この記事のポイント
- この記事は共栄火災海上保険におけるAIチャットボット「WisTalk」の導入事例に関して記述しています。
- AIチャットボット導入により、定型的な問い合わせへの対応を自動化し、作業負荷が大幅に軽減されました。
- 月間平均9100件の問い合わせ対応を実現し、問い合わせ内容も具体的になり、照会件数が約10%減少しました。
監修者プロフィール
坂本将磨
Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。
社内の問い合わせ対応における効率化は、多くの企業にとって重要な経営課題の一つです。本記事では、共栄火災海上保険がその課題にどのように取り組んでいるかを紹介します。同社がAIチャットボット「WisTalk」を導入した結果、営業担当者やサポートチームの負担が軽減され、さまざまな改善が実現されました。定型的な問い合わせへの自動化や、即時的な回答提供が可能になるなど、具体的な効果として月間平均9100件の利用という数字が示されています。この導入事例から、AI技術が業務プロセスの改善と効率化に与える影響について、詳しく解説していきます。
金融および保険業界に活用できるAIおよびDX導入事例をご紹介します。金融および保険業界では、自社金融機関内業務の効率性の向上の事例が多く報告されています。また、セキュリティが非常に重要であるため、Azure OpenAIでセキュリティを確保している特徴があります。AIの導入の活用法は、業界ごとに異なり、採用されるシステムも多様です。
この記事を通して 「導入アイデア・あなたに使えるサービス・導入のポイント」 の参考になれば幸いです。弊社ではAI導入の最初の窓口としてAI総合研究所を運営しています。導入のお悩みはご気軽に弊社にご相談ください。
【導入事例概要】
共栄火災
共栄火災海上保険は、社内問い合わせ対応の効率化を目的にAIチャットボット「WisTalk」を導入しました。これにより、定型的な問い合わせへの対応を自動化し、営業担当者と営業サポートグループの作業負荷を大幅に軽減することに成功しました。
【導入の背景】
共栄火災海上保険では
営業サポートグループへの多くの問い合わせが朝から晩まで続き、精神的な負担も大きいという課題がありました。そのため、定型的な問い合わせの自動化と、営業担当者の問い合わせ回答にかかる時間を減らしたいという社員からの要求がありました。
【元々の課題】
以前の共栄火災海上保険では1000人を超える問い合わせに対して担当者12人で対応していたという過酷な状況でした。
【解決策】
AIチャットボット「WisTalk」の導入により、社内ポータルサイトやウェブサイト上で最適な回答を即時に提供することができるようになりました。これにより、24時間体制の問い合わせ対応が可能となり、営業担当者とサポートチームの負担が軽減されました。
実際のWisTalkの画面
【効果】
WisTalkの導入後、月間平均9100件の利用があり、定型的な照会が全体の1%ほどに減少。これは、ユーザーが自ら調べて解決することが増えたためであり、問い合わせ内容も以前より具体的になりました。照会件数は約10%減少し、歓迎すべき効果を実現できました。
WisTalkの導入効果