この記事のポイント
- この記事はGoogle Analyticsの新機能について紹介しています。
- 新機能にはキーイベントの導入による顧客行動の統一的な測定などが含まれています。
- 広告ワークスペースにおけるコンバージョンの統一ビュー提供によりキャンペーンパフォーマンスの改善に貢献します。
- また、プライバシーサンドボックスのProtected Audience APIのサポートを展開することで、第三者クッキーがなくてもオーディエンスへのリーチが可能になります。
- エンハンスドコンバージョンによる同意済み第一者データの利用強化で分析の正確性が向上し、ユーザーの同意管理が容易になります。
監修者プロフィール
坂本 将磨
Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。
デジタルマーケティング分野における計測と分析は、常に進化し続けるテクノロジーと消費者のプライバシー意識の変化に適応する必要があります。この背景を受け、GoogleはGoogle Analyticsのキャンペーンパフォーマンス測定を一層洞察に富んだものにするための新機能を展開しました。本記事では、プライバシー第一の未来に対応することを目指し、進化を続けるGoogle Analyticsの新機能について解説し、キーイベントの導入や統一的な顧客行動の計測、Chromeのプライバシーサンドボックスとの連携などの最新アップデートをご紹介します。広告運用者やマーケターは、これらの情報を活用することで、ユーザー体験の向上とプライバシーに配慮した分析ツールを駆使して、効果的なキャンペーン戦略を推進することが期待されます。
Google Analytics新機能で分析力向上
2024年3月21日、GoogleはGoogle Analyticsの新機能を発表しました。これにより、広告キャンペーンのパフォーマンスをより洞察に富んだ方法で計測できるようになります。これらのツールは、プライバシーと規制の変化に適応することを目的としています。新しい「キーイベント」機能が導入され、従来の行動分析で使われていた「コンバージョン」を置き換えることで、Google広告とGoogle Analyticsを通じて顧客行動を統一的に見ることが可能になります。
これにより、異なるプラットフォーム間でのアクションの比較が容易になり、ウェブサイトやアプリのユーザー体験を向上させるために重要な顧客行動を一貫して測定できるようになります。
Google Analyticsのユーザインターフェース
統合された広告効果の測定ツール
Google Analyticsは、Google広告アカウントとリンクしているユーザーのために、広告ワークスペースにおけるコンバージョンの統一されたビューを提供します。これにより、キャンペーンのパフォーマンスを報告し、より良い結果をもたらすための継続的な最適化をサポートします。
また、Google広告を超えたクロスチャネルのコンバージョン報告も提供されます。将来的には、広告セクションの機能拡張として、追加のコンバージョン報告やツールが導入される予定です。これらのアップデートにより、パフォーマンスのクリアなビューが必要な場所で提供されます。
プライバシーに配慮した分析ツール
Google Analytics 4は、プライバシーを最優先した未来に適応することを目指して設計されています。ChromeのプライバシーサンドボックスのProtected Audience APIのサポートが数週間以内にGoogle Analytics 4で展開され、第三者クッキーがなくてもオーディエンスに対してリーチすることが可能になります。
さらにGoogle Analytics 4では、既存のコンバージョンタグを補完するハッシュ化された同意済みの第一者データを用いた「エンハンスドコンバージョン」のサポートを強化し、パフォーマンスの正確さを向上させます。
これにより、Google広告へのエンハンスドコンバージョンのシームレスな送信が可能になり、スタートが容易になります。また、ユーザーの同意選択をGoogle Analytics 4に簡単に渡すことができるConsent Modeの実装や、AIによる行動モデリングを使用してユーザージャーニーの完全なビューを得ることができます。