この記事のポイント
- Google.orgは開発途上国でのAI利活用促進を支援する教育と技術の投資計画を発表しました。
- 開発途上国でAIの可能性を高める戦略レポート「AIスプリンターズ」を提供しています。
- このレポートでは、AIを通じてインフラ改善や雇用創出などの課題解決へのアプローチを示唆しています。
- 事例として、リオデジャネイロの交通最適化やアフリカのイナゴ早期検出など、AI技術の成功を紹介しています。
- Google.orgは、1500万ドルを投じて開発途上国でのAI教育とスキルトレーニングを支援すると発表しました。
監修者プロフィール
坂本 将磨
Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。
人工知能(AI)の技術が、経済成長の促進や社会課題の解決へと大きく貢献する可能性を秘めていることは、今や広く認識されています。特に、開発途上国においてその活用は、さまざまな課題を克服し、新たな成長への道を開く鍵となり得ます。
Google.orgが発表した最新の戦略レポート「AIスプリンターズ」は、開発途上国がどのようにAIを振興し、よりよい未来につなげていけるかを示す指針を提供しています。
本記事では、同レポートの内容と、Google.orgが開発途上国でのAI教育に投じる1500万ドルの投資について、その背景と目指す影響に焦点を当てて解説します。開発途上国がAIを駆使し未来を切り開くための、実用的なアプローチについてお伝えしていきましょう。
開発途上国におけるAIの可能性
Googleが発表した「AIスプリンターズ」レポートは、開発途上国がAIを活用して経済成長を促し、様々な課題を解決するための道筋を示しています。
レポートでは、インフラの改善、若者の失業問題の解決、医療や教育のアクセス向上、食料安全保障の強化など、多岐にわたる分野でAIが果たす役割について説明しています。
成功事例と今後の可能性
レポートは、リオデジャネイロでの交通最適化や東南アジアの企業の成長支援、アフリカの農民によるイナゴの発生の早期検出など、AIがすでに開発途上国で成果を上げている事例を紹介しています。
これらの事例は、AIが開発途上国の様々な領域で役立つことを示しており、今後の可能性を広げています。
開発途上国のAI活用戦略
レポートでは、開発途上国がAIを効果的に活用するための具体的な戦略として、クラウドファーストポリシーの採用、AIスキルの向上、データシステムの近代化、AIの規制支援などが推奨されています。
これらの提言が実行されれば、開発途上国は自国の特性を生かしてAIの力を借り、社会の様々な領域で前進できると期待されています。
途上国のAI活用における4つの戦略
Google.orgによるAI教育への投資
Google.orgは、開発途上国でのAIスキルトレーニングを支援するために、1500万ドルの投資を行うことを発表しました。
この取り組みは、特に不利な立場にあるコミュニティを対象にAIの知識とスキルを広めることを目的としており、開発途上国の人々がAI技術を使いこなし、その恩恵を受けられるようになることを目指しています。
Google.orgによる取り組み
出典:Google