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【中国発AI】Manusとは?主な特徴や使い方、料金体系を解説

この記事のポイント

  • Manusは、中国の新興企業Monicaが開発した自律型AIエージェント
  • ユーザーの指示からタスクを自動実行し、具体的な成果物を提供
  • 思考プロセスをリアルタイムで可視化、透明性が高い
  • テキスト、画像、表などマルチモーダル対応、GAIAベンチマークで高評価
  • 現在は招待制、OpenManusというオープンソース版も

監修者プロフィール

坂本 将磨

Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。


「AIに指示を出したら、あとは自動で作業を完了してほしい…」多くの人がそう願っていますが、従来のAIは、指示された範囲内でしか動けず、複雑なタスクや、複数のステップが必要な作業は苦手でした。
そんな課題を解決するのが、中国の新興企業が開発した「Manus」です。しかし、その革新的な機能や具体的な活用方法は、まだ十分に知られていません。
本記事では、この「Manus」について、基礎から応用までをわかりやすく解説します。
Manusの主な特徴、料金体系、使い方、そして類似のオープンソースプロジェクトまで、幅広く網羅的に説明します。

Manusとは

Manus(マヌス)は、中国のスタートアップ企業「Monica」が2025年3月5日に発表した汎用AIエージェントです。
通常のチャットボット型AIが単に対話で情報を提供するのに対し、Manusはユーザーの指示に基づき自律的に行動し、具体的な成果物を提供することができます。

https://youtu.be/K27diMbCsuw?si=Ot9TA_GCFmK3hyBd


開発企業のMonicaは2022年に肖洪(Xiao Hong)氏によって設立されました。肖洪氏は華中科技大学を2015年に卒業した連続起業家であり、以前にもAIプラグインサービスで100万人以上のユーザーを獲得する実績があります。
共同創業者のYichao "Peak" Ji氏を中心とする技術チームが開発を担当しています。

発表後、SNS上では「中国産AIショックの再来」と評されるほどの反響を呼び、DeepSeek R1の登場時に匹敵する衝撃を与えました。


Manusの主な特徴

Manusは従来のAIとは一線を画す革新的な機能を備えています。ユーザーの指示から実際の行動、そして具体的な成果物の提供までをシームレスに実行できる点が最大の強みです。
以下では、Manusが持つ5つの主要な特徴について詳しく解説します。

自律的なタスク実行能力

Manusの最も重要な特徴は、その高い自律性です。ユーザーが一度大まかな目標を与えるだけで、AIが自身でタスクを細分化し、必要な情報収集・分析・作業実行を連続して行えます。

例えば「旅行プランを立ててほしい」といった指示から、Manusは目的地の情報収集、日程調整、観光スポットの選定、交通手段の提案までを自動的に行います。

manusデモ
「日本旅行のプラン作成」を実行している例 参考:manus

リアルタイムな思考プロセスの可視化

Manusを利用する際、画面は主に2つのエリアに分かれています。左側にはManusの思考プロセスがリアルタイムで表示され、右側には参照しているウェブページや作業中のファイルが表示されます。
これにより、AIがどのような判断をして行動しているのかを透明性高く把握できます。

この可視化システムにより、ユーザーはAIの作業中でも状況を理解し、必要に応じて追加の指示を出すことが可能になります。

マルチモーダル対応

Manusはテキスト、画像、表、コードなど複数の形式のデータを処理できるマルチモーダル機能を備えています。
公式サイトのデモでは、名刺作成や脚本の作成、音源の文字起こしと要約など多岐にわたる活用例が紹介されています。

例えば、アップロードした音声データから文字起こしを行い、その内容を要約したり、提供された画像を分析してレポートを作成したりといった複合的なタスクも実行可能です。

高い性能評価

Manusは、MetaやHugging Faceの研究者らが開発した大規模言語モデルのベンチマーク「GAIA」で高い評価を獲得しています。

Manusのベンチマーク結果
Manusのベンチマーク結果 参考:Manus

レベル1の課題正答率で86.5%を記録し、OpenAIのDeep Researchの74.3%を上回りました。
さらに難易度の高いレベル3においても57.7%という高いスコアを記録し、全レベルでOpenAIのモデルを上回る結果を示しています。

クラウドベースの非同期処理

多くのAIツールと異なり、Manusはクラウド環境で動作するため、ユーザーがブラウザを閉じたりオフラインになったりしても、作業を継続して実行できます。
長時間かかるタスクでも、AIが自律的に処理を続け、完了時に通知を送る仕組みになっています。

この特性により、例えば複雑な市場調査や大量のデータ分析など、時間のかかるタスクを効率的に処理することができます。


Manusの料金

2025年3月時点で、Manusは招待制のクローズドベータ(早期プレビュー)段階にあり、正式な料金プランは公開されていません。

現在のプレビュー利用者は無料でManusを試すことができますが、招待コードの入手が困難なため、実質的にはアクセス制限がかかっています。


Manusの使い方

Manusを利用するには、以下の2つの方法があります。

  1. 招待コードを共有してもらう
  2. Manusへ招待リクエストを申請する


招待コードを保有している場合は、Manusの公式サイトの右上にある「Get Started」ボタンをクリックし、招待コードを入力することで利用可能です。

招待コード入力画面
招待コード入力画面

招待リクエストの申請方法

招待リクエストを申請したい場合、画面下部にある「アクセスを申請する」ボタンを選択します。
アクセス申請のボタン
アクセス申請のボタン


次のような画面が表示されるので、「メールアドレス」と「Manusの利用目的」を入力します。
manus招待リクエスト


「リクエストを送信」ボタンを押せば、申請は完了です。


OpenManusについて

Manusの注目度の高まりに伴い、GitHubでは有志によって「OpenManus」というオープンソース版のプロジェクトが立ち上げられています。
これはManusの機能を再現することを目指した取り組みで、公開から1週間未満にもかかわらず2万以上のスターを集めるなど高い人気を博しています。

OpenManus
参考:Github


OpenManusは、招待制でアクセスが制限されている公式版Manusの代替として注目されており、コミュニティによる継続的な改良が期待されています。
誰でも簡単にインストールして利用できる点と、コードの透明性が大きな魅力となっています。


Manusの招待コードについて

現在、Manusは予想を超える反響により、サーバー容量の制約からアクセスが厳しく制限されており、招待コードの入手は非常に困難な状況です。
公式ルートでの招待コード配布は限定的で、大部分のユーザーはウェイティングリストに登録して順番を待つ形となっています。

SNS上では招待コードの非公式な取引も報告されていますが、公式が認めていない経路でのアクセス取得にはリスクが伴うため注意が必要です。


Manusの活用事例

すでに色々な活用方法が報告されています。

・three.js エンドレスランナーゲームを作成

プロンプトも極めてシンプルです。

prompt: make a three.js endless runner game

  • お問合せ営業の効率化

  • インタラクティブな Web サイトを作成


まとめ

Manusは単なるチャットボットを超え、自律的に行動できるAIエージェントとして大きな注目を集めています。「思考」から「行動」へのギャップを埋めるという理念のもと、ユーザーの指示から計画立案、実行、成果物の提供までを一貫して行う能力は、AIの新たな可能性を示しています。

現在は招待制のプレビュー段階にありますが、その高い性能評価と実用性から、今後のAIエージェント市場に大きな影響を与える可能性があります。OpenManusのようなオープンソースプロジェクトの登場も、この分野の発展を加速させるでしょう。

一方で、出力の精度保証やプライバシーに関する懸念、サービスの安定性と継続性といった課題も存在します。利用者はこうした点を意識しながら、段階的にテスト導入を進めることが望ましいでしょう。

Manusが示す自律型AIエージェントの可能性は、私たちの働き方や問題解決アプローチに大きな変革をもたらす可能性を秘めています。今後の開発動向と実用事例から目が離せません。

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監修者

坂本 将磨

Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。

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