oを使うことで、マルチモーダルな情報処理が可能になります。
  • API開発者ならgpt-4-turboでコストパフォーマンス重視の設計もおすすめです。

高度な推論・研究開発なら?

  • o1(数学・科学特化型)や、o3 Pro(深い推論力を持つカスタム版)を選択することで、複雑な問題にも耐えうる回答を得られます。

モデルの性能比較

モデルの性能比較
モデルの性能比較

現在生成AI領域ではあらゆるモデルが存在し、その性能を向上しています。
ここでは性能を比べるときに便利なサイトをご紹介します。

サイト名 特徴 URL
lmsys.org (Chatbot Arena) OpenAI, Anthropic, Google, Mistralなど各社の最新LLMを実戦形式(ユーザー投票)で比較。非常に信頼性が高い。 lmsys.org
Artificial Analysis GPT-4o、GPT-4.1、o4-mini-highなど最新モデルの知能スコア・速度・価格比較を掲載。わかりやすいグラフが特徴。 artificialanalysis.ai
FastEval 複数のLLMを対象に、ベンチマーク(MMLU, GSM8K, HumanEvalなど)スコア比較表を公開。業界内でも利用されている。 fasteval.ai
Hugging Face Open LLM Leaderboard オープンソースLLM中心だが、標準ベンチマーク(MMLU、ARCなど)による定量評価を一覧で見られる。 huggingface.co/open-llm-leaderboard

ぜひ迷っている場合、詳細を比較したい場合にご活用ください。

Hugging Face Open LLM Leaderboardの実際の使い方

LLMのモデルの比較にもHugging Faceは有効です。使い方をご紹介します。

1. まずアクセス

このページに行くと、ずらっとたくさんのLLMモデルのリストが出てきます。

2. 基本画面の見方

LLM Leaderboard画面
LLM Leaderboard画面

ページに入ると、こういう表が見えます。

Rank Model MMLU ARC HellaSwag TruthfulQA Avg
  • Rank:順位(スコア順に並んでいる)
  • Model:モデル名(例:GPT-4o、Claude 3.5、Mistralなど)
  • MMLU:大学入試レベル問題(Multi-task Language Understanding)の正答率
  • ARC:小学生レベル推論問題(AI2 Reasoning Challenge)の正答率
  • HellaSwag:常識推論問題の正答率
  • TruthfulQA:嘘をつかないか検証する問題の正答率
  • Avg:各種スコアの平均(総合力を示す指標)

👉 このAvgが高いほど、総合的に「賢い」モデルとみます。


3. モデルを探す・絞り込む

入力画面
入力画面

  • 上の検索窓(Search bar)に
    「gpt-4o」「o4-mini」 と入力すると、すぐ該当モデルだけに絞れます。
  • また、**カラム(列)名をクリックすると、並び替え(昇順/降順)**もできます。
    • 例:MMLUスコア順に並び替えて、「一番学問に強いモデル」を探す。

4. 詳細ページを見る

  • モデル名をクリックすると、さらにそのモデルの詳細ページに飛べます。
    • どのベンチマークにどれくらい強いか
    • モデルの開発元(OpenAI, Anthropic, Meta, Mistralなど)
    • 公開されている場合、モデルカード(技術解説ページ)へのリンクもある

まとめ

2025年現在、ChatGPTの進化は単なる「大型化」だけでなく、

  • マルチモーダル対応(テキスト+画像+音声)
  • 推論特化(Deliberative Alignment)
  • ユースケースごとの最適化(Mini/Pro展開)

といった方向性の多様化に向かっています。

一方で、噂されていた「GPT-5」のリリースは当面見送られ、
今後は「oシリーズの発展」や「4o系統の強化」が中心になる見通しです。

最適なモデルを選ぶことは、これからのAI活用において重要な戦略になります。
目的に合わせたモデル選択を心がけ、進化するAI技術を味方につけましょう!

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監修者
坂本 将磨

坂本 将磨

Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。

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