この記事のポイント
- マイクロソフトの職場でのAIツール「Copilot」の導入とその影響についてご紹介します。
- AI導入によりカスタマーサービスやHRの業務効率が向上し、生産性の増加が見られます。
監修者プロフィール
坂本 将磨
Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。
企業活動におけるAIの導入と生産性向上のあり方を探求するマイクロソフトが、最近の動向を踏まえた職場におけるAI統合の戦略を公開しました。
特にカスタマーサービスと人事部門でのAIツール「Copilot」の導入により、業務効率が大幅に向上した事例が紹介されています。
マイクロソフトが提案するAI導入戦略や、従業員の生産性と仕事への満足度を高めるため取り組みは、これからの企業運営にとって重要な指針となるでしょう。
Copilotによる生産性革命: カスタマーサービスとHRの効率改善
2023年にマイクロソフトが導入したAIツール「Copilot」は、仕事の効率を大きく変えたと言われています。特にカスタマーサービスや人事部門(HR)での利用が目立ち、40,000人以上のプロフェッショナルによる実践の結果、研修時間が短縮されたり、情報へのアクセスがスムーズになったりしているそうです。
さらに、ケース解決のスピードも上がっており、従業員の問い合わせに対する応答時間も大幅に短くなっていることから、全体の生産性の向上が見られます。これが、AIがビジネス運営にもたらす力といえるでしょう。
Copilot:初期ユーザーの声 (参考:Microsoft)
Copilot導入戦略: 学びと目標設定の重要性
マイクロソフトは、Copilotを職場に導入する際に、いくつかの重要な戦略を提案しています。まず、明確な目標を設定し、仲間同士で学び合い、AIの影響をしっかりと追跡することが大切だとしています。
また、AIを日々のタスクに統合しながらも、正確さやセキュリティの確保を忘れないようにするために、リーダーたちにはAIの重要な概念を理解してもらうことも求められています。
こうした取り組みが、Copilotを活用する企業の競争力を高めることにつながっているのです。
Microsoft Copilot シナリオライブラリ (参考:Microsoft))
AIの組織内統合: 成功へのアプローチ
AIツールの組織内での成功は、マネージャーや従業員の関わり方に大きく依存しています。マイクロソフトは、内部チャンピオンを特定し、AIカウンシルを設立することで、組織全体のAIに対する理解を深めるよう推進しています。
さらに、AIの使用を奨励するために、表彰や報酬の提供、トレーニングの優先順位付け、学習リソースの共有などの施策を実施しています。これらの取り組みにより、従業員の生産性の向上とワークライフバランスの改善が実現されています。
ビジネスリーダー向け:Copilot導入ガイド (参考:Microsoft)
AI導入の心理的側面: 小さな成功から始める
AIを導入する際には、技術的な側面だけでなく、人の感情的な側面も重要です。マイクロソフトは、小さく始めて直ちに成果が得られるようなアプローチを提唱しています。
つまり、AIを使ってすぐに効果が見える仕事から取り組むことで、従業員のAIに対する抵抗感を減らし、使い続ける習慣をつけることができるというわけです。
また、AIを段階的に導入していくことで、組織全体がAIと共に成長し、競争優位性を高めていくことができます。
出典:Microsoft