この記事のポイント
- 接客業の課題を解決する、AI活用事例14選を紹介
- 顧客満足度向上と業務効率化を実現するAI導入のメリットを解説
- 24時間対応、多言語対応、パーソナライズ化など、AIによる具体的な改善効果を提示
- ヤマト運輸、アオキ、鳥貴族など、多様な業界の事例から成功の秘訣を学ぶ
- AI導入を成功させるための6つのステップを具体的に説明
監修者プロフィール
坂本 将磨
Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。
近年、接客業界においてもAI導入の波が押し寄せています。
顧客対応の自動化・迅速化、24時間365日のサービス提供、多言語対応など、AIは接客の質を向上させ、顧客満足度を高めるための強力なツールとして注目を集めています。
本記事では、AIを活用して顧客体験を向上させ、業務効率化を実現している企業の先進的な取り組みを、14の事例で詳しくご紹介します。
ヤマト運輸、アオキ、鳥貴族などの成功事例から、AI導入のメリットや効果を具体的に理解し、自社での活用を検討する際の参考にしていただけます。
さらに、AI導入を成功させるための6つのステップも解説。AIを活用した未来の接客に向けて、具体的な一歩を踏み出すためのヒントを提供します。
目次
リーバイ・ストラウス株式会社 【AIモデルによるショッピング体験】
エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社 【AI受付システム おくだけレセプション®」】
共栄火災海上保険株式会社 【AIチャットボットWisTalk】
アオキ 【AIチャットボット「KARAKURI chatbot」】
TOPPANホールディングス株式会社 【多言語AIによる顧客対応】
接客業(サービス業)の抱える課題とAIによる解決策
1. 応答速度の遅さ
課題:
顧客からの問い合わせに迅速に対応できないと、顧客満足度の低下、さらには信頼喪失のリスクが生じます。特にピーク時には、電話やメールの対応に遅れが生じやすく、これが新規顧客獲得の機会損失にもつながります。
AIによる解決策:
AIチャットボットは、24時間365日、迅速かつ一貫した品質で顧客対応が可能です。簡単な質問には即座に回答し、複雑な問い合わせは人間のオペレーターにスムーズにエスカレーションできます。
2. 営業時間外の対応不足
課題:
営業時間外の問い合わせ対応は、多くの接客業にとって課題です。特に、グローバル展開する企業では、時差の影響で顧客を待たせてしまうケースが生じます。
AIによる解決策:
AIチャットボットは、24時間365日対応可能なため、営業時間外の問い合わせにも迅速に対応できます。顧客はいつでも必要な情報を得ることができ、企業は顧客満足度の向上とビジネスチャンスの拡大を実現できます。
3. 人手不足
課題:
接客業界は慢性的な人手不足に悩まされており、繁忙期には特にサービスの質が低下する恐れがあります。従業員の負担増加は離職率の上昇にもつながります。
AIによる解決策:
AIは、よくある質問への対応や簡単な問い合わせ対応を自動化することで、人間のオペレーターの負担を軽減します。これにより、オペレーターはより複雑な問題やクレーム対応に専念できるようになり、接客の質が向上します。
4. パーソナライズされたサービスの提供不足
課題:
顧客一人ひとりのニーズに合わせたサービス提供は重要ですが、手作業では限界があります。大量の顧客データを分析し、個別に最適な提案を行うことは困難です。
AIによる解決策:
AIは、顧客の購買履歴や行動データを分析し、個別に最適化された商品やサービスを提案できます。例えば、オンラインショッピングサイトでは、顧客の閲覧履歴に基づいたレコメンデーションが可能です。
5. 問い合わせ内容の管理と分析の手間
課題:
顧客からの問い合わせを効率的に管理・分析することは、サービス改善に不可欠です。しかし、手動でのデータ入力や分析は時間と手間がかかり、ミスも発生しやすいです。
AIによる解決策:
AIは、問い合わせ内容を自動的に分類・記録し、データベース化します。これにより、問い合わせ傾向の分析や、FAQの改善などが容易になり、サービス品質の向上に繋げられます。
6. 多言語対応の難しさ
課題:
グローバル化が進む中、多言語対応は不可欠ですが、全ての言語に対応できるスタッフを揃えることは困難であり、コストもかかります。
AIによる解決策:
AIは、機械翻訳や自然言語処理技術を用いて、多言語での問い合わせに対応できます。これにより、言語の壁を越えた顧客対応が可能となり、海外展開を検討している企業にも有効です。
接客業務にAIを活用するメリット
1. 応答速度の劇的な向上
AIチャットボットの導入は、顧客対応のスピードを劇的に向上させます。AIは、顧客からの問い合わせに対して、瞬時に、かつ24時間365日、安定した品質で応答することが可能です。
例えば、ウェブサイトに設置されたAIチャットボットは、顧客が質問を入力すると同時に、適切な回答を提示します。従来の電話やメールでの対応と比較すると、顧客は待ち時間なく必要な情報を得られるため、ストレスフリーな顧客体験を実現できます。
特に、問い合わせが集中するピークタイムやセール期間中でも、AIは変わらぬスピードで対応を続けるため、機会損失を防ぎ、顧客満足度を高めることができます。
2. 24時間365日途切れないカスタマーサポート
AIは人間と異なり、休憩や休日を必要としません。そのため、24時間365日、途切れることなく顧客対応を行うことができます。
これは、顧客がいつでも好きな時に問い合わせを行い、必要な情報を得られることを意味します。例えば、深夜に商品の使い方で困った顧客がいたとしても、AIチャットボットが即座に対応し、問題を解決することができます。
特に、グローバル展開を行う企業にとっては、時差に関係なく世界中の顧客をサポートできるため、顧客満足度の向上だけでなく、ビジネスチャンスの拡大にも繋がります。
3. 人手不足解消と業務効率化
AIは、複数の問い合わせを同時に、かつ高速で処理することができます。これにより、限られた人員でも効率的に顧客対応を行うことが可能になり、人手不足の解消に大きく貢献します。
えば、繁忙期やピークタイムには、AIが基本的な問い合わせやよくある質問への対応を代行し、人間のオペレーターはより複雑な問題やクレーム対応に専念できます。
これにより、業務効率が大幅に向上し、スタッフの負担軽減にも繋がります。さらに、AI導入は、採用コストや人件費の削減にも効果的です。
4. 一人ひとりに最適化された顧客体験
AIは、顧客の過去の購買履歴、行動データ、問い合わせ内容などを分析することで、一人ひとりのニーズや好みに合わせた、パーソナライズされたサービスを提供することができます。
例えば、ECサイトでは、顧客の閲覧履歴に基づいて関連商品をレコメンドしたり、興味関心に合わせた情報を提供したりすることが可能です。
これにより、顧客は**「自分のことを理解してくれている」と感じ、企業への信頼感や愛着を高めることができます。その結果、リピート率の向上や顧客生涯価値(LTV)の最大化**が期待できます。
5. データに基づいたサービス改善
AIは、顧客からの問い合わせ内容を自動的に記録・分類し、データベース化します。
これにより、企業は問い合わせの傾向を詳細に分析し、FAQの改善やオペレーターのトレーニング、さらには商品・サービスの改善に役立てることができます。
例えば、特定の商品に関する問い合わせが多い場合、その商品の説明をより分かりやすくしたり、使い方に関する動画を作成したりすることで、顧客満足度の向上に繋げることができます。
AIは、データに基づいた意思決定を支援し、継続的なサービス改善を可能にします。
6. 言語の壁を超えたグローバル対応
AIは、機械翻訳や自然言語処理技術を駆使して、多言語での顧客対応を実現します。こ
れにより、企業は言語の壁を越えて、世界中の顧客にシームレスなサービスを提供することが可能になります。
例えば、外国人観光客が多いホテルや観光施設では、AIチャットボットが英語、中国語、韓国語など、様々な言語で問い合わせに対応することで、外国人顧客の満足度向上に大きく貢献します。
AIによる多言語対応は、企業のグローバル展開を強力にサポートします。
接客におけるAIの活用事例集
実際に、AIを活用して接客業務の改善や顧客満足度の向上に成功している企業の事例を紹介します。
これらの事例から、AI導入のヒントを得ることができるでしょう。
株式会社ジンズ 【眼鏡の似合い度判定AI】
株式会社ジンズによるAI活用 (参考:ジンズは、顧客が最適な眼鏡を簡単に選べるようにするために、AI技術の導入を決定)
株式会社ジンズは、AIを活用した次世代型ショールーミング店舗「JINS BRAIN Lab.エキュート上野店」を2019年1月25日にオープンしました。
この店舗の特徴は、AIによるメガネの似合い度判定サービス「JINS BRAIN」を搭載したミラーが設置されている点です。店内のミラーにメガネを掛けて立つと、瞬時にそのメガネが似合うかどうかをAIが判定します。
このAIは、男性目線・女性目線の両方から評価を提供し、顧客に自分に合ったメガネを見つける手助けが可能です。このような接客におけるAIの活用法はパーソナライズされたサービスとして注目されています。
あべのハルカス 【会話型生成AI「AIあべのべあ」】
あべのハルカスによるAI活用 (参考:AIアバター接客を導入!会話型生成AI「AIあべのべあ」)
クラスター株式会社は、近鉄不動産株式会社と共に、国内最大級のメタバースプラットフォーム「cluster」上に構築されたバーチャルあべのハルカスに、会話型生成AI「AIあべのべあ」を導入しました。これは、OpenAI社の大規模言語モデルを活用したAIで、来店者との自然な対話を通じて、バーチャル空間内で新しい接客サービスを提供します。
この取り組みは、clusterにおける世界初のAIアバターによる接客サービスです。
「AIあべのべあ」は、あべのハルカスのキャラクター「あべのべあ」をモチーフにしており、バーチャルあべのハルカス内での案内や、リアルなあべのハルカスの魅力を伝える役割を担います。
また、複数言語に対応しているため、国内外の利用者とコミュニケーションが可能です。
さらに、「あべのべあの部屋」というコンセプトのバーチャル空間もオープンし、ここで購入できるクラフトアイテムはcluster内の他のワールドでも使用可能です。
このように、メタバース内での双方向コミュニケーションやエンターテイメントの新たな可能性が期待されています。
2024年3月7日には、あべのハルカス開業10周年を記念した新コンテンツも導入され、バーチャルとリアルの連携がますます深まることが期待されています。
リーバイ・ストラウス株式会社 【AIモデルによるショッピング体験】
LEVI'SによるAI活用 (参考:リーバイスAI仮想モデル採用で多様性促進)
ジーンズなどで有名なLEVI'Sを手掛けるリーバイ・ストラウス株式会社は、AI生成ファッションモデルを提供するLALALAND.AIと提携し、広告や宣伝にリアルなAIモデルを試験導入しています。
この取り組みは、オンラインショッピングの課題を解決するために行われており、顧客の多様な体型や肌の色に対応したモデルを提供しています。
AIモデルは、顧客の容姿や体型に合わせてカスタマイズでき、オンラインでの試着体験を向上させています。これにより、サイズやフィット感の不安を軽減し、よりパーソナライズされたショッピング体験を提供することが可能となっています。
ヴィレッジヴァンガード 【萌えキャラが接客】
ヴィレッジヴァンガードによるAI活用 (参考:萌えキャラが接客“AI店員”、ヴィレッジヴァンガードが導入へ)
「遊べる本屋」ヴィレッジヴァンガードは、人工知能(AI)を活用した“萌えキャラ店員”を採用する計画を進めています。
渋谷本店では、ディスプレイに「渋谷めぐる」というキャラクターが登場し、来店者におすすめの本を紹介します。当初は対話機能は備えていませんが、将来的には自然言語処理機能を導入し、来店者の質問に答えたり、本のコーナーを案内したりすることが可能になります。
さらに、過去の購入履歴や店内カメラで撮影した顔画像と連携し、再来店時に「お久しぶりです!」と声をかけ、関連商品を提案するシナリオも想定されています。
この開発には、AIサービスを提供するモノゴコロが協力しており、自然言語処理アルゴリズムを使用して、より人間らしい対話を実現します。
今後の店舗での展開では、渋谷めぐるが顧客に対してユニークなアクションを取ることも検討されています。例えば、暇になるとボーッとしたり、いじめられると店長を呼ぶなど、キャラクター性を活かした接客体験が予定されています。
株式会社LIFULL 【AIによる対話型物件探し】
株式会社LIFULLによるAI活用 (参考:(ライフルのAI活用で住宅探しを進化)
株式会社LIFULLは、住宅情報サイト「LIFULL HOME'S」にAI技術を導入し、住宅探しに変革をもたらしました。2023年に開始した対話型物件探し支援サービスでは、ChatGPTプラグインを使用してユーザーの物件検索をより便利に改変しました。このシステムの導入により、ユーザーは希望条件を詳細に設定し、物件検索の初期段階から包括的なサポートを受けられるようになっています。AIの導入で、検索プロセスが効率化され、よりパーソナライズされたサービスを提供しています。さらに、ユーザーは自然な言語での問い合わせが可能となり、より直感的で便利な検索体験を実現しています。Lifullはこの新技術を通じて、顧客満足度の向上と住宅探しの効率化を目指しています。
鳥貴族 【AI電話対応スタッフ】
株式会社LIFULLによるAI活用 (参考:(鳥貴族、直営60店舗で「AIレセプション」を導入〜月間1万件以上の電話を対話型のAIが対応し、人手不足解消へ〜)
鳥貴族は、人手不足や業界全体の課題に対応するため、「AIレセプション」を導入しました。
このサービスは、AIスタッフ“さゆり”が24時間365日、飲食店への電話対応を自動で行い、来店当日の予約や近隣店舗の提案など、実際に人と会話しているかのような自然な対応が特徴です。
2023年1月の業界売上がコロナ前と比べ58.1%にとどまるなど、業界は回復に苦しんでおり、人手不足やコスト増も依然として課題です。
こうした背景から、鳥貴族は一部店舗で「AIレセプション」を導入し、都内21店舗ではネット予約が約4.5倍、電話予約が1.5倍に増加し、スタッフの負担軽減と顧客対応の質向上に成功しました。
これにより、特にピークタイムでのスタッフの電話対応時間を削減し、店内でのサービス向上を目指します。今後は、60店舗での拡大導入を進め、AIスタッフが月間3万件以上の電話に対応し、人手不足の解消に貢献していきます。
エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社 【AI受付システム おくだけレセプション®」】
エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社によるAI活用 (参考:[AI受付システム「おくだけレセプション®」)
エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社は、AI受付システム「おくだけレセプション®」を導入し、受付業務の効率化とコスト削減を実現しています。
このシステムはタブレットを設置するだけで工事不要で利用でき、シンプルなUIで操作も簡単です。来訪者がタブレットで簡単に受付を行えるため、受付担当者が不要となり、業務負担を大幅に軽減しています。
また、来訪者はタブレットに情報を入力するだけで、スムーズに受付手続きを完了することが可能です。これにより、企業は受付コストを削減し、効率的な業務運営が可能となります。
さらに、クラウド連携によりリアルタイムでのデータ管理も可能となり、セキュリティ面でも安心です。
共栄火災海上保険株式会社 【AIチャットボットWisTalk】
共栄火災海上保険株式会社によるAI活用 (参考:共栄火災AIチャットボット効率化事例)
共栄火災海上保険株式会社は、AIチャットボット「WisTalk」を導入し、問い合わせ対応を効率化しています。WisTalkは月間平均9100件の問い合わせに対応し、迅速かつ的確な回答を提供することで、より難しい問い合わせに人員を割くことができるようになりました。この結果、全体の照会件数が約10%減少し、営業担当者とサポートチームの負担が軽減され、作業効率が向上しました。AIの導入により、顧客対応がスムーズになり、顧客満足度も向上しています。
ヤマト運輸株式会社 【AIオペレーターによる集荷受付】
ヤマト運輸株式会社によるAI活用 (参考:AI導入で顧客満足度向上!電話対応例)
ヤマト運輸株式会社は、AIオペレータ「LINE WORKS AiCall」を導入し、顧客対応の効率化を図っています。
このシステムにより、24時間365日対応が可能となり、特に集荷依頼の受付が自動化されました。結果として、電話の待ち時間が大幅に減少し、顧客満足度は80%以上に向上しました。
また、オペレータの業務負荷も軽減され、複雑な対応に集中できるようになりました。AIの導入は、人手不足の解消にも寄与し、迅速かつ正確なサービス提供を実現しています。
アオキ 【AIチャットボット「KARAKURI chatbot」】
アオキによるAI活用 (参考:AOKI・ORIHICA公式オンラインショップがAI接客を刷新、「KARAKURI」にシステム統合)
アオキは、EC事業の成長に伴い、オンライン接客の質向上と顧客体験の強化を目指し、カラクリ株式会社のAIチャットボット「KARAKURI chatbot」と有人チャットツール「KARAKURI talk」を導入しました。この導入により、マーケティングとカスタマーサポート部門のシステムが統合され、購入前から購入後まで一貫した顧客対応が可能となりました。
背景として、2021年からオンラインショップにてチャットスタイリングサービスを提供しており、ECの売上は順調に成長していましたが、マーケティングとカスタマーサポートのデータ連携に課題を抱えていました。
異なるシステムを使用していたことで、顧客情報の分断が発生し、OMO(オンラインとオフラインの統合)戦略を推進する上での懸念材料となっていました。
今回の導入により、チャット接客履歴や顧客データがCRM(Salesforce)と連携され、1to1のパーソナライズされた接客が可能になりました。
「KARAKURI chatbot」は複数のブランドのチャットシステムを一元管理し、顧客対応の履歴をスムーズに共有できます。また、「KARAKURI talk」では、顧客の行動履歴を把握することで、問い合わせに迅速に対応できるようになり、より快適な接客体験を提供しています。
このシステム導入により、オンライン接客の質が向上し、ECサイトの利用者が実店舗へ訪れる促進効果も期待できるようになりました。
TOPPANホールディングス株式会社 【多言語AIによる顧客対応】
TOPPANホールディングス株式会社によるAI活用 (参考:多言語AIにより、店頭案内や接客を無人化することが可能なデジタルアシスタントサイネージ)
TOPPANホールディングス株式会社は、就労人口減少とお客様ニーズの多様化に伴う案内スタッフの人員不足を解消するため、「BotFriends® Vision」を導入しました。
このシステムは、AIチャットボット技術とアバターを組み合わせて、顧客対応を自動化し、効率的な接客を実現します。
さらに、AIによる自動応答と有人対応を組み合わせることで、少人数体制での遠隔操作を可能にし、高い接客スキルを持つシニア社員が在宅から働ける新しい働き方も提供しています。
また、高性能翻訳エンジンにより多言語対応も実現し、顧客対応のDXをサポートしています。導入事例としては、東日本旅客鉄道株式会社の高輪ゲートウェイ駅での案内業務に活用されており、国内外の利用者に対するおもてなしの向上を図っています。
NEC 【対話エージェント「NEC Personal Consultant」】
NECによるAI活用 (参考:NECとアイシン、生成AIが接客するデジタルヒューマンを開発 12月から金融業界向けに提供開始)
NECは、アイシンと共同で、生成AIとデジタルヒューマン技術を組み合わせた「NEC Personal Consultant」の開発を開始しました。
この新しいAIシステムは、NECの生成AI製品「cotomi」と生体認証技術「Bio-IDiom」を活用し、アイシンが開発したマルチモーダル対話エージェントと組み合わせることで、人間に近い自然な対話を実現することを目指しています。
「NEC Personal Consultant」は、NECの「Generative AI Framework」を使用して、業務や利用シーンに最適な大規模言語モデル(LLM)を選択できるだけでなく、「cotomi」を活用して業種や業務に特化した応答をします。
また、生体認証技術「Bio-IDiom」の顔認証機能により、正確な本人確認が可能で、対話を通じてユーザーの状況や感情を読み取り、一人一人に適したサービスを提供します。
さらに、対話履歴をもとに会話内容をモニタリングし、サービスの改善をサポートします。
このサービスは2023年12月から金融業界向けに提供を開始し、今後は他の業種にも順次拡大予定です。
さらに、NECはマイナンバーカード(MNC)認証などの技術を含め、パートナーAIシステムの活用領域を広げ、デジタルヒューマンの安全な利用に向けた倫理やガバナンスの提言も行っていく予定です。
まとめ
AI技術の進化により、接客業界でもその導入が急速に進んでいます。特にカスタマーサービスの分野では、AIチャットボットなどが導入され、顧客対応の効率化とサービス品質の向上が実現されています。これにより、企業は顧客満足度を高めると同時に、スタッフの負担軽減を図ることが可能となっています。
今後もAI技術の進化とともに、接客業界における新たな活用事例が増えていくことが期待されます。企業が競争力を維持し、顧客満足度を向上させるためには、AI技術を効果的に活用することが不可欠です。最新のAI情報を常に取得し、効果的にAIの導入に取り組みましょう!