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【OpenAI】o4-miniとは?特徴やChatGPTでの使い方、料金体系を解説

この記事のポイント

  • OpenAI o4-miniは、高速性とコスト効率に特化した最新の小型AIモデル
  • サイズやコストに対して高性能で、特に数学、コーディング、ビジュアルタスクに優れる
  • 旧モデルo3-miniから性能が向上し、より幅広いタスクに対応可能
  • 大量処理に適した高い利用制限とスループットを提供し、応答速度も高速
  • ChatGPTの有料プランやAPIを通じて利用可能、安全性にも配慮
坂本 将磨

監修者プロフィール

坂本 将磨

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Microsoft MVP・AIパートナー。LinkX Japan株式会社 代表取締役。東京工業大学大学院にて自然言語処理・金融工学を研究。NHK放送技術研究所でAI・ブロックチェーンの研究開発に従事し、国際学会・ジャーナルでの発表多数。経営情報学会 優秀賞受賞。シンガポールでWeb3企業を創業後、現在は企業向けAI導入・DX推進を支援。


OpenAIから新たに「o4-mini」が登場しました。フラッグシップモデル「o3」とは別に、より「速く」「安く」使えるモデルとして注目されていますが、「具体的に何が違うの?」「どんな時に役立つの?」と疑問に思う方も多いでしょう。
AIの選択肢が増える中で、それぞれのモデルの特性を理解し、目的に合わせて使い分けることが重要になっています。

本記事では、この最新の小型モデル「OpenAI o4-mini」について、基礎から応用までを徹底的に解説します。
o4-miniの主な特徴、o3との違い、具体的な活用シーン、安全性への取り組み、そして使い方まで、幅広く網羅的に説明します。

o4-miniとは

o4-miniの実際の選択画面
o4-miniの実際の選択画面

o4-miniは、OpenAIが開発した最新の小型AIモデルで、高速な応答コストの安さに特化しています。

これまでの高性能モデル「o3」とは少し立ち位置が異なり、
もっと手軽に使いたいユーザーやアプリ向けに、軽量で実用的な設計がされています。

特徴まとめ

  • 高速な推論(AIの考えるスピードが速い)
  • コスト効率が高い(使っても安い)
  • 小型でも高性能(特に数式処理・コード生成・画像処理に強い)

o3-mini」の後継モデルとして登場し、速度・価格・性能のバランスがさらに洗練されました。
そのため、日常的なAI活用や、ビジネス用途でも導入しやすい次世代の軽量AIモデルとして注目されています。

o4-mini-highとは

o4-mini-highも同様に公開されましたが、これはminiを高速で動作させるモデルです。
また、推論機能が最大限に上がっているので画像での推論やコーディングに適しています。


o4-miniの使い方と料金体系

o4-miniは、無料でも一部機能を試せる、手軽で高性能なAIモデルです。
ここでは、ChatGPTでの使い方とAPI利用時の料金について、わかりやすく紹介します。

以下のように、構成を少し整理しながら、誰にでもわかりやすく読みやすい表現にリライトしました👇


o4-miniの使い方と料金のしくみ

o4-miniは、無料でも一部機能を試せる、手軽で高性能なAIモデルです。
ここでは、ChatGPTでの使い方とAPI利用時の料金について、わかりやすく紹介します。

✅ 無料プランのユーザー

ChatGPTの 文章作成画面(Composer) で、「Think」というオプションを選ぶと、o4-miniの試用が可能です。
機能制限はありますが、動作の速さや精度の高さを体験できます。

✅ 有料プラン(Plus / Pro / Team プランのユーザー)

ChatGPTの画面でモデルを選ぶメニューから「o4-mini」を選ぶだけで使えます。
(これまで使われていた「o3-mini」などは、自動で置き換わります)

📷 モデル選択画面
o4miniの利用画面

✅ Enterprise / 教育機関向け(Edu)ユーザー

近日中に利用可能になる予定です。

APIでの利用と料金

開発者向けには、Chat Completions APIResponses API を通じて o4-mini を使えます。
(※組織による利用には、事前確認が必要な場合があります)

🔧 Responses APIでは今後、思考プロセスの一部を保持してパフォーマンスを上げる新機能なども提供される予定です。


💰 利用料金(API経由)

項目 料金(100万トークンあたり)
入力 $1.10(約165円)
キャッシュ入力 $0.275(約41円)
出力 $4.40(約660円)
  • 「入力」はユーザーからのプロンプト(指示文)
  • 「出力」はAIの返答部分
  • 「キャッシュ入力」は過去のやりとりの再利用部分で割安になります

【関連記事】
【OpenAI】Responses APIとは?AgentSDKとの関係、使い方、料金をご紹介


利用プランごとのレート制限(利用上限)は、以前のモデルセットから変更されていません。詳細な利用条件や料金については、OpenAIの公式ドキュメントをご確認ください。

Azure・GitHub Copilotでの利用も開始!

Microsoft Azureが提供するAzure OpenAI Serviceでも、o4-miniモデルが利用可能です。

AOAI o4-mini

参考:GitHub

o4-miniの主な特徴

o4-miniの特徴
o4-miniの特徴

o4-miniは、単なる小型版モデルではなく、パフォーマンスと効率性を高いレベルで両立させた、実用性に優れたAIモデルです。その主な特徴を3つの側面から見ていきましょう。

1.高速性と効率的な設計

o4-miniは、AIが答えを出すまでの「考える時間(=推論)」がとても速いのが特長です。
このため、リアルタイムでの対話や応答が快適で、ストレスなく使えます。

しかも、軽量な設計なので、使うコストも安く抑えられるというメリットもあります。
開発者にとっては、低コストで高性能なAIアプリを作りやすく、
個人ユーザーも手軽に試せるAIとなっています。

2.性能面での進化 (o3-mini比較)

o4-miniは、旧モデル「o3-mini」の後継として、性能面でも着実な進化を遂げています。単に高速・低コストなだけでなく、多様なタスクに対応できる能力を獲得しました。

OpenAIの発表や専門家の評価によると、o4-miniは、o3-miniが得意としていた数学やコーディング分野だけでなく、

  • STEM(科学・技術・工学・数学)以外のタスク
  • データサイエンス分野

など、より幅広い領域においてもo3-miniを上回る結果を示しています。これは、o4-miniが単なる特定タスク特化型ではなく、より汎用性の高いモデルへと進化し、多様なニーズに応えられるようになったことを意味します。
(得意分野のベンチマーク結果は後述の「o4-miniのベンチマーク性能」セクションで詳述します。)

3.優れた画像推論能力

テキストだけでなく、画像やグラフなどの視覚情報を理解し、それに基づいて推論するマルチモーダル能力も、o4-miniの重要な特徴の一つです。

単に画像の内容を認識するだけでなく、画像に関する質問に答えたり、グラフから情報を読み取ったり、テキストと画像を組み合わせてより複雑なタスクを処理したりすることが可能です。

この能力により、o4-miniはデータ分析の可視化、教育コンテンツの作成、視覚的な情報検索など、より多様な応用が期待できます。この視覚・マルチモーダル能力に関する客観的な性能評価も、後述のベンチマークセクションで確認できます

4.優れたコストパフォーマンス (o3-mini比較)

o4-miniは、コスト効率の面でも旧モデルから大きな改善が見られます。高性能なAIをより多くのユーザーが経済的に利用できるように、コストパフォーマンスが追求されています。

AIMEやGPQAといったベンチマークにおけるコストパフォーマンス比較では、o4-miniは旧モデルのo3-miniよりも厳密に優れたコストパフォーマンスフロンティアを示しています。これは、同じコストをかけた場合、o4-miniの方がより高い性能を発揮し、また同じ性能レベルであれば、o4-miniの方がより低いコストで達成できることを意味します。

o3-miniとo4-miniのコストパフォーマンス比
図:AIME 2025 (左) と GPQA Pass@1 (右) におけるコスト対性能比較。o4-miniは旧モデルo3-miniと比較して、より優れたコストパフォーマンスフロンティア(同じコストでより高い性能、または同じ性能をより低コストで実現)を示している (出典: OpenAI Blog)

デメリット・利用時の注意点

ハルシネーション
ハルシネーション:参考:システムカード

システムカードによると、o4-miniは他のo3やo1に比べてハルシネーションが出やすい傾向にあります。
小型モデルであることも踏まえ、この点は理解しておく必要があります。

実際に性能を確認してみましょう

  1. まずは、ChatGPTにログインして「o4-mini」を選択します。

  2. 以下の画像のようにo4-mini-highに画像を添付して、理解できるか行ってみました。

画像の認識2
画像の認識2(o4-mini-high)

内容を認識して、しっかりと答えられていますね。

  1. o4-miniでは「ではこの画像はどこでしょうか」と聞いてみました。

画像の認識
画像の認識(o4-mini)

こちらは、直島の地中美術館に設置されたジェームズ・タレルの作品《Open Sky》(オープン・スカイ)です。
白いコンクリートの空間に四角い天井開口部が設けられ、刻一刻と変化する自然光と空の色彩を取り込むスカイスペースとなっています。

o3ほどの回答ではありませんがこちらもしっかりと答えられていますね。

o3でも試してますのでぜひご覧ください!
【関連記事】
OpenAI o3(ChatGPT o3)とは?特徴や料金体系、o4-miniについて解説!


o4-miniのベンチマーク性能

o4-miniの高い能力は、様々な客観的なベンチマークテストの結果によって裏付けられています。特に得意とされる分野での性能を見ていきましょう。

数学能力 (AIMEベンチマークなど)

o4-miniは数学的能力において非常に高い評価を得ています。

主要ベンチマークにおけるo4-miniの性能t
図:AIMEやGPQAなどの主要ベンチマーク結果。o4-miniは特にAIME(数学)で高い精度を示している (出典: OpenAI Blog)

  • AIME (American Invitational Mathematics Examination):
    高校生向けの難関数学コンペティションにおいて、o4-miniは2024年版で93.4%、2025年版で92.7%という驚異的な精度を記録。これは、比較対象のo3を含む他のモデルをも上回る最高レベルのパフォーマンスです。

  • GPQA Diamond:
    博士レベルの科学問題においても、o4-miniは81.4%と、小型モデルながら高い精度を示しています。

コーディング能力

コーディング関連タスクにおいても、o4-miniは実用的な性能を発揮します。

コーディング関連ベンチマークにおけるo4-mini-highの性
図:SWE-Bench (上段) や Aider Polyglot (下) などコーディング関連ベンチマークの結果。o4-miniは実世界のソフトウェアエンジニアリングタスクやコード編集においても高い性能を発揮する (出典: OpenAI Blog)

  • SWE-Bench: 実世界のソフトウェアエンジニアリング問題において、68.1%の精度を達成。

  • Aider Polyglot: 多言語でのコード編集能力においても、68.9%(全体)の精度を示しています。

これらの結果は、o4-miniがコーディング支援ツールとしても十分に活用できるレベルにあることを示しています。

視覚・マルチモーダル能力

画像やグラフを含む視覚情報の処理能力も、o4-miniの強みの一つです。

マルチモーダル(視覚)関連ベンチマークにおけるo4-miniの性能
図:MMMU (左)、MathVista (中央)、ChartXiv (右) の結果。o4-miniは、大学レベルの視覚問題解決やグラフ読解など、複雑な視覚タスクでも高性能を発揮する (出典: OpenAI Blog)

  • MMMU (College-level visual problem-solving): 大学レベルの視覚的な問題解決能力を測るベンチマークで、81.6%の精度を達成。

  • MathVista (Visual Math Reasoning): 図やグラフを用いた数学的な推論能力において、84.3%の高い精度。

  • ChartXiv (Scientific Figure Reasoning): 科学論文中の図表(グラフ)を解釈し推論する能力において、72.0%の精度。


これらの結果から、o4-miniがテキストと視覚情報を組み合わせて扱うマルチモーダルタスクにおいても高い能力を持つことがわかります。

指示追従能力

複雑な指示を理解し、それに従ってタスクを実行する能力も備えています。

指示追従ベンチマークにおけるo4-miniの性能
図:Scale MultiChallenge (左) の結果。o4-miniはマルチターンの複雑な指示追従タスクにおいても、実用的な性能レベルを持つ (出典: OpenAI Blog)

  • Scale MultiChallenge:
    複数ターンにわたる複雑な指示を正確に実行する能力において、42.99%の精度を示しました。これはo3には及ばないものの、実用的なレベルと言えます。

o4-miniを選ぶメリット:どのような場面で役立つのか?

o4-miniの持つ特徴は、具体的な利用シーンにおいて大きなメリットとなります。どのような場面でo4-miniが特に役立つのかを見ていきましょう。

大量処理を可能にする高い利用制限とスループット

o4-miniの重要な利点の一つが、その「効率性」によって、フラッグシップモデルのo3と比較して「大幅に高い使用制限をサポート」している点です。

これは、以下のようなケースで非常に有効です。

  • 多数のユーザーが利用するサービス: 一度に多くのリクエストを処理する必要があるWebサービスやアプリケーション。
  • 大量のタスク自動化: 大量のテキスト生成、データ処理、定型的な問い合わせ応答など。


o4-miniは、「推論の恩恵を受ける質問に対して強力な大量、高スループットのオプション」と位置づけられており、AIを活用した大規模な処理やサービス展開を検討する際に、有力な選択肢となります。

性能とコストのバランスが良い「コストパフォーマンス」

高いパフォーマンスを維持しながらも、利用コストが抑えられている点は、o4-miniの大きな魅力です。

  • 予算を抑えたいプロジェクト: スタートアップ企業や個人開発者など、限られた予算内で高性能なAIを利用したい場合に最適です。
  • 費用対効果を重視する場合: 大規模な導入において、運用コストを最適化したい企業にとってもメリットがあります。


o4-miniは、コストを理由に高性能AIの導入をためらっていた層にとっても、AI活用のハードルを下げる存在と言えるでしょう。

リアルタイム性が求められる場面での「応答速度」

o4-mini高速推論能力は、応答速度が重要となるアプリケーションでその真価を発揮します。

  • インタラクティブなチャットボット: ユーザーとの自然でスムーズな会話を実現します。
  • リアルタイム情報処理ツール: 素早い分析や応答が必要なツール開発に貢献します。
  • コーディング支援: コード補完や簡単なコード生成が迅速に行われ、開発効率が向上します。


ユーザー体験の向上や業務効率化において、AIの応答速度は重要な要素であり、o4-miniはこの点で大きなアドバンテージを持っています。


フラッグシップモデル「o3」との違いは?

o4-miniの特徴をより深く理解するために、同時に発表されたフラッグシップモデル「o3」との主な違いを比較してみましょう。

特徴項目 OpenAI o3 OpenAI o4-mini
主な位置づけ 最も強力・高性能な推論モデル 高速・コスト効率に優れた小型モデル
得意分野 複雑な分析、高度な研究、最先端タスク (※1) 数学、コーディング、ビジュアルタスク、大量処理 (※2)
適した用途 答えがすぐに見つからない問題解決、高度な思考支援 日常的なタスク、高速応答、コスト重視、大量処理
パフォーマンス 最高レベル サイズ・コスト比で非常に高い
利用制限 標準的 o3より大幅に高い(制限が緩い)
コスト o4-miniより高価 o3より安価

(※1) コーディング、数学、科学、視覚タスクなどで最高性能を目指す
(※2) サイズ・コスト比で優れた性能を発揮し、AIMEベンチマーク等で高評価


このように、o3は最高のパフォーマンスを求めるユーザーや、複雑で高度なタスクに取り組む場合に最適な選択肢です。
一方、o4-mini速度コスト効率、そして大量処理能力をバランス良く備え、より幅広い実用的なシーンでの活躍が期待されるモデルと言えます。

安全性への取り組みについて

AIの能力向上には、それに伴う安全性の確保が不可欠です。OpenAIは、o4-mini(およびo3)の開発において、安全性を非常に重視しています。

  • 安全トレーニングデータの再構築:
    バイオリスク、マルウェア生成、ジェイルブレイク(意図しない挙動を引き出す試み)といった潜在的なリスクに対応するため、トレーニングデータを全面的に見直されています。

  • 拒否能力の向上・システムレベルの緩和策:
    不適切または危険な指示に対して、適切に拒否する能力が強化されています。危険なプロンプトを検知し、フラグを立てるためのシステム的な対策も開発されています。

  • 厳格な評価:
    OpenAIが定める安全性評価基準「Preparedness Framework」に基づき、生物学的・化学的脅威、サイバーセキュリティ、AI自己改善の3分野で評価が行われ、o4-miniは「高リスク」の閾値を下回っていると判断されました。


これらの取り組みにより、ユーザーがより安心してo4-miniを利用できる環境が整備されています。


まとめ

OpenAI o4-miniは、「高速」「高コスト効率」そして「高性能」を兼ね備えた、非常に実用的なAIモデルです。フラッグシップモデルo3がAIの最先端を切り拓く一方で、o4-miniはAI技術をより身近にし、その恩恵を多くのユーザーや開発者にもたらす可能性を秘めています。

特に、応答速度が求められるアプリケーション、コストを抑えつつAIを導入したいケース、大量のタスクを効率的に処理したい場面などで、o4-miniはその真価を発揮するでしょう。

AI技術の進化は止まることなく続いています。o4-miniが今後どのように活用され、私たちの生活やビジネスにどのような変化をもたらすのか、その展開から目が離せません。まずはChatGPTAPIを通じて、o4-miniパフォーマンスを体験してみてはいかがでしょうか。

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監修者
坂本 将磨

坂本 将磨

Microsoft MVP・AIパートナー。LinkX Japan株式会社 代表取締役。東京工業大学大学院にて自然言語処理・金融工学を研究。NHK放送技術研究所でAI・ブロックチェーンの研究開発に従事し、国際学会・ジャーナルでの発表多数。経営情報学会 優秀賞受賞。シンガポールでWeb3企業を創業後、現在は企業向けAI導入・DX推進を支援。

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