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【40選】ChatGPT・AIによってなくなる仕事一覧!その特徴も解説

この記事のポイント

  • 本記事は、ChatGPTが労働市場に及ぼす影響について解説しています。
  • ルーチン業務、顧客サービス、教育業務、言語関連業務など、多岐にわたる仕事の自動化が進展していることを紹介しています。

監修者プロフィール

坂本 将磨

Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。

AIの発展とともに変化が進む現代の労働市場。特に注目されるのが、OpenAIによって開発された言語処理モデル「ChatGPT」の影響です。

この記事では、ChatGPTがもたらす効果に焦点をあて、その技術が人間の仕事に与える影響や、代替される可能性のある職種について紹介しています。
また、ChatGPTによってなくなる仕事だけでなく、新たに生まれる業務や、人間とAIがどのように共存していくかについても考察を深めます。

AIの登場でどのような変化が生じ、私たち自身がどう対応していくべきか、そのヒントをこの記事で解き明かしていきましょう。

OpenAIが発表した最新のAIエージェント、「OpenAI Operator」についてはこちら⬇️
OpenAI Operatorとは?主要機能や使い方、安全性対策について徹底解説

AIによって仕事が奪われる?

「AIによって仕事が奪われる」こんなワードを聞いたことはないでしょうか。
昨今、急速なスピードで進化を続けるAIですが、その進化とともに実社会への普及も進んでいます。

みなさんも日頃、ChatGPTや生成AIという言葉を聞く機会は多くなっているのではないでしょうか。

結論として、AIによって仕事が奪われることは今後極めて多くなるでしょう

このイメージとして以下の例を想像するとわかりやすいかもしれません。

技術の進化と移動様式の変化
技術の進化と移動様式の変化

人は常に進化をしてきました。
AIの前もこれは同じです。人はもともと歩いて移動するものでしたが、技術の進化により馬車となり、今では一家に一台車があることが当たり前になっています。

この進化の過程で、馬車の運転手や飛脚などの仕事は奪われていったでしょう。
このような変化がAIによっても生じるとイメージすると良いでしょう。


ChatGPTによって人間の仕事がなくなる?

現在話題のChatGPTですが、このような技術の進歩は、我々が思い描くような未来への一歩として歓迎される一方で、同時に労働市場において大きな影響を与える可能性があります。

この変化にChatGPTは代表的な存在のサービスといえます。
すでに学術界やビジネス界ではその調査が行われており注目が集まっています。その例として以下にいくつかの論文を示します。

1つ目は
OpenAIやペンシルベニア大学などが共同で実施した調査です。これによるとアメリカの労働力の8割のうちその仕事の1割が自動化やAIによって置き換えられる可能性があり、その影響は広範囲におよぶと考えられます。

Tyna Eloundou et al, (2023). GPTs are GPTs: An Early Look at the Labor Market Impact Potential of Large Language Models. Open AI.

2つ目はアメリカの就活サイトによって実施されたアンケート調査です。これによると現在求職中のアメリカ人の62パーセントが、「ChatGPTに自分たちの仕事を奪われるのではないかと懸念している」と回答しています。

ZipRecruiter, (2023). The ZipRecruiter Job Seeker Confidence Survey.

最後はアメリカの金融機関ゴールドマンサックスによる調査です。これによれば、生成AIは今後、世界全体で約3億人相当の仕事を置き換える可能性があるといいます。

The Potentially Large Effects of Artificial Intelligence in Economic Growth(Briggs/Kodnani), Goldman Sachs Economics Research, 26 March 2023

上記のように多くの学術機関等からもChatGPTやAIで仕事が奪われる可能性が限りなく高いことが示されています。


ChatGPTに可能な業務の特徴とは

では、実際に代替される業務とはなんでしょうか。
このセッションでは、実際にChatGPTが可能な業務にはどのようなものがあるのかを紹介します。
ChatGPTに可能な業務には大きく分けると以下のものが挙げられます。

・ルーチンな業務

・顧客サービス業務

・教育業務

・文章や言語を扱う業務

それぞれ具体的にどのような仕事が含まれるのかを紹介します。

①ルーチンな業務

ChatGPTは大規模なデータセットを高速で処理することが可能であるため、繰り返しのタスクといったルーチンワークは置き換えられる仕事の一つと考えられます。例えば以下のような仕事が挙げられます。

・データ処理アシスタント

・書類の整理やファイリングといったオフィス業務

・一部の製造業における検品業務

②顧客サービス業務

顧客サービス業務はAIによる影響を強く受けている分野の一つです。ChatGPTをはじめとしたAIチャットボットや音声認識技術の導入により、顧客の問い合わせて自動応答できるシステムが登場しています。

また、AIによる自動応答システムは24時間対応が可能であり、人間の顧客サポート担当者が必要ないため、企業は顧客に対してより柔軟な対応を提供できます。これにより、人手による顧客サポートの需要が減少する可能性があります。例えば以下のような仕事が挙げられます。

・コールセンター業務

・銀行窓口業務

・FAQ管理者

・テクニカルサポートエンジニア

三井住友銀行のチャットサポート画面
三井住友銀行のチャットサポート画面

③教育業務

教育分野におけるいくつかの業務もChatGPTの影響を強く受けています。ChatGPTなどのNLP技術を活用した言語学習プラットフォームが登場しており、これらのプラットフォームは、自然な対話やリアルタイムのフィードバックを提供し、言語学習を支援することが可能です。

また、教育コンテンツ生成ツールも出現しています。これによって、教育分野におけるいくつかの業務において人手による需要が減少する可能性があります。例えば以下のような仕事が挙げられます。

・言語教師

・教育コンテンツ開発者

ChatGPTでは以下に示すように、具体的な英文法を教えてくれることに加えて、自然なフランス語会話といった幅広い言語学習をサポートしてくれます。

英文法を教えてくれる
例文を含めた英文法を教えてくれる

フランス語会話を楽しむ
ChatGPTと自然なフランス語会話を楽しむ

④文章や言語を扱う業務

ChatGPTの自然言語処理(NLP)技術の進歩によって単語やフレーズを理解するだけでなく、文脈および文化的なニュアンスまで考慮した文章作成が可能になりつつあります。このようなシステムは、国際的なビジネスコミュニケーション、さらには文学作品の作成といった多種多様な分野で利用されています。

また、ChatGPTはソフトウェア開発の現場においても大きな影響を及ぼしています。ChatGPTは、コーディングプロセスの初期段階でのアイデアの提供から、実際のコードの生成、デバッグ、さらにはレビューといった業務が可能となるため人手による需要が減少する可能性があります。例えば以下のような仕事が挙げられます。

・翻訳業務

・コピーライター

・プログラマー

実際にChatGPTにBBCの新聞を日本語訳してもらいましたが、自然な日本語となっています。

BBCの英語記事
BBCの英語記事

ChatGPTによって日本語訳されたBBCの英語記事
ChatGPTによって日本語訳されたBBCの英語記事*


ChatGPT・AIによってなくなる仕事・成長する仕事ランキング40選

2023年から2027年の間に最も成長する職業と、最も減少する職業
2023年から2027年の間に最も成長する職業と、最も減少する職業

この画像は世界経済フォーラムが報告しているAIのよりなくなる仕事と成長する仕事をまとめたものです。

成長が最も早い職業(Top 10 Fastest Growing Jobs)

順位 職業 説明
1 AI・機械学習スペシャリスト AIと機械学習に特化した専門家
2 サステナビリティスペシャリスト 環境問題や持続可能性に関する専門家
3 ビジネスインテリジェンスアナリスト データ分析を通じてビジネス戦略を支援する専門家
4 情報セキュリティアナリスト サイバーセキュリティを担う専門職
5 フィンテックエンジニア 金融技術(フィンテック)の設計・開発に携わる技術者
6 データアナリスト・データサイエンティスト データの分析と科学的研究を行う職種
7 ロボットエンジニア ロボットの設計・開発を担当する技術者
8 電気技術エンジニア 電気工学分野で設計・開発を行う技術者
9 農業機械オペレーター 農業用機械の操作や管理を行う職種
10 デジタルトランスフォーメーションスペシャリスト デジタル技術を活用した業務改革を推進する職種

エンジニアが多くを占めていますね。エンジニアでも生成AIによる開発の自動化で生産性を高めていく技術を身につけることは必須となります。

最も急速に減少する職業(Top 10 Fastest Declining Jobs)

順位 職業 説明
1 銀行窓口係・関連職種 銀行の窓口業務を担当する職種
2 郵便サービス係 郵便局での業務を担う職種
3 レジ係・チケット係 販売やチケット発行を行う職種
4 データ入力係 定型的なデータ入力業務を行う職種
5 管理職・秘書 事務管理や秘書業務を担当する職種
6 在庫管理係 物資や商品の在庫を管理する職種
7 会計・帳簿・給与管理係 会計や給与処理を行う職種
8 法律家・公務員 法律関連や官僚的業務を担当する職種
9 統計・財務・保険事務 財務・保険に関連する統計業務を行う職種
10 戸別訪問販売員・新聞配達員・街頭販売員 訪問販売や街頭販売に従事する職種

このレポートは、2023年から2027年の間に最も成長する職業と、最も減少する職業を示しています。減少が予測される職種は自動化やデジタル化の影響を受けやすい分野が多いことが特徴です。

アクセンチュアの報告

生成AIが影響を及ぼす業種
生成AIが影響を及ぼす業種

このグラフは、生成AI(Generative AI)が各産業に与える影響を示しており、業界ごとに異なる影響度合いが視覚的に表されています。それを以下のように解説し、まとめました。

各産業における生成AIの影響割合(%)

以下の項目は、影響度を色分けされたセクションごとに区分したものです。

産業 高影響 中影響 低影響 影響なし
銀行業 54% 12% 24% 10%
保険業 48% 14% 26% 12%
ソフトウェア・プラットフォーム 36% 21% 28% 15%
資本市場 40% 14% 29% 18%
エネルギー業 43% 9% 14% 34%
通信・メディア 33% 13% 21% 33%
小売業 34% 7% 12% 46%
産業平均 31% 9% 22% 38%
ヘルスケア 28% 11% 33% 27%
公共サービス 30% 9% 35% 26%
航空宇宙・防衛 26% 13% 20% 41%
自動車産業 30% 6% 13% 50%
ハイテク産業 26% 8% 16% 50%
旅行業 28% 6% 15% 50%
ユーティリティ(電力など) 27% 6% 15% 52%
ライフサイエンス 25% 8% 17% 50%
製造業 26% 6% 14% 54%
消費財・サービス 24% 6% 13% 57%
化学業 24% 5% 14% 56%
自然資源 20% 5% 11% 64%
  1. 高影響を受ける産業

    • 銀行業(54%)保険業(48%) では、生成AIが業務効率化や顧客対応の自動化に寄与し、特に大きな影響が期待されています。
    • エネルギー業(43%)資本市場(40%) でも、データ分析や意思決定の自動化により、業務変革が進むと予測されています。
  2. 影響が比較的低い産業

    • 自然資源(20%高影響)化学業(24%高影響) では、直接的な自動化の進展は遅いものの、徐々に生成AIの導入が進む可能性があります。
    • 特にこれらの分野では、AIが間接的な効果をもたらすケースが多いと考えられます。
  3. 業界平均

    • 産業平均では、高影響31%中影響9%低影響22%影響なし38% と分布しています。
    • この結果は、生成AIの進展が業界によって大きく異なることを示しています。
  4. 低影響・影響なしが高い産業

    • 自動車産業(影響なし50%)ユーティリティ(影響なし52%) などの分野では、生成AIの導入が現時点では限定的であることがわかります。

このデータは、生成AIが特に銀行業、保険業、ソフトウェア分野で高い影響を及ぼす一方、自然資源や化学業などでは影響が限定的であることを示しています。生成AIの活用は、業界ごとに異なる戦略が必要であり、特にデータ分析や業務効率化が求められる分野で急速に進展していることが分かります。

今回は具体例として抜粋しましたが、上記以外にもChatGPTによって置き換え可能な業務は無限大です。
今ではAIエージェントという概念も出てきておりルーティンの業務以外でもAIが自ら判断して行動を起こすことでさらに活用の幅が広がるとされています。

AI駆動開発

まとめ

本記事では、AIの技術の発展によって変化する仕事をご紹介いたしました。

AIやChatGPTが果たしうる業務とそれによってなくなってしまう可能性のある業務を紹介しましたが、一方でChatGPTが発達することによって新しく生まれる業務もあります。また、ChatGPTにすべてを任せるのではなく、人の力が必要な場面も多く存在します。今後、ChatGPTと共存するためには、継続的な学びと適応能力が必須であること、そしてAIの時代に適した新たなスキルとキャリアの展望を持つことが重要です。

AI総合研究所ではAIの情報発信を多く行っています。今後に活用できる情報を発信していますのでぜひご参考にしていただけたら幸いです。

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坂本 将磨

Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。

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