この記事のポイント
- この記事は、ヨーロッパのネオバンクbunqがNVIDIAのAI技術を活用して詐欺検出システムを強化したことについて説明しています。
- AIによって詐欺検出のデータ処理速度とトレーニング速度が大幅に向上し、検出の精度が高まったと述べています。
- bunqではAIアシスタントFinnの精度向上のためにNVIDIAと協力しており、顧客体験の向上を目指していることがわかります。
- さらに、bunqはNVIDIA主催のAIサミットに参加し、金融業界におけるAI技術の最新動向を共有する機会を持っています。
監修者プロフィール
坂本 将磨
Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。
金融詐欺に対抗するため、ヨーロッパの革新的なネオバンクbunqが、NVIDIAのAI技術を活用した詐欺検出システムを大幅に強化したことを紹介します。
本記事では、その最新の取組みとして、詐欺検出能力の増強具体例や、顧客サービス向上のための技術革新について解説します。
また、AIアシスタントの精度向上や、金融業界でのAI応用の最前線に迫るイベントへの参加など、bunqがどのようにしてNVIDIAと共に技術進化をリードしているかに焦点を当てます。
フィンテック業界におけるAIの利用拡大とその効果に関心のある方にとって、価値ある情報が満載の内容となっております。
bunqのAI詐欺検出システムの大幅なアップグレード
欧州のネオバンクであるbunqが、詐欺検出システムを大きく強化しました。
NVIDIAのAI技術と高速なコンピューティング技術を組み合わせることで、データ処理速度を5倍以上に、詐欺検出モデルのトレーニング速度をほぼ100倍に向上させたのです。
この改善により、取引監視がより正確に行えるようになり、間違った警告(誤検知)の数も減少しています。bunqは、監視学習と非監視学習の両方を活用しており、これにより詐欺検出の精度が高まっているとされています。
AI技術の進歩は、顧客へのサービス向上にも貢献しており、身分証明書の検証など他の分野でもAIの利用が拡大しています。
bunqによるAIアシスタントFinnの精度改善とNVIDIAとの協力
bunqでは、AIアシスタントFinnの精度を高めるためにNVIDIA NeMo Retrieverのテストを行っています。
このテストからはすでに有望な結果が出ており、顧客体験を向上させるために、NVIDIAとの間で大規模言語モデルに関する協力を強化していることがわかります。
bunqは、AIを使って顧客サービスの質を高めることに加えて、マーケティング戦略分析にもAIを適用し、消費者エンゲージメントの改善を目指しています。
これらの取り組みは、bunqがいかにAIの可能性を活用し、顧客満足度の向上を図っているかを示しています。
NVIDIA主催のAIサミットにおけるbunqの参加
bunqは、今後アムステルダムで開催されるMoney20/20 EuropeでNVIDIAが主催するAIサミットに参加します。
このイベントでは、詐欺検出におけるAIの活用に関する洞察が共有される予定です。
NVIDIAはクラウドソリューション、産業オートメーション、ロボティクス、ヘルスケア技術など多岐にわたる分野でAI技術を進化させており、bunqもこのような技術を活用して金融業界における詐欺対策を強化していくことでしょう。
このようなイベントは、金融業界におけるAIの最新動向を学び、他の関係者と知識を共有する大きな機会となります。
出典:NVIDIA