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チャットボットでメール送信を自動化!実際の手順をわかりやすく解説

この記事のポイント

  • チャットボットを使ったメール自動送信の方法を解説
  • メール自動化のメリットと注意点を提示
  • 実用性を高めるための工夫点を提案
  • 業務効率化と顧客満足度向上のヒントを提供

監修者プロフィール

坂本 将磨

Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。

チャットボットの進化により、ビジネスにおける顧客サービスの効率化が求められている現代において、メール送信の自動化は重要な機能の一つです。

この記事では、Azureが提供する「Azure Bot Service」を使って、チャットボットがメールを自動で送信する方法をわかりやすく解説します。
オフィス365メールアドレスの設定から、実際のメール送信チャネルの連携、さらに使用例まで、具体的な手順をたどりながら理解を深めていきましょう。

チャットボットを活用して、賢く業務を自動化し、顧客対応のスピードとクオリティを向上させるための一助となれば幸いです。

チャットボットでメールを送信する方法

今回は、Azureの提供しているサービスである「Azure Bot Service」を使って、チャットボットでメールを送信する方法をステップごとに解説していきます。


  1. まずは、送信を自動化する際の送信元となる、ボット専用のOffice365のメールアドレスを用意して下さい。


  1. Azure portal → 使用するAzure Bot Service → 左にある「チャンネル」の順で選択します。
    AzureBotServiceの画面Azure Bot Serviceの画面

  2. 使用可能なチャネルの欄から「Email」を探し、クリックします。

Emailのクリック使用可能なチャネル一覧

  1. 下記のような設定画面が出てくるので、「メールアドレス」に、ボット専用の Office365のメールアドレスを入力し、「承認する」をクリックして下さい。
    なお、認証の種類に関しては、「基本認証」は廃止のため、「先進認証」のままで大丈夫です。

メールの情報入力メールチャンネルの設定画面

  1. 入力したメールのアカウントが出てくるので、サインインして下さい。すると、下記のように、検証コードが表示されます。

検証コードの表示検証コードの表示

  1. 検証コードを設定画面の「認証コード」に貼り付け、「適用」をクリックします。これで、一通り設定は終了しました。

実際の使用例

それでは、チャットボットを使用したことで、メールを自動化できているのか確かめてみましょう。

今回は、下記の記事で作成したチャットボットを使っているため、チャットボットの応答は、ChatGPTの回答になります。
➡️ChatGPT APIを用いたLINEチャットボットの作成方法をわかりやすく解説!

まずは、営業時間についてメールしてみました。

使用例その1営業時間に関するメール


すると、以下のように返信が返ってきました。この返信に関しては、筆者は何も操作していないので、メールの送信が自動化できているということになります。

使用例その2自動化されたメール例その1


次に、レストランを予約するという状況を想定してみました。

使用例その3
予約に関するメール


返信は以下の通りです。
使用例その4自動化されたメール例その2

今回はChatGPTと対話できるチャットボットを使用したため、実用的ではありませんが、参考になれば幸いです。


応用編

以下に、実際にチャットボットを使って、メールを送信しようと考えている方のために、いくつか考えつく工夫できる点を挙げてみます。

「Azure Communication Services」のチャンネルを使用する

Azure Communication Servicesを使用すれば、より柔軟にメールの送信を自動化を設定可能です。

AzureCommunicationServicesイメージCommunication Servicesのアイコン

生成AIではなく、シナリオ型のチャットボットを使用する

シナリオ型のチャットボットでは、想定される質問・問い合わせ内容を設定しておくことで、様々な対応が可能です。

なお、シナリオ型チャットボットに関しては、下記記事で詳しく解説しています。
➡️チャットボットのシナリオ型とは?作成方法や活用例を徹底解説

ChatGPT自体をカスタマイズする

GPTsやカスタム指示によって、あなたが求めている条件に合わせたChatGPTにカスタマイズしていくことで、よりニーズに沿ったチャットボットを作成することが出来ます。

問い合わせフォームを作成し、その返信を自動化する

運営中のサービスにおいて、問い合わせフォームの内容をそのままボット用のメールアドレスに送信し、その返信をボットで行うようにすれば、即時の対応が可能になります。

改善案イメージ


チャットボットでメールを送信するメリット

迅速な対応
チャットボットはプログラムされた条件に基づいて即座に反応するため、顧客からの問い合わせや要求に対して即時にメールを送信することができます。

この迅速な対応は顧客の待ち時間を短縮し、顧客満足度を向上させる効果があります。

高い可用性
チャットボットは24時間365日運用可能で、休日や夜間でも対応できるため、時間帯に関わらず一貫したサービスを提供できます。

これにより、グローバルな顧客基盤を持つ企業でも、異なるタイムゾーンにいる顧客へ効果的に対応することができます。

一貫したコミュニケーション
人間の介入無しで一貫したフォーマットと言語スタイルのメールを送信できるため、ブランドのイメージやメッセージングを統一することが可能です。

これにより、企業はプロフェッショナルなコミュニケーションを維持しながら、エラーのリスクを減少させることができます。

メール送信イメージ


チャットボットでメールを送信する際の注意点

個々のニーズへの対応
チャットボットが標準化された応答を提供するため、個々の顧客のニーズや特殊な要望に対応することが難しい場合があります。

このため、カスタマイズ可能なオプションを設けるか、特定の要求には人間が介入するフローを設計することが重要です。

プライバシーとセキュリティ
チャットボットによるメール送信では、個人情報や機密情報が含まれることがあります。これらの情報を扱う際には、データ保護規制を遵守し、適切な暗号化とセキュリティ対策を講じることが必須です。

不適切なデータの取り扱いが法的な問題やブランドイメージの損傷につながる可能性があります。

コンテキストの理解
ユーザーの要望が明確でない場合や、複雑な内容には人間が確認するステップを組み込むことが重要です。

チャットボットでメールを送信する際の注意点に関するイメージ図


まとめ

本記事では、Azure Bot Serviceを用いてチャットボットからメールを自動送信する方法を詳しく解説しました。
ボット専用のOffice365メールアドレスを設定し、Azure portal上でメールチャンネルを連携するステップを説明。実際の使用例を通じて、メール送信の自動化が実現できることを確認しました。

さらに、Azure Communication Servicesの活用やシナリオ型チャットボットの利用など、実用性を高めるための工夫点も紹介しました。
チャットボットによるメール自動送信は、迅速な対応や24時間365日の可用性、一貫したコミュニケーションなどのメリットがある一方で、個々のニーズへの対応やプライバシー・セキュリティの確保、コンテキスト理解の難しさなどの注意点もあります。

これらを踏まえつつ、チャットボットを賢く活用することで、業務効率化と顧客満足度の向上を実現できるでしょう。

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監修者

坂本 将磨

Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。

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