この記事のポイント
この記事ではファイナンシャル・タイムズ（FT）とOpenAIの提携について紹介しています。- FTの高品質なジャーナリズムがChatGPTに統合され、AIによる情報提供の質が向上します。
- FTは当該提携により、社員の技術習得と創造性・生産性の向上を目指します。
- ChatGPTで提供されるFTの内容は、要約、引用、リンクとしてユーザーに提供されます。
- 提携は、AIとメディアの関係構築において先駆的な役割を果たすことを目指しています。
監修者プロフィール
坂本 将磨
Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域：自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。
最先端AI技術と世界クラスのジャーナリズムが融合し、ファイナンシャル・タイムズ（FT）とOpenAIが新たな提携を発表しました。
この歴史的なパートナーシップにより、ChatGPTはFTの洗練された報道内容を取り入れ、質の高い情報提供を実現することになります。
高品質なジャーナリズムとAIがどのように連携し、ユーザー体験を向上させるのか、そしてメディア業界にどのような変革をもたらすのか、さまざまな角度から本記事で掘り下げていきます。
また、FTが全社員にChatGPT Enterpriseを提供する取り組みや、AI時代の情報提供の在り方についての洞察も共有します。AIとメディアの未来への一歩を、ぜひご覧ください。
FTとOpenAIの戦略的提携
ファイナンシャル・タイムズ（FT）は、AIの研究と実用化で知られるOpenAIとの戦略的提携を発表しました。
この提携により、FTの高品質なジャーナリズムがChatGPTに統合されることで、AIが生成する回答の質が向上します。
また、FTはすべての社員がChatGPT Enterpriseにアクセスできるようにし、技術に精通し、OpenAIのツールによる創造性と生産性の向上を図っています。
FTのCEO、ジョン・リディング氏は、この提携がジャーナリズムの価値を認識し、AIを通じて情報がどのように提供されるかについての早期の洞察を与える重要な合意であると述べています。
ChatGPTにFTジャーナリズム統合
ChatGPTユーザーは、関連するクエリに対して「FTのジャーナリズムからの選択された要約、引用、リンク」を見ることができるようになります。
これは、ユーザーがより信頼性の高い情報へと導かれることを意味しており、FTの報道がAIを通じてどのように利用されているのかを理解する上で大きな助けとなります。
FTは人間によるジャーナリズムにコミットしており、この合意によりその作業の到達範囲を広げ、読者の要求と興味を深く理解することができるとリディング氏は付け加えています。
AIとメディアの新たな関係
この提携は、AIとメディアとの間に新しい関係を築いています。OpenAIのCOO、ブラッド・ライトキャップ氏は、提携と継続的な対話について熱意を表しています。
ニュース組織とジャーナリストがAIを利用して力を発揮し、世界中の何百万人もの人々にリアルタイムの一流ジャーナリズムを提供する、ChatGPT体験を豊かにするための、創造的で生産的な方法を見つけることを目的としています。
ChatGPTにFTコンテンツを供給
FTは、「AIプラットフォームが出版社の素材を使用する際には、そのための報酬を支払うべきだ」という原則を支持しています。OpenAIは透明性、帰属、報酬の重要性を理解しており、これらはすべてFTにとって不可欠です。
同時に、これらの製品が信頼できる情報源を含むことがユーザーの利益にかなっていることは明らかです。
また、提携を通じて、リディング氏は以下の様に述べています。
FTは新しい方法でコンテンツを発見する人々の開発ループの内側にいる機会を大切にしている。変革的な技術にはいつも大きな進歩と主要な課題があるものの、時を戻すことは決してできない
進化するAIとジャーナリズム
これは、AIとジャーナリズムが進化していく過程での重要なステップです。FTは常に新技術を受け入れ、その変革に挑戦してきました。
今後も好奇心と警戒心を持って、この変化の次の波をナビゲートし続けると述べています。
新しい技術がもたらす潜在的な進歩と大きな課題の可能性に対し、FTは質の高いジャーナリズムを代表し、FTのコンテンツとブランドを保護するための適切な保護措置を講じています。
出典:Open AI
