この記事のポイント
- この記事はP&Gのデータ戦略に焦点をあてています。
- データとアルゴリズムを活用して運用方法を進化させ、企業成長を支える新たな手法が導入されました。
- Microsoft Azureを利用した統合データプラットフォームにより、以前のサプライチェーンや小売業務の課題を克服しました。
- 導入後は市場の変化に迅速に対応し、競争上の優位性を維持しています。
監修者プロフィール
坂本将磨
Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。
データの有効活用が経営戦略において重要な要素となっている昨今、大手消費財企業プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)は、社内のデータ利活用に革命をもたらすべく、大胆なデータ戦略を進めています。本記事では、P&Gがデータとアルゴリズムを通じて、従来の運用方法を進化させる建設的な「破壊」に挑んでいる背景と手法について概観します。また、Microsoft Azureを核とした新しいデータプラットフォームの導入を通じて、これまでの課題を克服し、企業の成長をどのように加速しているのかを紐解いていきます。P&Gの先進的な取り組みは、他の業界や企業にとっても参考となる貴重な事例であり、データ戦略の重要性を改めて教えてくれる内容となっています。
飲食・食品分野に活用できるAIおよびDX導入事例をご紹介します。飲食・食品の分野では、自社サービスに生成AIを活用する事例、画像動画生成AIを用いてマーケティングに活用する事例が多く報告されています。AIの導入の活用法は、業界ごとに異なり、採用されるシステムも多様です。
この記事を通して 「導入アイデア・あなたに使えるサービス・導入のポイント」 の参考になれば幸いです。弊社ではAI導入の最初の窓口としてAI総合研究所を運営しています。導入のお悩みはご気軽に弊社にご相談ください。
導入事例概要
プロクター・アンド・ギャンブルのロゴ
大手消費財企業であるプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)は、その革新的な社風のもと、データとアルゴリズムを活用し運用方法を改革するデータ戦略を推進しています。
この改革により、企業の成長を支える新たな手法が導入されました。
導入の背景
P&Gは、過去の成功のもととなっていたビジネス手法を再検討し、将来の成長をより強固にするために、データ主導の意思決定が重要であるとの認識からデータ戦略の構築を始めました。
自社の規模を活かしつつ、迅速かつ的確な意思決定を可能にすることが目指されています。
元々の課題
P&Gは広範な事業範囲と長い歴史を持っていたものの、データが地理的に分散しサイロ化されており、レガシーシステムでは多様なデータを統合できず、総合的な洞察を得ることが困難でした。
ビジネス・IT領域における「サイロ」とは、業務プロセスや業務アプリケーション、各種システムが孤立し、情報が連携されていない様子を指します。
解決策
マイクロソフトのロゴデザイン
解決策として、P&GはMicrosoft-Azureの技術を活用し、サイロを解消する統一的なデータプラットフォームを構築しました。
特にAzure-Synapse-Analytics、Azure-Data-Lake、Power-BIを用いて全社的なデータ文化の構築に励んでいます。
効果
導入したデータソリューションは効果的であり、サプライチェーンの回復力強化、小売業務の改良、製品およびパッケージングの品質向上に繋がりました。
これによってP&Gは、より機敏に市場の変化に対応することが可能となり、競争上の優位性を確保しています。