飲食・食品分野に活用できるAIおよびDX導入事例をご紹介します。飲食・食品の分野では、自社サービスに生成AIを活用する事例、画像動画生成AIを用いてマーケティングに活用する事例が多く報告されています。AIの導入の活用法は、業界ごとに異なり、採用されるシステムも多様です。
この記事を通して 「導入アイデア・あなたに使えるサービス・導入のポイント」 の参考になれば幸いです。弊社ではAI導入の最初の窓口としてAI総合研究所を運営しています。導入のお悩みはご気軽に弊社にご相談ください。
【概要】
キリンビバレッジ、コカ・コーラ ボトラーズジャパン、サントリー食品インターナショナル、セブン-イレブン・ジャパン、富士通の5社は、富士通が開発したAIシステムを活用し、商品外装ダンボールの破損レベル判定の統一化に向けた共同実証実験を開始しました。
これにより、食品ロス削減および物流課題の改善に貢献することを目指しています。
【導入の背景】
清涼飲料業界や流通業界では、商品輸送・保管中の軽微なダンボール損傷により、中身品質に問題がない商品でも返品・廃棄される食品ロスが課題となっていました。
各社の倉庫で個別に目視判断していたため、納品可否の判断にばらつきが生じていたのです。
【元々の課題】
飲料メーカーと流通業者の間で、ダンボール損傷の判断基準が共有されておらず、倉庫ごとの主観的な判断により、品質に問題のない商品まで廃棄されるケースがありました。
この非効率的な商慣行が、食品ロスと物流課題の一因となっていました。
【解決策】
5社は「飲料配送研究会」の基準を使用した富士通のAIシステムを導入し、客観的なダンボール破損レベルの判定を共有する仕組みを構築。
製造から販売までの各工程で破損レベル判定の統一化を図ることで、軽微な損傷の商品も流通させ、食品ロス削減と物流効率化を目指します。
【効果】
本取り組みにより、軽微なダンボール損傷商品の廃棄が抑制され、食品ロス削減が期待されます。
また、AIによる判定の統一化で、倉庫での検品時間や返品作業の軽減にもつながり、物流課題の改善にも寄与します。今後、参画企業を拡大し、AI精度向上と判定基準の業界標準化を目指します。
【出典】
SUNTORY