この記事のポイント
Runway Gen-4は、Runway社が開発した最新のAI動画生成モデル群で、「世界の一貫性」を実現
参照画像とプロンプトでキャラクターやオブジェクト、スタイルの一貫性を維持
物理法則のシミュレーション能力が向上し、よりダイナミックで自然な動きを表現
AIを活用した新しい視覚効果「GVFX (Generative Visual Effects)」機能を搭載
有料プランで利用可能、高品質な分Gen-3よりクレジット消費は多い

Microsoft MVP・AIパートナー。LinkX Japan株式会社 代表取締役。東京工業大学大学院にて自然言語処理・金融工学を研究。NHK放送技術研究所でAI・ブロックチェーンの研究開発に従事し、国際学会・ジャーナルでの発表多数。経営情報学会 優秀賞受賞。シンガポールでWeb3企業を創業後、現在は企業向けAI導入・DX推進を支援。
AI動画生成ツールは数多く登場していますが、「作った動画のキャラクターが途中で変わってしまう」「思い通りの動きやスタイルにならない」といった一貫性や制御性の問題に悩んでいませんか?
これまでのAI動画生成の限界を突破し、より本格的な映像制作を可能にするツールとして、Runway社が最新モデル「Runway Gen-4」を発表しました。
本記事では、この革新的なAI動画生成モデル「Runway Gen-4」について、その全貌を徹底的に解説します。
Gen-4の驚くべき新機能、旧モデルや他のツールとの比較、料金体系、そして具体的な使い方まで、詳細かつ網羅的に説明します。
目次
一貫したキャラクター生成 (Consistent Characters)
一貫したオブジェクト生成 (Consistent Objects)
高品質でダイナミックな動画生成 (Production-Ready Video)
新しい視覚効果 (GVFX - Generative Visual Effects)
Runway Gen-3 Alpha/TurboとGen-4の主な違い
Runway Gen-4とは?
Runway Gen-4は、AI研究企業であるRunway社が開発した、最新世代のAI動画生成モデル群です。テキストや画像から高品質な動画を生成する能力を持ち、特に**「世界の一貫性 (World Consistency)」**の実現に重点が置かれています。
これにより、生成される動画内のキャラクターやオブジェクト、背景などが、シーンを通して破綻なく一貫性を保つことが可能になりました。
Monkey see, monkey do. A music video generated entirely with Gen-4. pic.twitter.com/QVwp6HvDoX
— Runway (@runwayml) April 1, 2025
これまでのAI動画生成の課題であった一貫性の問題を大きく改善し、よりリアルで制御可能な動画制作を実現するモデルとして期待されています。
Runway Gen-4の驚くべき新機能と性能向上
Runway Gen-4は、前モデルであるGen-3 Alphaと比較して、機能面・性能面で目覚ましい進化を遂げています。
ここでは、Gen-4が誇る主要な新機能と性能向上について、具体的に解説します。これらの進化点が、Gen-4を次世代のAI動画生成モデルたらしめている理由です。
一貫したキャラクター生成 (Consistent Characters)
Gen-4は、「Consistent Characters」と呼ばれる能力により、特に人物(キャラクター)の一貫性を保つことに優れています。
これは、映像作品などで登場人物がシーンごとに異なって見えるといった問題を解決するための重要な機能です。
特筆すべきは、たった一枚の参照画像を使用するだけで、そのキャラクターの特徴を捉え、一貫性を維持できる点です。
そのキャラクターを、**無限とも言えるほど多様な照明条件、異なる場所、あるいは様々な処理(例えば、特定のアートスタイルへの変換など)**で登場させても、元の参照画像から受け継いだ外見的な一貫性を保ったまま生成することが可能です。
一貫したオブジェクト生成 (Consistent Objects)
キャラクターだけでなく、映像や画像に登場する特定のオブジェクト(物体)や被写体についても、**「Consistent Objects」**機能によって、様々な状況でその見た目やスタイルの一貫性を維持することができます。
- 柔軟な配置と一貫性の保証:
ユーザーが必要とする任意のオブジェクトや被写体を、指定した場所や条件下で、その一貫性を保ちながら生成・配置できます。
- 実用的な応用例:
長編の物語コンテンツにおいて、ストーリー上で重要な意味を持つ小道具などを、シーンが変わっても同じものとして認識できるように表示する。
**商品写真(プロダクトショット)**の生成において、特定の商品を様々な背景や状況設定の中で、常に同じデザイン・質感で見せる。
この機能は、環境全体を通して特定の要素を繰り返し、かつ安定して登場させる必要がある場合に非常に有効であり、コンテンツの説得力やブランドイメージの維持に貢献します。
多様なアングル生成 (Coverage)
**「Coverage」**は、映像制作の現場で「カバレッジ撮影」と呼ばれる、一つのシーンを様々なアングルやショットサイズで撮影し、編集に必要な素材を確保する作業を、AIで効率化することを目指したワークフローです。
高品質でダイナミックな動画生成 (Production-Ready Video)
Gen-4は、動画生成における品質と言語理解において新たな基準を打ち立て、**「Production-Ready Video」**と呼べるレベルを目指しています。
- 品質の特徴:
- ダイナミックな動き: 非常に躍動的でリアルな動きを持つ動画を生成する能力に優れています。
- 要素の一貫性: 被写体、オブジェクト、スタイルの一貫性を保ちます。
- 優れたプロンプト遵守: ユーザーのテキスト指示を正確に反映します。
- 高度な世界理解: クラス最高レベルの世界(シーンや状況)に対する理解能力を備えています。
物理法則のシミュレーション (Physics)
Gen-4のリアルな動きの実現には、物理法則(Physics)を理解し、シミュレートする能力が向上したことが大きく貢献しています。これは単に映像表現が向上しただけでなく、より深い意味合いを持っています。
-
現実世界の理解への前進:
Runway社は、Gen-4を**「世界を理解する、汎用的なAIモデル(Universal Generative Models)に向けた一歩」**と位置づけています。
つまり、特定のタスクだけでなく、より根本的に現実世界の仕組み(物理法則を含む)を理解し、再現できるAIの開発を目指す上で、Gen-4の物理シミュレーション能力の向上は重要なステップである、という考え方です。
-
技術的な節目:
公式には「Runway Gen-4は、視覚生成モデルが現実世界の物理法則をシミュレートする能力において、**重要な節目(Significant milestone)**を示している」と述べられています。
これにより、生成される物体の動きや相互作用がより自然で説得力を持つものとなり、映像全体のリアリティ向上に繋がっています。
このように、Gen-4における物理シミュレーション能力の強化は、動画のリアリティを高めるだけでなく、AIが現実世界をより深く理解していくための技術的な進歩としても捉えられています。
Universal Generative Modelsのイメージ
新しい視覚効果 (GVFX - Generative Visual Effects)
Gen-4には**「GVFX (Generative Visual Effects)」**という、AIを活用した新しいタイプの視覚効果機能群が導入されています。
- GVFXの特徴:
- 高速 (Fast): 迅速な処理を目指します。
- 制御可能 (Controllable): ユーザーがある程度の結果をコントロールできることを目指します。
- 柔軟 (Flexible): 様々な用途に対応できる柔軟性を提供します。
- 連携能力:
GVFXは、実写映像、アニメーション、あるいは既存のVFXワークフローによって作られたコンテンツともシームレスに連携できるように設計されています。
GVFXのイメージ
Runway Gen-3 Alpha/TurboとGen-4の主な違い
Runway Gen-4の登場により、既存のRuwayGen-3 AlphaやGen-3 Alpha Turbo(以下、まとめてGen-3と表記する場合あり)との違いが気になる方も多いでしょう。
ここでは、Gen-4がGen-3からどのように進化したのか、主要な項目で比較し、その違いを明確にします。アップグレードを検討している方や、どちらのモデルを使うべきか迷っている方の参考になれば幸いです。
【Gen-3 vs Gen-4比較表】
まずは、Gen-3 Alpha TurboとGen-4の主な違いを表形式でまとめました。
項目 | Runway Gen-3 Alpha Turbo | Runway Gen-4 | 主な進化点 |
---|---|---|---|
リリース時期 | 2024年 | 2025年3月 | 新世代モデル |
最大の特徴 | 速度と品質のバランス | World Consistency (世界の一貫性) | キャラクターやスタイルの維持能力が格段に向上 |
映像の忠実度 | 良好 | 大幅に向上 | より高精細、リアルなディテール表現 |
動きの自然さ | 良好 | 大幅に向上 | より滑らかで物理的に自然な動き |
制御性 | テキスト、画像での制御が可能 | 強化 (特に画像参照) | プロンプト解釈精度、画像指示の精度が向上 |
一貫性 | 限定的 | 大幅に向上 | シーンを通して要素を維持する能力 |
GVFX機能 | なし | 搭載 | AIを活用した新しい視覚効果 |
クレジット消費(5秒) | 5 クレジット | 60 クレジット | より高品質な分、消費クレジットは多い |
クレジット消費(10秒) | 10 クレジット | 120 クレジット | より高品質な分、消費クレジットは多い |
利用可能プラン | 全プラン (無料プラン含む) | 有料プランのみ | Standard, Pro, Unlimited, Enterprise |
生成品質 (一貫性、忠実度、動き) の比較
生成される動画の品質において、特に以下の点でGen-4はGen-3から大きく飛躍しました。
-
「一貫性」
Gen-3でも短いクリップであればある程度の一貫性は保てましたが、Gen-4の「World Consistency」機能により、キャラクターの容姿、服装、背景美術、全体的なスタイルなどが、より長い時間軸や異なるショット間でも維持されやすくなりました。
-
忠実度
Gen-4はGen-3よりも高精細で、ディテールの再現性が向上しています。肌の質感、髪の毛一本一本、風景の細部などがよりリアルに描かれます。
-
動きの自然さ
Gen-3では時折見られた不自然な動きや歪みが減少し、物理法則に則った滑らかなアニメーションが生成されます。
全体として、Gen-4はより「本物らしい」と感じられる映像を作り出す能力に長けています。
制御性とプロンプト遵守能力の比較
ユーザーが意図した通りの動画を生成するための制御性とプロンプト遵守能力も、Gen-4で強化された重要なポイントです。
Gen-3もテキストや画像による制御が可能でしたが、Gen-4では特に参照画像を用いた制御の精度と柔軟性が向上しています。指定した画像のキャラクター、スタイル、構図などを、より忠実に動画内に反映させることができます。
また、テキストプロンプトの解釈能力も向上しており、より複雑でニュアンスを含んだ指示にも応えやすくなっています。
「特定のキャラクターに特定の表情をさせながら、特定の動きをさせる」といった、複合的な要求に対する精度が上がっていると考えられます。
これにより、より細かなディレクションをAIに与え、狙い通りの映像表現を追求しやすくなりました。
アップグレードする価値はある?Gen-4を選ぶべき理由
Gen-4はGen-3と比較して、クレジット消費量が多く、利用できるのが有料プランのみという制約があります。それでもGen-4を選ぶべき理由は、やはりその圧倒的な品質と制御性の向上にあります。
以下のようなケースでは、Gen-4へのアップグレードや利用を強く推奨します。
- キャラクターや世界観の一貫性が重要な映像制作: 物語性のあるショートフィルム、アニメーション、特定のブランドイメージに基づいた広告動画など。
- より高いレベルのリアリティや映像美を求める場合: 実写に近いクオリティや、細部まで作り込まれたアートワークが必要なプロジェクト。
- 参照画像を使って特定の要素を正確に再現したい場合: 既存のキャラクターやデザインを動画化したい、特定のスタイルを維持したいなど。
- 最新のAI動画生成技術を試したい、活用したい場合: 最先端の技術動向を把握し、自身のクリエイティブワークに取り入れたい方。
一方で、簡単なGIFアニメーションの作成や、アイデア出しのためのラフな動画生成、あるいはコストを最優先したい場合は、Gen-3 Alpha Turboでも十分な場合があります。目的と予算に応じて最適なモデルを選択することが重要です。
Runway Gen-4の料金
2025年4月現在、Runway Gen-4は以下の有料プランで利用可能です。料金は月払いと年払い(月額換算で割引あり)が選択できます。
特徴 | Standardプラン | Proプラン | Unlimitedプラン |
---|---|---|---|
料金 (月払い) | $15 | $35 | $95 |
料金 (年払い) | 月額 $12 (年間 $144) | 月額 $28 (年間 $336) | 月額 $76 (年間 $912) |
付与クレジット | 毎月 625 クレジット | 毎月 2250 クレジット | 毎月 2250 クレジット (Credits Mode用) |
Gen-4利用方法 | クレジットを消費 | クレジットを消費 | Explore Mode: 回数無制限 (速度制限あり) Credits Mode: クレジットを消費 |
Gen-4クレジット消費 | 5秒: 60クレジット 10秒: 120クレジット |
5秒: 60クレジット 10秒: 120クレジット |
5秒: 60クレジット 10秒: 120クレジット (Credits Mode時) |
Gen-4生成可能時間 (目安) | 月 約52秒 (Credits Mode) | 月 約187秒 (Credits Mode) | 月 約187秒 (Credits Mode) + Explore Mode無制限 |
主な特徴/対象 | ・個人ユーザー ・低頻度利用 ・お試し |
・個人クリエイター ・小規模チーム ・定常的な利用 |
・プロフェッショナル ・大量生成 ・試行錯誤重視 ・Explore Modeが重要 |
クレジット繰越 | 不可 | 不可 | 不可 |
無料プラン (Basic) ではGen-4を使える?
残念ながら、現時点(2025年4月)で無料のBasicプランではRunway Gen-4を利用することはできません。BasicプランはRunwayの基本的な機能を試すためのもので、Gen-1, Gen-2, Gen-3 Alpha Turboなどの旧モデルは限定的に利用できますが、最新のGen-4は有料プラン限定の機能となっています。
Gen-4を試したい場合は、最低でもStandardプランへの加入が必要です。まずはStandardプランで使い勝手や品質を確認し、必要に応じて上位プランへのアップグレードを検討するのが良いでしょう。
Gen-4のクレジット消費量 (5秒/10秒動画あたり)
Runway Gen-4の動画生成には、以下のクレジットが必要となります。これは、Gen-3 Alpha Turboと比較すると大幅に多い消費量です。高品質な生成には相応の計算コストがかかるためと考えられます。
- 5秒間の動画生成: 60 クレジット
- 10秒間の動画生成: 120 クレジット
例えば、Standardプラン(月625クレジット)の場合、10秒のGen-4動画を月に5本(120クレジット x 5 = 600クレジット)生成できる計算になります。Proプラン(月2250クレジット)なら、10秒動画を月に18本(120クレジット x 18 = 2160クレジット)程度生成可能です。UnlimitedプランのExplore Modeを利用すれば、クレジット消費を気にせず生成できますが、速度面でのトレードオフがあります。
コストパフォーマンスを考える:最適なプランの選び方
どのプランが最適かは、あなたのGen-4利用頻度、必要な動画生成量、そして予算によって異なります。
- お試し・低頻度利用:
まずはStandardプランから始めるのがおすすめです。月額料金も比較的安価で、Gen-4の品質や使い勝手を体験するには十分なクレジット量です。
- 定常的な利用・中程度の生成量:
月に数分程度のGen-4動画をコンスタントに生成したい場合は、Proプランが適しています。Standardプランよりもクレジット単価が割安になります。
- 大量生成・プロフェッショナル利用:
クレジット消費を気にせず、大量の動画生成や試行錯誤を行いたい場合は、Unlimitedプランが唯一の選択肢となります。Explore Modeによる無制限生成は大きな魅力です。
年払いにすると月額料金が割引されるため、長期的に利用する予定であれば年払いがお得です。ご自身のワークフローと照らし合わせ、最適なプランを選択してください。
Runway Gen-4の使い方
Runway Gen-4は、その高度な機能にもかかわらず、比較的直感的に使えるように設計されています。ここでは、Gen-4にアクセスし、基本的なImage-to-Video機能を使って動画を生成する手順と、より良い結果を得るためのコツを解説します。
Gen-4へのアクセス方法
Runway Gen-4を利用するには、まずRunwayアカウントにログインし、有料プラン(Standard, Pro, Unlimited, Enterprise)に加入している必要があります。
- Runwayにログイン: WebブラウザからRunway公式サイトにアクセスし、アカウントにログインします。
- AI Magic Toolsへ移動: ダッシュボードなどから「AI Magic Tools」セクションを探します。
- Generate Videosを選択: 動画生成関連のツールの中から「Generate Videos」やそれに類する項目を選択します。
- Gen-4を選択:
動画生成インターフェース内で、使用するモデルを選択するオプションが表示されます。
ここで**「Gen-4」**を選択してください。(もしGen-4の選択肢が表示されない場合は、まだアカウントに展開されていないか、プランが対応していない可能性があります。)
これでGen-4を使った動画生成の準備が整いました。
Image-to-Video機能の使い方
現在(2025年4月時点)、Gen-4で主に利用できるのはImage-to-Video(画像から動画を生成する)機能です。以下に基本的なステップを示します。
-
参照画像のアップロード: まず、動画の元となる静止画像(参照画像)をアップロードします。これは、動画に登場させたいキャラクター、オブジェクト、風景、あるいは特定のスタイルを示す画像です。
-
プロンプトの入力 (任意): テキストプロンプト入力欄に、生成したい動画の内容や動きに関する指示を入力します。例えば、「A cat walking slowly across a sunlit wooden floor (太陽光が差し込む木の床をゆっくり歩く猫)」のように具体的に記述します。プロンプトは任意ですが、より意図通りの動画を生成するために推奨されます。
-
パラメータの設定:
- Motion (動きの量): 生成される動画内の動きの大きさを調整します。値が大きいほどダイナミックな動きになります。
- Seed (シード値): 生成結果を再現するための値です。同じシード値を使えば、同じような結果を得やすくなります。
- Upscale (アップスケール): 生成後に解像度を高めるかどうかを選択します(追加クレジットが必要な場合があります)。
- Remove Watermark (ウォーターマーク除去): 有料プランでは通常オンになっています。
- Duration (動画の長さ): 5秒または10秒を選択します。
-
生成の実行: 設定が完了したら、「Generate」ボタンをクリックします。生成には数十秒から数分程度の時間がかかります。
-
結果の確認とダウンロード: 生成が完了すると、プレビューが表示されます。結果が良ければ、動画ファイルをダウンロードできます。気に入らない場合は、パラメータやプロンプトを調整して再生成します。
効果的なプロンプト作成のヒント
Gen-4の制御性を最大限に引き出すには、効果的なプロンプト作成が重要です。
-
具体的に記述する:
「A man walking (歩く男)」よりも「A photorealistic shot of a man with a backpack walking quickly on a busy city street during daytime (昼間の混雑した街の通りをバックパックを背負った男性が早足で歩く写実的なショット)」のように、被写体、行動、場所、時間帯、スタイルなどを具体的に記述します。
-
動きを明確にする:
「Slow motion (スローモーション)」「Fast zoom in (高速ズームイン)」「Camera panning left (カメラが左にパンする)」など、カメラワークや動きの種類を明確に指示します。 -
スタイルを指定する:
「Cinematic lighting (映画的な照明)」「Anime style (アニメスタイル)」「Watercolor painting (水彩画)」のように、希望する映像のスタイルや雰囲気を指定します。
-
簡潔さを心がける:
具体性は重要ですが、冗長すぎるとAIが混乱する可能性もあります。重要な要素を的確に伝えることを意識しましょう。
-
英語での入力を推奨:
Runwayは主に英語で開発されているため、現時点では英語のプロンプトの方がより高い精度で解釈される傾向があります。
より高品質な動画を生成するためのTips
プロンプトだけでなく、以下の点も意識すると、より高品質なGen-4動画を生成しやすくなります。
- 高品質な参照画像を使用する:
Image-to-Video機能では、参照画像の品質が生成結果に大きく影響します。ノイズが少なく、被写体がクリアで、意図するスタイルや構図が明確な画像を選びましょう。
- 参照画像とプロンプトを組み合わせる:
最も効果的なのは、高品質な参照画像と、その画像を補足・拡張する具体的なプロンプトを組み合わせることです。画像でスタイルや被写体を指定し、プロンプトで動きや状況を指示する、といった使い分けが有効です。
- Motion (動きの量) を調整する:
最初は中程度のMotion値で試し、結果を見ながら調整するのがおすすめです。動きが少なすぎる場合は値を上げ、逆に不自然に歪む場合は値を下げてみましょう。
- 試行錯誤を繰り返す:
AI生成は常に完璧な結果が一発で得られるとは限りません。プロンプトの言い回しを変えたり、参照画像を変えたり、パラメータを調整したりしながら、理想の結果に近づけていくプロセスが重要です。UnlimitedプランのExplore Modeは、この試行錯誤に適しています。
Runway Gen-4と他の主要AI動画生成ツールを比較 (Sora, Pikaなど)
Runway Gen-4は非常に強力なAI動画生成ツールですが、市場には他にも注目すべきツールが存在します。ここでは、特に話題となっているOpenAIの「Sora」や、広く利用されている「Pika」と比較し、それぞれの特徴、強み、弱みを整理します。
ツール選びの参考にしてください。(他にもGoogle Veo, Stable Video Diffusion, Klingなど様々なツールが登場しています。)
【比較表】Runway Gen-4 vs Sora vs Pika:機能・品質・利用しやすさ
項目 | Runway Gen-4 | OpenAI Sora | Pika (Pika Labs) |
---|---|---|---|
開発元 | Runway | OpenAI | Pika Labs |
リリース状況 | 一般公開 (有料プラン) | 一般公開 (ChatGPT Plus/Pro) | 一般公開 (無料/有料プラン) |
主な入力形式 | 画像+テキスト, テキスト | テキスト, 画像, 動画 | テキスト, 画像 |
生成品質 (忠実度) | 非常に高い | 非常に高い | 高い |
生成品質 (一貫性) | 非常に高い (World Consistency) | 非常に高い | 向上中 |
生成可能時間 | 最大10秒 (現時点) | 最大20秒 (プランによる) | 数秒〜十数秒 |
制御性 | 高い (画像参照が強力) | 非常に高い (多様な入力) | 比較的高い |
特徴的な機能 | World Consistency, GVFX | 高度な物理理解, 複数動画結合 | 多様なスタイル, 編集機能 |
利用料金 | 有料プラン必須 (月$12〜) | ChatGPT Plus/Pro必須 (月$20〜) | 無料プランあり, 有料プラン (月$8〜) |
利用しやすさ | Webインターフェース | Web (sora.com, 地域制限あり) | Web/Discordインターフェース |
Runway Gen-4の強みと弱み (他ツールと比較して)
Runway Gen-4の強み:
- World Consistency: 現時点で公開されているツールの中では、キャラクターやスタイルの一貫性を保つ能力が際立っています。
- 画像参照による高い制御性: 参照画像を使って特定の要素を維持・再現する能力が高いです。
- GVFX: AIを活用した新しいVFX機能が搭載されています。
- Runwayプラットフォームとの連携: Runwayの他のAIツールと連携しやすい可能性があります。
Runway Gen-4の弱み:
- クレジット消費量が多い: 高品質な分、他のツールと比較してコストがかかる傾向があります。
- 生成時間が短い (現時点): 最大10秒という生成時間は、Soraの最大20秒と比較すると短いです。
- 無料プランでは利用不可: 試用にも有料プランが必要です。
Sora (強み・弱み):
- 強み: 非常に高い生成品質(忠実度・一貫性)、最大20秒の生成、複雑なシーンや物理法則の理解度が高い、画像や動画からの生成・編集も可能。
- 弱み: 利用にはChatGPT Plus/Proへの加入が必須、利用可能地域が限定的、比較的高価なProプランでないと機能制限が大きい。
Pika (強み・弱み):
- 強み: 無料プランがあり手軽に試せる、多様なスタイルに対応、動画の拡張やアスペクト比変更などの編集機能も搭載、比較的低コストで利用可能。
- 弱み: Gen-4やSoraと比較すると、特に一貫性や物理的な正確さで劣る可能性があります。
ツール選びのポイント:目的に合ったAI動画生成ツールとは?
どのツールが最適かは、あなたの目的、予算、求める品質レベル、利用可能な地域によって異なります。
- 一貫性の高いストーリー動画や、特定のキャラクター・スタイルを維持したい → Runway Gen-4
World Consistency機能が強力。参照画像による制御も強み。
- 最高レベルの品質、長めの動画(最大20秒)、複雑なシーン生成を求める(予算と地域が合えば) → Sora
最高峰の品質と機能を持つが、利用条件を確認する必要あり。
- 手軽に試したい、多様なスタイルを試したい、コストを抑えたい → Pika
無料プランがあり導入しやすい。短いクリップや多様なスタイルの試作に。
- 既存のRunwayワークフローに組み込みたい → Runway Gen-4
他のRunwayツールとの連携を重視する場合。
複数のツールが存在するため、それぞれの特性を理解し、プロジェクトや目的に応じて最適なツールを選択、あるいは組み合わせて使用するのが現実的なアプローチとなるでしょう。
Runway Gen-4の活用事例とデモ・作例紹介
Runway Gen-4はリリースされたばかりですが、その驚異的な性能から、すでに多くのクリエイターや企業が注目し、様々な活用方法が模索されています。ここでは、SNSなどで見られる作例や評判についてご紹介します。
多様なスタイルの動画生成例
Gen-4のImage-to-Video機能を使えば、一枚の画像から様々なスタイルの動画を素早く生成できます。
例えば、あるユーザーは、Gen-4リリース直後に「驚異的」と述べ、わずか1時間で画像から4つの異なる動画を作成したと報告しました。
Well... things are getting even hotter in the AI video world. @runwayml did it again, and the new #Gen4 is nothing short of amazing. Here are a few shots I made in the last hour using image-to-video. pic.twitter.com/ybO4FJBSUs
— @alexgnewmedia (@alexgnewmedia) March 31, 2025
ファンタジー世界の情景描写
Gen-4は、特定の雰囲気や世界観を持つ、まるで絵画のような動画生成も得意としています。
美しい滝や緑の丘が広がるファンタジー風の世界を、鎧を着た人物が白い犬(狼)と共に歩く、牧歌的で美しい情景を描いた動画なども、Gen-4によって作成可能です。
Off to sleep to walk with my dream buddy in another world. 🌚
— ZOOT (@LittleTinRobot) April 1, 2025
Have a great day won’t you…
@runwayml #Gen4 pic.twitter.com/UeTTB4MxZg
他のAIモデルとの品質比較
Gen-4の性能は、他のAI動画生成モデルと比較することで、その特徴や優位性を客観的に把握できます。
例えば、雨に濡れたネオン輝くサイバーパンク風の都市を車が走行するという同一の複雑なシーンを、Gen-4、Gen-3、そしてKlingやPixVerseといった他の主要モデルでそれぞれ生成し、その結果を比較した動画が共有されています。
本日も、Runway Gen-4祭り開催。
— hello_ai_2025 (@hello_ai_2025) April 2, 2025
未来を感じる画像をどう料理するか!?
左から順番に、Runway Gen-4、Runway Gen-3、Kling 1.6 Pro、PixVerse V4です。@runwayml#Gen4 #runwayml #Runway #RunwayGen4 #AIVideo #動画生成AI #AIクリエイティブ #生成AI pic.twitter.com/t8AOobSNTI
こうした比較は、Gen-4の忠実度、動きの自然さ、光や反射の表現力、あるいは特定のスタイルにおける再現性などを、他の選択肢と並べて評価する上で参考になります。
まとめ
本記事では、最新のAI動画生成モデル「Runway Gen-4」について、その概要から主な新機能、料金プラン、使い方、他の主要ツールとの比較まで詳しく解説しました。Gen-4の最大の特徴は「世界の一貫性」と強化された「制御性」であり、参照画像とプロンプトを組み合わせることで、キャラクターやスタイルを一貫させつつ、より意図に沿った高品質な動画を生成できる点が革新的です。有料プランでの利用となりクレジット消費は考慮が必要ですが、その性能は映像制作の可能性を大きく広げます。クリエイターにとって、アイデアを効率的に視覚化し、新たな表現に挑戦するための強力なツールとなるでしょう。